学生時代、IRONMAN誌の連載記事『マッスル北村のスーパーバルクアップトレーニング』が大好きで、何度も何度も読み返していました。
この連載記事では、マッスル北村さんが多角的にDBレイズを行っていることが本人の解説付きで紹介されています。
側方や後方から見ても立派に発達している肩をつくるために、サイドレイズとリアレイズだけではなく、その間の角度(2通り程度)でもレイズをしています。
出典:マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング アイアンマン特別編集 肩のトレーニング
このとき既にマッスル北村さんは、三角筋の筋繊維方向を細かく意識されていたんだと思います。当時の私は全く意識していませんでした。
時が流れて、またもIRONMAN誌でですが、三角筋は7つのヘッド(区画)に分かれている事を知ります。
これは解剖学的研究でも示されていて、その一例であるSakomaさん達の研究によると、三角筋は筋内腱の走行に基づいて7つの区画に分かれ、それらが三角筋の機能的な運動単位である可能性が示されています。
<三角筋の7つの区画>
出典:PMC3042752 Sakomaら著 Anatomical and functional segments of the deltoid muscle Fig.3
三角筋の機能的な運動単位が『7区画』と多く分かれているのならば、それら全てを活性化させるためには多角的なレイズ動作が有効だと考えられ(活性化する区画が微妙に変化する)、これは肩を満遍なく発達させることに繋がると思われます。
こういった考えで、私もマッスル北村さんと同じく、多角的なレイズ動作を取り入れています。
三角筋が伸びた位置で負荷掛けしたいので、私が取り入れている多角的なレイズ動作はライイングで行ないます。
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ライイングDB多方向レイズ
肩の側部~後部エリアを狙い、片方ずつ行います。
1反復が長くてこんがらがりそうですが、こんな感じです。↓
ホント1反復が長くてごめんなさい。これを5回実施します。
説明
90°方向→45°方向→0°方向→マイナス角方向の順でレイズし、逆順で帰ってきます。この往復を1反復とします。
- 片方ずつ行なう。
- 各方向のレイズ動作のボトム位で、跳ねるような反動(伸張反射)は使わない(楽にこなせてしまうので)。
- 上記反動を防止するため、各方向のレイズ動作のボトム位で1秒程度停止する。
- 90°方向レイズと45°方向レイズの下ろし動作は、胸を軽く張って行うと良い(三角筋ストレッチ目的)。
使用重量
まずは4~5kgでやってみるとよいです。
反復回数
5回(5往復)。途中で限界に至り、何度中断しても構いません。その都度5秒休息をとって5回(5往復)を完遂させます。
セット数
左右各3セット。左右交互に実施します。
セット間休息
左右交互に実施するので、特に設定していません(片方実施中、もう片方は休息中)。
使用重量の増量タイミング
中断すること無くきっちり5回(5往復)できたセットは、次回トレで1kg増量します。中断してしまったセットは、次回トレで同重量のまま中断無しの5回(5往復)を目指します。
メリットだと思う点
まずは、肩の側部~後部エリアの筋繊維を多く刺激できる点です。
また、それら筋繊維が伸展し、そこで負荷が掛かるエクササイズ構造になっている点も良いと思います。筋肉の伸展位側での負荷掛けと筋収縮は筋肥大を促進する可能性があると考えています。
実施バリエーションについて
ライイングDB多方向レイズには実施バリエーションがあります。最後にそれを紹介します。
バリエーション1:肩関節の内旋位・外旋位で行なう
前項で紹介したライイングDB多方向レイズは、肩関節の回旋位をニュートラルにして実施するものでした。
この回旋位を外旋位又は内旋位にしてライイングDB多方向レイズを行なうと、刺激の入り方に変化が生じます。
外旋位パターン
以下の様に、常に肩関節を外旋位にしてライイングDB多方向レイズを行います。
ライイングDB多方向レイズは、90°方向、45°方向、0°方向、マイナス角方向のレイズで構成されていますが、外旋位で行なう場合、ダンベルが縦になって体に当たるため、0°方向レイズの可動域が浅くなってしまいます。
ですので、腕を少し前方にずらして0°方向レイズの上げ下げを行っています。
内旋位パターン
以下の様に、常に肩関節を内旋位にしてライイングDB多方向レイズを行います。
ライイングDB多方向レイズは、90°方向、45°方向、0°方向、マイナス角方向のレイズで構成されていますが、内旋位で行なう場合、ダンベルが縦になって体に当たるため、0°方向レイズの可動域が浅くなってしまいます。
ですので、腕を少し前方にずらして0°方向レイズの上げ下げを行っています。
肩関節内旋位のレイズは、肩の痛みが出やすいです。痛み出る場合は行わないで下さい。
バリエーション2:間引いて行う
ライイングDB多方向レイズは1反復が非常に長いです(笑)。ですので、90°方向、45°方向、0°方向、マイナス角方向全て行うのでは無く、2~3方向に限定して行うのも良いです。
このバリエーションで私が行う場合、45°方向とマイナス角方向で三角筋側部エリアの伸展感が良いので、これら2方向に限定して行うパターンが多いです。
例:45°とマイナス角方向に限定
この往復で1反復とします。これを8~10回(8~10往復)行います。
これに、バリエーション1の肩関節外旋位・内旋位を加えるのもアリです。
バリエーション3:単方向で行なう
これはバリエーションと言い難いですが、各方向のレイズを単体で行なうのも良いです。
多方向で順繰り反復して行くことは刺激できる範囲が広がりますが、各方向の刺激量が低下すると考えることもできます。「広く浅く」といった感ですね。
ですので、各方向のレイズを単体でやり込んで、それで動員される三角筋の区画を集中的に刺激するのも良いと考えます。
90°方向レイズ
45°方向レイズ
0°方向レイズ
マイナス角方向レイズ
これら単方向レイズにバリエーション1の肩関節外旋位・内旋位を加えるのもアリです。
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