アイソメトリック収縮とは筋肉の長さが一定のまま力を発揮することですが、これ単体ではボディメイクに有効とは言い難いです。
ですが、筋肥大を促すための補佐的なテクニックとして活用するのはアリだと考えています。その一例として、過去記事ではスタティックホールド法(=アイソホールド法)を紹介しました。↓
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本日は『アイソテンション法』を紹介します。
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アイソテンション法
アイソメトリック収縮は大別すると以下の2種類になると思います。
物をもって保持する(支える)
動かないものに力を入れる
1.物をもって保持する(支える)
この筋出力は、基本的に支える物の重量に依存します。ですので、この筋出力はアイソメトリック収縮の最大出力より下になります。
個人的に、このタイプを『アイソホールド(スタティックホールド)』と呼んでいます。
2.動かないものに力を入れる
この筋出力は、出力する人のさじ加減に依存します。ですので、この筋出力はやろうと思えばアイソメトリック収縮を最大まで出力できるわけです(動かないものを動かそうと、手加減なくめいいっぱい力を出す)。これは多くの筋繊維の動員につながります。
この自発的に出力を最大化できるアイソメトリクスを『アイソテンション』と個人的に呼んでいます。
今回紹介するのは2のアイソテンション法です。
アイソテンションを通常の反復に組み込む事で、そのセットで動員される筋繊維数を増加させる事ができるわけです。具体的なアイソテンションの取り入れ方を紹介します。↓
最後の反復にアイソテンションを追加する
こんな感じです。↓
出典:mountaindog1チャンネル Leg extensions with isotension w Pak Man
最後の限界反復に、間をあけず連続でアイソテンションを追加しています。スポッターの留め(又は押し込み)に対し全力で膝を伸ばそうとしています。
このやり方は、限界反復(=短縮性収縮の限界)に達し休まずアイソテンションを行うので、必然的にボトム位でのアイソテンション実施になります(筋肉が比較的伸びている位置でアイソテンション実施)。
短縮性収縮よりアイソメトリック収縮の方が力発揮できるので、短縮性収縮の限界に至ってもアイソメトリック収縮は実施できます。これにより、こういったやり方が可能なわけです。
ですが非常いキツい(笑)。『短縮性収縮の限界』→『アイソメトリック収縮の限界』を休まず連続で、しかも最大努力のアイソメトリック収縮で行うので、意志が強く自分に厳しくないとできませんね。
また、スポッターがいないとできないです。
トレーニングパートナーがいて、マインドが強い方はお試しください。
言い忘れました、あくまでアイソテンションは副次的なものであり主役ではありません。ですので、最後にアイソテンションがあるからと、その前の限界反復に対し手を抜く様な事はしないでください。
最後の反復後、少し間をあけてアイソテンションを実施する
こんな感じです。↓
出典:mountaindog1チャンネル Rack deads with isotension
一人で行なえるやり方で、以下の要領で行ないます。
反復限界
(短縮性収縮の限界)
↓
少し間をあけて
↓
アイソテンションを限界まで実施
バーがある可動域以上動かないようにして、最大努力でアイソメトリック収縮を行っています。
このやり方では、アイソテンション実施前に少し間をあけるので、どのポイント(レンジ)で最大努力のアイソメトリック収縮を行うか自由に設定できます。
(小休息により、そのポイントまで負荷を移動できるエネルギーが確保される)
ボトム位(筋肉が伸びている位置)で行うか、中間位で行うか、トップ位(筋肉が縮んでいる位置)で行うか、ストッパーなどの位置を変更する事で自由に設定できます。
自由な分、楽な位置に設定もできてしまうので(例えばベンチプレスの関節ロック位置など)、しっかり筋肉に負荷がのる位置でアイソテンションを実施します。
こちらも、最後にアイソテンションがあるからと、アイソテンション前の限界反復に対し手を抜かないでください。
このやり方は工夫次第でいろいろな種目に適用できますので、別の機会に紹介したいと思います。
各反復にアイソテンションを入れる
一人で行なえるやり方です。過去記事で、これを取り入れた種目を紹介しています。
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肩前部の種目『フロントデルト・フライ』に適用した例です。こんな感じです。↓
各反復のトップ位(筋肉の短縮位)で最大努力のアイソメトリック収縮を入れるやり方です。
トップ位で関節がロックする種目の場合は、ロック手前で最大努力のアイソメトリック収縮を行います。
この種目では、両フレーム同士をめいいっぱい押し付けあう事で最大努力のアイソメトリック収縮を行っています。1回1回の反復に動員される筋繊維数を増やす事ができます。
通常の反復(筋肉の短縮性及び伸張性収縮)を確保した上でアイソテンションを入れたいので、トップ位(筋肉の短縮位)でアイソメトリック収縮を入れるようにしています。
(でないと、筋肉の仕事量が減ってしまい筋肥大反応が引き出せない)
最大努力のアイソメトリック収縮をしている時間、この種目でいえば、両フレームをめいいっぱい押し付けあってる時間は1~2秒程度です。
長い時間のアイソメトリック収縮は行いません。長すぎると反復回数や使用重量が激減してしまいます。
あくまでアイソテンションは副次的な物であり主役ではありません。反復回数や使用重量が激減してしまっては本末転倒です。
このやり方も工夫次第でいろいろな種目に適用できますので、別の機会に紹介したいと思います。
このやり方の利点
アイソメトリック収縮は筋肥大において以下の利点があります。
多くの筋線維を動員することができる。
筋肥大に関わる代謝要求や内分泌が活性化し筋肥大する。
今回の行い方は、上記の利点が反復限界による筋肥大反応に拍車をかけます。さらに、アイソメトリック収縮の追加で筋肉の緊張時間が延長され、これもまた筋成長を刺激する要因になりえます。
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