お久しぶりでございます。(笑)
2024年度のトレーナー活動はとっくに開始していますが、ブロガーとしての活動は今からです。かなりサボりましたが再開です。
本年もよろしくお願い致します。
過去記事で私なりの高頻度トレーニングについて纏めた事があります。この過去記事で書きましたが、1回のトレーニングで多量に刺激する程、その部位の筋肥大が増すわけでは無く、限度があります。
この事から、1度に各部位を多量に刺激するのではなく、最適化した刺激量を高頻度で与えて筋肥大を促進する方針も有効だと考えられます。
1度に与えた多量のトレーニング刺激が筋肥大に反映されない理由は、『リボソーム』にあるようです。
本日は、リボソームの量に着目した筋肥大トレーニング方針と、その具体例を紹介します。
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リボソームとは
リボソームは細胞内に存在する小器官で、タンパク質合成の場となっています。ですので、筋細胞内に存在するリボソームは、言わば、「筋肉作成工場」のようなものです。
トレーニング刺激がきっかけになり、筋肉作成工場『リボソーム』に筋肉作成指示が出され、筋肉が作られます。
前段で、1度に与えた多量のトレーニング刺激が筋肥大に反映されない理由は、『リボソーム』にあるようだと言いました。それは、リボソームのタンパク質合成能力に限界があるからです。
多量のトレーニング刺激により筋肉作成指示(mTORシグナル伝達活性)が高まりますが、筋肉作成工場『リボソーム』の生産能力では全て対応できず、その多量のトレーニング刺激全ては筋肥大に反映されないようです。
ですので、1度に多量のトレーニング刺激を与えても、その一部が無駄になってしまう可能性が高いということになります。
こういった背景から、1度に与えるトレーニング刺激量を最適化して、それを高頻度で与えようと考えたトレーニング方針が以下の過去記事です。↓
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【筋トレ】ここ数年の私のトレーニング方針『最適容量高頻度トレーニング』について(2/2)
筋肥大にはリボソームが重要で、その量を増やしたり活性化させたりできれば、上記の筋肥大トレーニング方針を発展させ、より筋肥大できるトレーニングプログラムが構築できる可能性があります。
リボソーム量の変化を考慮した筋肥大トレ方針について
リボソーム量を増やしたり活性化できれば、筋肥大がより促進されるプログラム構築が可能かもしれないと述べました。
その可能性を示してくれた書籍が昨年6月に発行されています。著者は東大の石井直方名誉教授で、書籍名は『筋生理学で読みとくトレーニングの科学』です。↓
この書籍は、石井直方名誉教授が日本トレーニング指導者協会(JATI)の機関誌に連載した記事をまとめたものです。専門的な内容をわかりやすく記述してくれています。より良いトレーニングプログラムを作成するヒントが多く載っています。
この書籍の後半で、リボソーム量の変化に着目し、より効率的に筋肥大が促進できないか検討している章がありました。
リボソームに着目した筋肥大トレーニングは新たなアプローチだと思い注目していたので、書店で拝見した際にワクワクしてしまい即購入です。(笑)
リボソームに関する科学的知見から、トレーニング刺激後のタンパク質合成をより効率的に上昇させるトレーニング方針が提示されています。
リボソーム量を考慮したトレーニング方針
【背景にある知見】
- トレーニング実施回数の初期段階でリボソーム量が増加する。
- リボソーム量を予め増加させておくと、その後のトレーニングでタンパク質合成が劇的に上昇する。
- トレーニングを継続していても、リボソーム量は次第に減少する(トレーニングでタンパク質合成が劇的に上昇する状態は長期的に継続しないと考えられる)。
- 上記リボソーム量の減少理由の1つは、トレーニング継続に伴う馴化(トレーニング刺激に対する感受性の低下)でmTORシグナル伝達系の活性化が減弱するためだと考えられる。(リボソーム生合成にmTORシグナル伝達系が関わっている)
- 『トレーニングの休止→再開』により馴化が解消され再感作(トレーニング刺激に対する感受性の再上昇)が起こり、mTORシグナル伝達系活性化の減弱が回復する。
- 筋肥大した筋が一時的なトレーニングの休止で萎縮してしまっても、トレーニングを再開すれば、『馴化後の再感作』『筋繊維核の増加と保持』『エピジェネティック修飾』により早期に回復すると考えられる。(トレーニング休止を恐れないで下さい)
リボソーム量の変化を考慮した筋肥大トレの具体例
前項のトレーニング方針を具体化してみました。過去記事で書いた『最適容量高頻度トレーニング』を今回の方針に当てはめて組み直しています。
最適容量高頻度トレの軽いおさらい
『最適容量高頻度トレーニング』は、リボソームのタンパク質合成能力に限界があることを考慮して、1度に与えるトレーニング刺激量を最適化し、それを高頻度で与えるトレーニングです。
科学的根拠をもとに各部位1度に与える刺激量を6セットと決め、これを各部位週3回実施します。これを実現するため、部位分割は『胸・肩・上腕三頭筋・大腿四頭筋』『背(広がり系)・背(厚み系)・上腕二頭筋・ハムストリングス』の2分割にしています。↓
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【筋トレ】ここ数年の私のトレーニング方針『最適容量高頻度トレーニング』について(2/2)
これを今回の方針に当てはめて変えてみたものが以下になります。
具体例:リボソーム増加による筋タンパク質合成増強トレ
①通常パターン
2分割した『胸・肩・上腕三頭筋・大腿四頭筋』と『背(広がり系)・背(厚み系)・上腕二頭筋・ハムストリングス』を隔週で刺激します。
週の前半はリボソーム量増加フェーズで、各部位6セットに止めます。週の後半はタンパク質合成増強フェーズで、各部位24セットにして刺激を多量に与えます。
タンパク質合成増強フェーズでは、上腕三頭筋と上腕二頭筋の独立したトレ日を設けていません。その理由は、胸と肩、背(広がり系)と背(厚み系)のトレで十分に刺激できると考えるからです(腕の筋肥大を最優先にする場合は組み直す必要があるかもしれません)。
各部位を隔週で1週間休ませることでmTORシグナル伝達系の再感作をはかっています。十分に再感作させるため、5週目は丸々一週間休息するのも良いかもしれません。
各部位を隔週で刺激するので一見すると、元になっている『最適容量高頻度トレーニング』より総負荷量(筋肉が行う仕事量の指標で、筋肥大と相関がある)が小さくなる様に感じますが、月単位(4週間単位)でみると同じ総負荷量になっています(ただ、これが筋肥大量の面でも等価といえるのかは不明です)。
簡易的に比較するため、4週間当たりの総負荷量をセット数で表すと、どちらも各部位72セットになります。
②総負荷量ましましパターン
元になっている『最適容量高頻度トレーニング』の総負荷量を上回ったものにしたい場合は、再感作にかける日数の1日分をトレーニングにあてると良いかもしれません。『通常パターン』の火曜OFF日をトレーニングにあてています。↓
『最適容量高頻度トレーニング』や『通常パターン』の各部位総負荷量が4週間あたり72セットであるのに対し、『総負荷量ましましパターン』は12セット多い84セットになります。
以上です。
今回の内容は備忘録の意味合いが強く、具体化した段階で記事にしました。まだ自分自身で試していないので有効か否かを実感できていませんが、期待感が大きいです。
トレーニング期間、トレーニング量、休止期間、休止を入れるタイミングなどを調整することで、休止による筋委縮の程度を低く抑えつつ、リボソーム量・再感作・筋メモリー(筋繊維核増加・保持やエピジェネティック修飾)による、急速で、より大きな筋肥大効果が期待できるかもしれません。
時間をかけて試してみたいと思います。楽しみです。
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