『アイソメトリック収縮』、日本語で言うと等尺性収縮です。ご存知の方も多いと思います。筋肉が伸び縮みしながら力発揮するのではなく、筋肉の長さが一定のまま力発揮する収縮パターンです。
これを大別すると以下の2種類になります。
物を持って保持する(支える)
動かないものに力を入れ続ける
どちらも、筋肉は伸び縮みする事なく緊張しています。
このアイソメトリツク収縮、筋肥大においては不向き・効果なしと言われ低評価です。確かに、これだけを実施しても筋肥大の効果は低いです(効果がないわけでな無いです)。
ですが、活用のしかたによって筋肥大効果を高めてくれるテクニックになります。本日はその行い方をご紹介します。
【広告】
反復の最後にスタティックホールドを実施する
手っ取り早く行い方を知りたい方は、この項をすっ飛ばして次項を参照下さい。
スタティックホールドとは、バーベルやダンベル等の負荷をある位置で保持する事をです。先に示したアイソメトリック収縮の2種類の内、『物を持って保持する(支える)』にあたります。
『動かないものに力を入れ続ける』パターンのアイソメトリクスの活用例は、こちらを参照下さい。↓
続きを見る
【筋トレ】アイソメトリクスを効果的に活用する:アイソテンション法
今回の方法は、そのセットの反復限界後に、筋肉の短縮位置でスタティックホールド(アイソメトリック収縮)を実施するものです。
このブログでよく出てくる『反復限界』とは、コンセントリック収縮の限界の事です。
コンセントリック収縮の限界
=筋肉が縮みながら力発揮できなくなる
=『挙げる』や『引く』ができなくなる
ですが、これは筋肉の限界ではありません。『コンセントリック収縮 』より今回の主役『アイソメトリック収縮 』の方が力発揮できるので、反復限界直後でもウェイトを支える事が可能です。
(筋肉の限界はさらに先があります。エキセントリック収縮です。)
これを利用し、『コンセントリック収縮の限界』+『アイソメトリック収縮の限界』で行うのが今回の方法です。実施パターン別で紹介します。
実施パターン
3パターン紹介します。
休みなくスタティックホールド実施
以下の要領で実施します。
そのセットの最後の反復
↓ウェイト戻さずに
筋肉が短縮しきった位置でウェイトを保持
↓保持できなくなる
ウェイトが戻ってしまう
↓戻らないよう抗う
戻りきってしまう又はその直前に至って、そのセット終了となる。

出典:Michael Keckチャンネル DC training Wide grip pullups
毎回のトレーニングで、前回の保持時間を越えようと取り組んで下さい。
小休息後スタティックホールド実施
以下の要領で実施します。
限界まで反復
↓5~10秒程休息
筋肉が短縮しきった位置までウェイトを持っていき保持
↓保持できなくなる
ウェイトが戻ってしまう
↓戻らないよう抗う
戻りきってしまう又はその直前に至って、そのセット終了となる。
出典:HighIntensityNationチャンネル High Intensity Training: The "Static Hold" Technique Starrin
毎回のトレーニングで、前回の保持時間を越えようと取り組んで下さい。
DCトレーニングスタイル
DCトレーニング の採用で、体を大きく変化させた経験があります。このトレ手法でもスタティックホールドを取り入れていて、レストポーズ法と組合わせて使用しています。以下の要領で実施します。
反復限界
↓小休息(20~40秒程度)
反復限界
↓小休息(20~40秒程度)
反復限界
↓小休息(5~40秒程度)
筋肉が短縮しきった位置でウェイトを保持
↓保持できなくなる
そのセット終了
出典:Dusty Hanshawチャンネル Advanced DC Training Chest and Shoulder with Dusty Hanshaw
プレス系の種目の多くでは、筋肉が短縮しきる位置で関節がロックしてしまい筋肉に負荷が乗りません。ですので、動画ではウェイトを可動域の中間位置付近(スティッキングポイント越えた辺り)で保持しています。
毎回のトレーニングで、前回の保持時間を越えようと取り組んで下さい。
関節ロック位置で保持しない
種目によって、筋肉が短縮しきる位置で関節にロックがかかるものがあります。この場合、負荷が乗らず筋収縮が弱くなるので、保持する位置は可動域の中間~2/3あたりにします。
関節ロックがかかる種目例
チェストプレス
ショルダープレス
レッグプレス
トライセプスプレスダウン など
⇒可動域の中間 ~2/3あたりで保持
ロックかからない種目例
チンニング
レッグエクステンション
ペックフライマシン
サイドレイズ など
⇒筋肉が短縮しきる位置(トップポジション)で保持
負荷が乗らない位置で保持しない
アームカールのように関節ロックはかからないにも関わらず、筋肉が短縮しきる位置で負荷が抜ける種目があります。この場合も保持位置は可動域の中間~2/3あたりにします。
<保持位置OK例>

バーベルに加わる重力は肘関節を伸展させる力(時計回りの回転力)として働きます。なのでこのポジションは、上腕二頭筋が肘関節を屈曲(反時計回りの回転)させる際の抵抗として機能します。
<保持位置NG例1>

バーベルに加わる重力が肘関節の中心を通過しているので、肘関節を回転させる力としては働きません。なのでこのポジションでは、上腕二頭筋の負荷がなくなります。
<保持位置NG例2>

バーベルに加わる重力は肘関節を屈曲させる力(反時計回りの回転力)として働きます。なのでこのポジションも上腕二頭筋の負荷がなくなります。
多用しすぎない
多用しすぎは過度な筋疲労になるので、『 1種目限定で全セットで実施 』又は『 複数又は全種目の最終セットで実施 』に制限します。
このやり方の利点
アイソメトリック収縮は、筋肥大において以下の利点があります。
- 多くの筋線維を動員することができる。(Babault氏他3名の研究)
- 筋肥大に関わる代謝要求や内分泌が活性化し筋肥大する。(Kanehisa氏他6名の研究)
今回のやり方は先に書いたとおり、『反復限界(コンセントリック収縮の限界)』+『アイソメトリック収縮の限界』で構成されているので、上記の利点が反復限界による筋肥大反応に拍車をかける可能性があります。
さらに、アイソメトリック収縮の追加で筋肉の緊張時間が延長され、これもまた筋成長を刺激する要因になりえます。
パーソナルトレーニングのお問い合わせはこちらから
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
facebook https://www.facebook.com/ZealKenta/
【広告】