上腕二頭筋の鍛え分けを考える際、内側(上腕二頭筋短頭)と外側(上腕二頭筋長頭)に分ける場合が多いと思います。
この他にも、私が意識している分け方に上側(上腕二頭筋近位部)と下側(上腕二頭筋遠位部)があります。そのイメージはこんな感じです。↓
出典:Mocvideo Productionsチャンネル JEAN PIERRE FUX - LEGS AND ARMS (1996) BATTLE FOR THE OLYMPIA
普通のカール動作では上腕二頭筋の上側までしっかり刺激を入れることが難しですが、本日紹介する種目では比較的容易に上側までの刺激を感じとることができます。
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Face away 2段階ケーブルカール
インクラインのFace awayケーブルカールという種目があります。これです。↓
<インクラインFace awayケーブルカール>
出典:Andy Vincentチャンネル High Incline Cable Curl
この種目を『肘関節の屈曲』→『肩関節の屈曲』の2段階動作で行ないます。こんな感じです。↓
【Face away 2段階ケーブルカール】
<開始姿勢>
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<肘関節の屈曲>
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<肩関節の屈曲>
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<肩関節屈曲を戻す>
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<肘関節屈曲を戻す>
詳細です。↓
準備について(重要)
この種目の最も重要な点は、2段階目の動作『肩関節の屈曲』で肘頭をカラビナにはめることです。↓
しかし、殆どの場合、ジムのケーブルマシンに付属されているカラビナは小さく、肘頭をはめ込むことが難しいです。
なので、肘頭がはまるサイズのカラビナを用意し、これでハンドルとケーブルを連結します。
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写真の変更品ですが、登山ショップで購入したもので、これです。↓
KONG製カラビナ 6511600039 HMSクラシック 786SC スクリュースリーブ
これ以外のカラビナでももちろんOKで、肘頭がはまり、かつ左右対称又はほぼそれに近いものであれば何でもよいです。参考に最低限の大きさの目安を示します。↓
あと、前腕の長さによっては、カラビナの大きさが最適でも肘頭がはまらない場合があります。その場合は以下の様に対処します。↓
【前腕が短い場合】
ハンドルにFAT GRIPZを装着する。
【前腕が長い場合】
ハンドルとカラビナの間にスペーサーをかます。
例:登山用スリングをスペーサーとして活用
補足説明
この項の冒頭で、最重要な点は2段階目の動作『肩関節の屈曲』で肘頭をカラビナにはめることだと言いました。
なぜ最重要かといいますと、肘頭をカラビナにはめなければ(引っ掛けなければ)、肩関節の屈曲に対して(=上腕二頭筋上側に対して)ほとんど負荷がかからないからです。
カラビナが小さいと、肘頭をカラビナに引掛けることが困難になります。そうなると、肩関節屈曲動作の際にケーブルがズレてしまい屈曲動作に対する負荷が途端に抜けてしまいます。↓
ケーブルが外側にズレたり。。。
ケーブルが内側にズレたり。。。
一方、大きいカラビナだと、カラビナに肘頭が引っ掛かるのでケーブルのズレが無く、その結果として屈曲動作に対する負荷が確保されます。↓
なので、カラビナの選定が重要になります。
カール動作について
①肘関節の屈曲→②肩関節の屈曲の順でカール動作を行います。
①肘関節の屈曲
- 上腕を床に垂直にしたまま肘を曲げる(肘関節の屈曲)。
- 比較的、上腕二頭筋下側(遠位部)に刺激が感じられる。各反復でこれを感じとる。
- 高重量で行なう場合は肘関節保護のために、手の平を内側に向けた位置(前腕ニュートラル位置)から前腕を回外しながら肘を曲げる。(パワーグリップやリフティング用ストラップの使用をおすすめします。)
<通常の場合>
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<高重量の場合>
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②肩関節の屈曲
- 肩を下げたまま肘を突き上げる(肩を下げたまま肩関節の屈曲)。
- 上腕二頭筋の緩みによる筋収縮の低下と三角筋前部への負荷移行を防止するため、肘の突き上げ範囲は上腕が体軸に並ぶ程度までにする。
- 比較的、上腕二頭筋上側(近位部)に刺激が感じられる。各反復でこれを感じとる。
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戻し動作について
- 肩関節の屈曲戻し→肘関節の屈曲戻しの順で戻す。
- 肘関節の屈曲戻しの際、上腕二頭筋の伸張刺激を各反復で感じとりながら戻す。
- 高重量で行なう場合は肘関節保護のために、前腕を回内しながら肘関節の屈曲戻しを行なう。(パワーグリップやリフティング用ストラップの使用をおすすめします。)
<通常の場合>
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<高重量の場合>
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私がこの種目を行う場合、マインド・マッスル・コネクションを高めたいので、片腕ずつ行なうことが多いです。
また、私はいつもパーカー着衣でトレするのでカラビナの肌直触れによる不快感や肌の傷つきは有りませんが、半袖やタンクトップ着衣の場合は肘付近をタオル等で保護すると良いです。↓
この種目のメリット
肘を曲げるだけでなく、上腕二頭筋が伸びた位置から緩まない範囲で肩関節を屈曲させるので、上腕二頭筋上部(近位部)までしっかり刺激できます(上腕二頭筋には肩関節屈曲作用があるので)。
しかもその負荷掛けはダンベルと異なり背面からの負荷掛けなので、この範囲(可動域)においては肩関節の屈曲に対してしっかり負荷が掛かることになります。
他にも、上腕二頭筋が伸びたボトム位で負荷が大きくなるので良い伸張刺激が入りますし、同じ理由で肘曲げはじめの短縮刺激も強く、上腕二頭筋下部(遠位部)にも良い刺激が入ります。
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