フリーウェイト種目やマシン種目にチューブを組み合わせて行う方法があります。
目的によって、チューブの組み合わせ方は何パターンかありますが、私がよく行うのは筋肉のテンションやパンプを増加させる目的でチューブを組み合わせます。
本日はその一例として、シーテッド・ダンベルカールにチューブを組み込んだ行い方を紹介します。
カール動作は以下の動画のように、左右同時で行なう場合や片方ずつで行なう場合があります。
<左右同時で行なう>
出典:Nikkiey Stottチャンネル Seated Dumbbell Curls
<片方ずつで行なう>
出典:OPEX Fitnessチャンネル Seated Single Arm Dumbbell Bicep Curl - OPEX Exercise Library
個人的には片側ずつ行なう事が多いです。筋肉を意識しやすいですし、より重たい重量が扱えるからです。これにチューブを組み合わせます。
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シーテッド・ダンベルカールwithチューブ:Isoホールドと伸張負荷を追加する
今回の行い方は、通常のシーテッド・ダンベルカールで扱っているダンベル重量そのままに、チューブを追加してカール動作の『トップ位』と『下ろす動作』にピンポイントで刺激を増強するやり方です。
『上げる動作』にはチューブの負荷はかかりません。以下のように行います。
①チューブの長さを設定
↓
②ダンベル+チューブでカール
↓
③カールのトップ位で立ち上がる
(負荷増しのアイソメトリクス・ホールド追加)
↓
④立位でダンベル+チューブを下ろす
(伸張負荷の増強)
↓
⑤ボトム位直前まで下ろしたら座る
この①⇒⑤で反復1回になります。これを限界まで繰り返します。詳細を記していきます。
事前準備:チューブ強度の選択
下に示すStep1~5を事前に行なって、反復限界7回以下にならない範囲でチューブ強度を選択します。
(例)チューブ無で12回できる場合
・赤チューブ加えたら6回だった。
・青チューブ加えたら8回だった。
・緑チューブ加えたら10回だった。
⇓
赤チューブは除外、青チューブor緑チューブを好みで選択。
具体的な行い方です。↓
step
1チューブの長さを設定
カールのトップ位で自然長になるように長さを設定。
※チューブの自然長
チューブがたるみもしないし、伸びて張力も発生しない長さ。
step
2ダンベル+チューブでカール
Step1で設定したチューブと通常扱っている重量のダンベルをトップ位までカールする。
カールのトップ位でチューブの長さは自然長なので、上げる動作中の上腕二頭筋にはチューブの負荷はかからずダンベルの負荷のみかかります。
step
3カールのトップ位で立ち上がる
トップ位でダンベル+チューブを保持したまま立ち上がる。
立位ではチューブが伸びているので、ダンベルだけでなくチューブの負荷も上腕二頭筋にかかります。
この座位⇒立位までの間、『ダンベル負荷+チューブ負荷』のアイソメトリクスを上腕二頭筋に課している事になります(負荷増しのアイソメトリクス・ホールド追加)。
step
4立位でダンベル+チューブを下ろす
立位のまま、ダンベル+チューブを肘が伸びきる手前まで下ろす。
すみません、図では肘が伸びきっていますが、伸びきる手前までです。
立位では伸びたチューブが元に戻ろうとしているので、ダンベルだけでなくチューブの負荷も上腕二頭筋の伸張負荷に加わります(伸張負荷の増強)。
step
5座る
肘を伸ばし切る事なく(負荷を抜く事なく)座る。
すみません、図では肘が伸びきっていますが、伸びきる手前までです。
このStep1⇒5で反復1回となります。いちいち立ち座りを行なうのでメンドーな感は否めませんが、これを限界まで繰り返します。
余談なんですが、今回の種目は上腕二頭筋の『短縮性収縮』『アイソメトリクス(等尺性収縮)』『伸張性収縮』で構成されています。
ダンベル負荷はこれら全ての収縮にかかりますが、チューブ負荷は短縮性収縮の際(ダンベルとチューブを上げる動作)に意図してかからない様にしています。
実は、トレーニング理論的にはダンベルカールやバーベルカールに負荷の一部としてチューブを加える事は推奨されていません。
理由は上腕二頭筋に不適切な過負荷が入るからです。特に、出力が弱い短縮性収縮の際はその影響が大きいと思われ、反復回数がかなり落ち込んだり、下ろしている際中(伸張性収縮時)は「まだいける感」があっても急に上げれなく(短縮性収縮できなく)なったりします。
ですので、今回の種目では出力が弱い短縮性収縮ではなく、出力が強いアイソメトリクスと伸張性収縮にチューブ負荷がかかるようにしています。
利点について
この種目の利点は以下があげられます。
短縮位で筋繊維を多く動員
伸張刺激の増加
筋緊張時間の延長
短縮位で筋繊維を多く動員できる
この種目の動作の中で、カールして座位⇒立位の時に(アイソメトリクスの時に)チューブが伸びるので、上腕二頭筋の筋繊維の動員が増加します。
上腕二頭筋を短縮位でより強く収縮させる事ができるということです。
これは筋肥大要因『メカニカルテンション』の増大だけでなく、筋内圧の高まりや血管の圧迫増で血流の制限も増すと思われ、これにより乳酸などの代謝産物の蓄積が促されパンプしやすいと言えます。
パンプは筋肥大要因『代謝ストレス』になります。
伸張刺激の増加
この種目の下ろし始め、チューブは最大に伸びているので最大の張力で戻ろうとしていますから、伸張刺激が増します。
これは筋肥大要因『筋損傷』に関わります。
筋緊張時間の延長
通常のシーテッド・ダンベルカールと比較して、今回の種目は『立ち上がり動作』と『座る動作』がプラスされています。
その2つの動作中、上腕二頭筋の緊張は抜けてませんから緊張時間が延長される事になります。筋緊張時間の延長は、『メカニカルテンションの増加』『パンプの促進』『筋タンパク質合成の増加』につながるので、筋肥大促進の可能性があります。
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