ドリアン・イエーツ(Dorian Yates )さん。
90年代にミスターオリンピアを6連覇した、偉大なプロボディビルダーです。
大学時代の私は、ドリアンさんのファンで、
彼のバルクアップ期の
本気のトレーニングビデオを購入しました。(当時、まだVHSが主流。笑)
ちなみにドリアンさんは、下の写真の方です。
バルクアップ期
コンテスト期
下の写真も見て下さい。リー・プリースト(Lee Priest)さんです。
同一人物です!
バルクアップ期とコンテスト期で、こんなにも違う人がいます。笑
話を戻します。ドリアンさんです。
ビデオテープが擦り切れるほど見ました。
当初はファンとして、カッコ良さに憧れて、モチベUPとして、ただ見てました。
現在は、彼のトレーニングの質の高さに憧れて、戒めとして見ています。
本日は、ボディメイクで効果をあげるための、トレーニングの質について書きます。
あっ、ドリアンさんのビデオテープ、妻に捨てられました。結婚の引越し準備の時に。笑
「今時、VHSなんて、持ち込み禁止!」だそうです。なので、DVD版で見ています。
伝えたい要点
- ボディメイクトレーニングの質を上げる反復方法は、チーティング・タイプとストリクト・タイプの2種類がある。
- チーティング・タイプは反動により、非常に強い張力を瞬間的に筋肉に与えることが出来る。
- ストリクト・タイプは筋肉に負荷をしっかり乗せて、その筋肉の緊張を維持しながら反復を行う事。
- ストリクト・タイプの実践は、挙げるのに1秒、戻すのに4秒程度が良いようである。
ドリアンさんのトレ、質が高い!
ドリアンさんのトレーニング動画を載せます。見て下さい。
出典:Dorian Yates Nutritionチャンネル Dorian Yates - BACK AND REAR DELTS - Blood & Guts
当初の私は、ドリアンさんのトレを見て、その質の高さに気付きませんでした。
ただモチベーションUPとして、ダラダラ見てました。
時には、
「この筋塊の体なら、もっと高重量を扱えるんじゃね?」
なんて、自分の立ち位置無視、かつ無知な私は、そう思う事もあったんです。
恥ずかしいです。。。ほんと恥ずかしい 😥 何も解っていませんでした。
が、トレ経験を積み、トレーナーを目指して知識を得て行くうちに、
ドリアンさんの偉大さ、そのトレの凄さに気付きました。
1回1回の反復の質が高いのです。
ウェイトの負荷を鍛える筋肉に乗せ、1回1回、その負荷が抜けないように
丁寧に反復を行っているのが見てとれます。(特にウェイトを戻す段階)
なのでドリアンさんは、反復中に気を抜かず、高い集中力をもって取り組んでますね。
ドリアンさんのトレーニングは、いつの間にか雑なトレーニングになってしまう
私を戒めてくれるのです。
反復の質
ボディメイクのトレーニングの反復は、大別すると2タイプあります。
チーティング・タイプとストリクト・タイプです。
チーティング・タイプ
反動のことです。
反動=楽して挙げる
をイメージされる方がいらっしゃるかも知れませんが、違います。
強烈な負荷を筋肉に与える事ができる高等テクニックなのです。
瞬間的に、筋肉に非常に強い張力を与え(メカニカルテンション)、
これまた瞬間的に、筋肉を傷つける刺激(筋損傷)を与える事ができます。
さらに、体の連動が身に付き、爆発的な力発揮が習得できるので、
アスリートは特に、チーティング・タイプの反復を体得すべきです。
私は、チーティング・タイプの反復を限定的に行ってますが、
次に書く、ストリクト・タイプの反復をメインにしています。
なので、チーティング・タイプの反復の質について語れません。
ダメなやつです(泣)
ストリクト・タイプの話に移ります<(_ _)>
ストリクト・タイプ
発達させたい筋肉に負荷をしっかり乗せて、
その筋肉の緊張を維持しながら反復を行うことです。
ストリクトは、
フォームを崩さずにコントロール(反復速度がゆっくり)しながら反復する事
と言われますが、これは本質ではありません。
発達させたい筋肉に負荷を乗せるから結果的にフォームが崩せず、
筋肉の緊張を維持するから結果的に反復速度がゆっくりになるのです。
ストリクト・タイプの反復の質が高いとは、
上記の状態のまま反復限界まで達する事ができる
ということです。
これは、難しいです。なぜなら下記だからです。
(1)マインド・マッスルコネクションの習得
筋肉にウェイトの負荷が乗る感覚、筋肉が動く感覚の習得が必要。これにより、筋肉の稼動率があがります。
(2)筋肉に負荷が乗るフォームの習得
ウェイトの負荷を筋肉にのせるフォームは、個別的で、教科書的なフォームが最良とは限らない。(骨格や筋腹長さ、重心バランスの違い等)
(3)筋緊張の辛さから逃げない精神力が必要
筋肉の緊張を維持し続ける事はホント辛い。その辛さから、緊張を維持したまま反復限界に至る前に、体を歪ませたり不用意な反動で緊張を解いてしまう。
というように、
ストリクト・タイプの質の良い反復には、経験と技術と精神力が必要です。
ドリアンさんは、間違いなくストリクト・タイプの反復です。しかも質が高い。
私もストリクト・タイプの反復を基本にしています。が、その質はまだダメ。
まぁ~偉そうに書いた私ですが、できてないんです!恐縮です。。。
少しでも質の高さが伴うように、ドリアンさんを参考に私も精進しています。
ストリクト・タイプの効果
トレ経験豊かな男性12名を
カールに1秒、下ろすのに1秒(速い反復グループ)
カールに1秒、下ろすのに4秒(ストリクト・タイプグループ)
に分けて、週に2回のスコットカール(上腕二頭筋のトレ種目)を
反復限界8回3セットで12週間実施しました。
12週間後の上腕二頭筋のサイズの比較結果は以下の通りです。
出典:Paulo Eduardo Pereiraら著 Resistance training with slow speed of movement is better for hypertrophy and muscle strength gains than fast speed of movement
結果は明らか、ストリクト・タイプの反復が勝っています。
ということで、
雑な反復より、ストリクト・タイプの反復が筋発達には良く、
筋肉の緊張時間が4秒程度になるように伸張性収縮を行えば良いようです。
※伸張性収縮:筋肉が伸びながら力を発揮する局面(反復時の戻す時)。
筋肉の緊張時間が筋肥大を促す
反復の際に、
特に伸張性収縮時に、筋肉の緊張時間が長いと筋肥大を促進するようです。
その理由として、以下が考えられようです。
間引かれて少数で活動している速筋線維に高いストレスが加わり、筋損傷をもたらす。(伸張性収縮時は速筋線維が活動するが、その数は間引かれる)
この筋損傷により、筋肥大に関する衛星細胞が活性化する。
血管の圧迫によって血流制限が生じ、代謝ストレスによる筋肥大が促進される。
筋肥大の2大要因といえる、
メカニカルテンションと代謝ストレスをバランスよく与える事ができると言う事のようです。
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