私の肩は代謝ストレスで筋肥大を促すアプローチと相性が良く、『トライセット』『ジャイアントセット』『ドロップセット』『アセンディングセット』など、パンプを促すトレ手法を取り入れています。
(刺激に慣れさせないため、高重量トレも活用します)
上記以外のパンプ促進手法に血流制限トレーニングがあります。この方法も良く使います。
血流制限トレーニングは筋内を低酸素状態にして反復を行うので、速筋線維の活動や代謝産物の蓄積が促進され強いパンプが得られます。
血流制限トレーニングのやり方は色々ありますが、その中からチューブを使ったものを紹介します。適用種目は『ケーブル・サイドレイズ』。相性がいいんです。肩側部の強烈なパンプを堪能下さい!
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チューブによる血流制限ケーブル・サイドレイズ
リング型のチューブで肩側部を部分的に圧迫して、ケーブ・サイドレイズを行います。MCトレーニングのコンセプトと同様に、筋肉を直接圧迫することで筋内の毛細血管の血流を制限します。
(MCトレーニングは多面的に直接圧迫するので、より良い手法になります)
チューブの弾性力が、肩側部(三角筋側部)の毛細血管の血流を程良く制限してくれます。また、軽いチューブ負荷による増張性筋収縮も起きていますが、これもパンプを促してくれます。
使用チューブ
以下のチューブを使用します。
トレ経験に関わらず大多数の方が上記チューブで十分ですが、パンプの低下を感じたらチューブ強度を変更します。↓
※2022.9.28追記
上記チューブは旧型ですが、最近、仕様変更されました。正直に言いまして、仕様変更後は切れやすくなったと感じます(個人的感想)。旧型は非常に丈夫でしたが。。。現在、代わりの商品を探しています。
血流制限セッティング
加圧トレーニングの様に『どのくらいの強さで巻く?』など考える必要なく、ただ上記のチューブを肩の中央にかければ良いです。

- 上記チューブのリング部に腕を通して、背面から肩にかける。
- 肩(三角筋)中央にチューブがかかるように調整。
- 何度かサイドレイズの動きを行い、動作中に肩中央からチューブがずれないか確認。
行い方
上記のセッティングが終了したら、以下の要領でケーブル・サイドレイズを行います。
開始姿勢

- ケーブルはクロスさせます。(ボトムで負荷が抜けません。)
- ハンドルは握らず手の甲にかけます。(その方が余分な力が入らず肩に集中できます。)
サイドレイズの実施

- 『挙げる』ではなく『外に広げる』を意識してサイドレイズを行う。
- 反復はテンポ良く実施。レイズに0.5~1秒、下ろしに0.5~1秒程度。
動作や可動域は多少雑でも構いません。血流制限下で動作を繰り返し強いパンプを得る事が目的なので、疲労によりフォームの崩れや可動域の狭まりが生じても動作継続を重視して下さい。
ただ、ボトム位でバウンドしながら行うことは避けます。
反復回数
初期段階
慣れるまで以下の反復モードで行ないます。
30回
↓5秒休息
20回
↓5秒休息
10回
最終形
慣れてきたら以下の反復モードに変更します。
30回
↓5秒休息
15回
↓5秒休息
15回
↓5秒休息
15回
これを1セットと定義します。
セット数
4セット。
キツい場合は少ないセット数から開始し、段階的に増やして4セットできるようにします。
セット間休息
60~120秒。
セット間休息時は、肩にかけたチューブをはずして血流制限を開放する。
使用重量
2セット目が強いパンプでかなりキツく感じる(なんとかこなせる)重量で実施。おそらく、ケーブルの最軽重量から試しても十分効くと思います。
重量を増やすタイミング
上記やり方でキッチリ3セット目までできたら、次回トレーニング時に数百g単位で増やす(4セット目グダグダでも構いません)。
※ケーブルサイドレイズの数キロ単位の増量はかなりキツいです
参考
数百g単位の増やし方
ケーブルマシンが数百g単位で増やせない場合は、ジムにあるスプリングカラー(1個あたり270g程度)をウェイトスタックのピンや加重ピンにかけて増やすと良いです。
<スプリングカラー>
<加重ピン>
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【筋トレ】マシンの重量が足りなくなったら
スプリングカラーの用途が通常ではないので、ジムや他のトレーニーに迷惑をかける感が否めません。気が引ける方は以下の様な細かいウェイトプレートを使用すると良いです。
以下プレートが一式になっています。
0.25ポンド(112.5g)×2
0.5ポンド(225g)×2
0.75ポンド(337.5g)×2
1.0ポンド(450g)×2
他手段として鎖もあります。数百g単位で負荷を増やすことができます。
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【筋トレ】細かく増やせる加重ウェイトを自作してみました。
実施頻度
おすすめは高頻度実施です。肩トレ日だけでなく他部位のトレ日にも行って週3~4回実施します(24時間あけていれば連日の実施でもOK)。
筋繊維を傷つけるタイプのトレ手法ではないので、回復がはやく高頻度でできるようになります(初期はパンプ系でも筋肉痛がおきます)。
この方法は、代謝産物の蓄積や筋内低酸素という代謝ストレスを体に与えます。これは筋肥大要因の1つで、筋肥大を誘発する刺激だと言われています。もしそうであれば『筋肥大スイッチ』みたいなものです。
しかも筋繊維は傷づかず、回復がはやい。ならば、高頻度でそのスイッチを押して(=このトレ頻度多くする)、筋肥大の機会を多く得ればよいわけです。
肩トレ日だけ実施するのも、もちろん有りです。
肩後部(三角筋後部)の種目『マシン・リバースフライ』に適用したやり方も、この記事で紹介しています。↓
続きを見る
【筋トレ】肩後部のパンプを促進させる『血流制限リアデルト・リバース・マシンフライ』
この方法の利点
以下のとおり、利点は複数あります。
強いパンプが得られる
やって頂くとわかりますが、軽重量、かつ比較的短時間で強いパンプが得られます。
(セットが進むにつれ、段階的にパンプが強くなります)
強いパンプは、代謝ストレス(筋肥大要因の1つ)を体に与えた証です。Schoenfeld氏とContreras氏のレビューによると、パンプによって次の筋肥大作用が働きます。
(1)筋合成の活性化・筋分解の抑制
体はパンプによる筋細胞膜の張りを脅威と認識し、筋肥大に関わるタンパク質合成経路を活性化、タンパク質分解経路を抑制する。
(2)筋衛星細胞の活性化
筋肥大を促進する筋衛星細胞の活動を増加させる。
(3)筋形質の体積を増やす
筋原線維を囲む筋形質(※)の体積を増やし、その結果、筋肉が肥大する。

※筋形質
筋原線維にエネルギーを与える部分。
筋肉が酸欠した状態で反復できる
この方法は血流制限によって酸素流入が制限されるので、筋肉を酸欠にした状態で反復しています。筋内低酸素状態の反復も以下のとおり筋肥大を促します。
(1)筋合成の活性化
筋肥大に関わるタンパク質合成経路が活性化。
(2)ミオスタチンの不活性
筋発達を阻害するタンパク質『ミオスタチン』(マイオカインの一種)を不活性化。
(3)速筋線維の動員
低酸素環境では速筋線維が動員されやすい。
実際、Loenneke氏他4名のメタ分析によると、低負荷(Max重量の20~30%)にも関わらず血流制限状態(ベルトやバンドで圧迫)でトレする事で、通常の高負荷トレと同等もしくはそれを超えた筋成長が早期に得られています。
回復がはやく高頻度でできる
上述したとおり、このトレ手法は筋繊維を傷つけるタイプではありません。回復に時間を要さず、やっていくうちに高頻度でできます。
ですので、筋肥大の機会が多く得られます。
MCトレーングについて
これ、宣伝ですね(笑)。ごめんなさい。🙇
現在、代表的な血流制限トレーニングは以下です。
器具なし系
- スロートレーニング
- アイソメトリクス活用
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器具系
- 加圧トレーニング
- BFRベルト加圧トレーニング
- 市販ベルトで加圧トレーニング(海外も含めると沢山売り出されてます)
- チューブで筋肉直接圧迫トレーニング(今回紹介したやり方)
- MCトレーニング
これらの中で、私が個人的に一番優れていると思う血流制限トレーニングは、MCトレーニングです。理由は以下です。
- 血流制限トレの効果がしっかり得られる
- 高い安全性(加圧時間が少くなくて済むので血栓のリスク減)
- やる人の負担減(加圧圧力が低い)
- アスリートに対応可(速い動きにも対応可能)
- 上肢・下肢以外の部位も血流制限可能
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