以前の記事で、チューブを使用した血流制限トレーニングの例として、肩側部と後部に適用したものを紹介しました。
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【筋トレ】肩側部をパンプ、パンプ!:血流制限ケーブル・サイドレイズ
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【筋トレ】肩後部をパンプ、パンプ!:血流制限リアデルト・リバース・マシンフライ
今回は上腕二頭筋に適用した行い方を紹介します。
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チューブによる血流制限バイセプス・カール
リング型のチューブで上腕二頭筋の起始部付近や筋腹を部分的に圧迫し、カール動作を行います。
MCトレーニングのコンセプトと同様に、筋肉を圧迫することで筋肉内の毛細血管の血流を制限します。
(MCトレーニングは多面的に直接圧迫するので、より良い手法になります)
使用チューブ
自分自身やクライアント様に、このチューブを使用しています。↓
強度:ハード
強度:ミディアム
※2022.9.28追記
上記チューブは旧型ですが、最近、仕様変更されました。正直に言いまして、仕様変更後は切れやすくなったと感じます(個人的感想)。旧型は非常に丈夫でしたが。。。現在、代わりの商品を探しています。
血流制限セッティング
以下のように2パターンあります。
パターン1
上腕二頭筋の起始部をチューブで間接的に圧迫します。
使用チューブは強度ミディアム(緑色)を2本使用。(強度ハードのチューブでも可)
step
1チューブをベンチの両足にかける
以下の写真のようにチューブのリング部にベンチの足を通す。
もう片足も同様に。
step
2上腕二頭筋の起始部付近にチューブをかける
チューブのもう一方のリング部に肩を通して上腕二頭筋の起始部付近を圧迫する。
出典:Clem W. Thompson, R.T.Floyd著 『身体運動の機能解剖 改訂版』
step
3ベンチの中央付近に座る
ベンチの中央に座る。
step
4起始部付近にかけたチューブの調整
カール動作を繰り返してみて、起始部付近にかけたチューブが外れないか確認する。
パターン2
チューブで上腕二頭筋起始部の間接圧迫と筋腹の直接圧迫を行います。
使用チューブは、起始部間接圧迫に強度ハード(青色)を1本、筋腹直接圧迫に強度ミディアム(緑色)を1本使用します。
step
1上腕二頭筋の起始部付近にチューブをかける
両肩に強度ハード(青色)のリング部を背面から通して上腕二頭筋の起始部付近を圧迫する。
出典:Clem W. Thompson, R.T.Floyd著 『身体運動の機能解剖 改訂版』
step
2上腕二頭筋の筋腹にチューブをかける
両腕に強度ミディアム(緑色)のリング部を背面から通して上腕二頭筋の筋腹(中央部付近)を圧迫する。
上腕二頭筋の短頭(内側)の刺激を重視したい場合は、チューブの太い部分を内側にかければ良いです。
写真は有りませんが、長頭(外側)を重視する場合はチューブの太い部分を外側にかけます。
step
3チューブの調整
カール動作を繰り返してみて、かけたチューブが外れたりズレないか確認する。
カール種目
カール種目なら何でも良いです。参考例です。↓
パターン1
血流制限セッティングが上腕二頭筋の起始部のみのパターンです。ベンチから移動できないので、以下のような種目に限られます。
ダンベル・カール
ダンベル・ハンマーカール
プレート・カール
EZバー・カール
写真なし
これらの種目の実施時に共通して言える事ですが、少し前傾姿勢になって行ってください。
パターン2
血流制限セッティングが上腕二頭筋の起始部と筋腹のパターンです。自由に移動できますので、以下のカール以外にも、バーベル・カールやマシン・カール、ケーブル・カールで行えます。
ケーブル・バーカール
ケーブル・ハンマーカール
ケーブル・ツーハンドルカール
以上、カール種目の例を示しました。
実施の際、反復のテンポはリズミカルに実施します。具体的にはカールに0.5~1秒、下ろし動作に0.5~1秒程度です。動作や可動域は多少雑でも構いません。
血流制限下で動作を繰り返し、強いパンプを得る事が目的なので、動作が雑でも辛くなってきてから可動域が狭まってもいいので、動作を繰り返す事に重きをおいて下さい。
反復回数
2パターンあります。
パターン1
30回
↓5秒休息
20回
↓5秒休息
10回
これを1セットと定義します。
パターン2
30回
↓5秒休息
15回
↓5秒休息
15回
↓5秒休息
15回
これを1セットと定義します。
パターン2で行なうことが理想です。
セット数
4セット。
キツい場合は少ないセット数から開始し、段階的に増やして4セットできるようにします。
セット間休息
45~90秒。
セット間休息時は、かけたチューブをはずし血流制限を開放してもよいです。
使用重量
2セット目が強いパンプでかなりキツく感じる(なんとかこなせる)重量で実施。
実施頻度
おすすめは上腕二頭筋トレの日だけでなく、他部位のトレ日にも行って週3~4回の高頻度実施です(24時間あけていれば連日の実施でもOK)。
このトレ手法は筋繊維を傷つけるタイプではないので、回復がはやく、高頻度でできるようになります。
(初期はパンプ系でも筋肉痛がおきます。筋肉痛がある場合は行わないのが無難です。)
この方法はパンプや筋内低酸素という代謝ストレスをきっかけに、体に備わる筋肥大の仕組みを発動させます。『筋肥大スイッチ』みたいなものです。
しかも筋繊維は傷づかず、回復がはやい。
ならば、高頻度でそのスイッチを押して(=このトレ頻度多くする)、筋肥大の機会を多く得ればよいわけです。
上腕二頭筋トレの日だけ実施するのも勿論有りです。
この方法の利点
強いパンプが得られる
やって頂くとわかりますが、軽重量・比較的短時間で強いパンプが得られます(セットが進むにつれ、段階的にパンプが強くなります)。
強いパンプは筋肥大しうる代謝ストレス(筋肥大要因の1つ)になります。Schoenfeld氏とContreras氏の記事によると、パンプによって次の筋肥大作用が働きます。
(1)筋合成の活性化・筋分解の抑制
パンプによる筋細胞膜の張りを脅威と認識し、体に備わる筋肥大の仕組み(経路)が活性化、筋分解の仕組み(経路)が抑制される。
(2)筋衛星細胞の活性化
筋肥大を促進する筋衛星細胞の活動を増加させる。
(3)筋形質の体積を増やす
筋原線維を囲む筋形質の体積を増やし、その結果、筋肉が肥大する。

※筋形質は、筋原線維にエネルギーを与える部分。
筋肉が酸欠した状態で反復できる
この方法は血流制限によって酸素流入が制限されるので、筋肉を酸欠にした状態で反復しています。この筋肉内低酸素状態の反復も以下のとおり筋肥大を促す可能性があります。
(1)筋合成の活性化
体に備わる筋肥大の仕組み(経路)が活性化される。
(2)ミオスタチンの不活性
筋肥大を阻害するタンパク質『ミオスタチン』(マイオカインの一種)を不活性化。
(3)速筋線維の動員
低酸素環境では速筋線維が動員されやすい。
実際、Loenneke氏他4名のメタ分析によると、低負荷(Max重量の20~30%)にも関わらず血流制限状態(ベルトやバンドで圧迫)でトレする事で、通常の高負荷トレと同等又はそれを超えた筋成長が早期に得られています。
回復が早く高頻度でできる
上述したとおり、このトレ手法は筋繊維を傷つけるタイプではないので回復に時間を要さず、やっていくうちに高頻度でできます。ですので、筋肥大の機会が多く得られます。
MCトレーニングについて
この項は宣伝になります(笑)。
現在、代表的な血流制限トレーニングには以下があります。
器具なし系
スロートレーニング
アイソメトリクス活用
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器具系
加圧トレーニング
BFRベルト加圧トレーニング
市販ベルトで加圧トレーニング(海外も含めると沢山売り出されてます)
チューブで筋肉直接圧迫トレーニング(今回紹介したやり方)
この中で、私が個人的に一番優れていると思う血流制限トレーニングはMCトレーニングです。理由は以下です。
血流制限トレの効果がしっかり得られる
高い安全性(加圧時間が少くなくて済むので血栓のリスク減)
やる人の負担減(加圧圧力が低い)
アスリートに対応可(速い動きにも対応可能)
上肢・下肢以外の部位も血流制限可能
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