筋肥大の3要素は、メカニカルテンション(筋繊維を多く動員する、筋張力を増加させる)、筋損傷(伸張刺激)、代謝ストレス(主にパンプ)だといわれています。
今回紹介するトライセット法(3種目連続で行なう方法)は、これら3要素を大腿四頭筋(もも前)の負担を抑えて臀筋に与える事ができます。
また、その3種目の実施順はパンプさせた臀筋に伸張刺激が入る様にしています。『パンプさせた筋肉に伸張刺激を与える』これ、私が大好きな筋肥大を得るための刺激なんです。
最近、臀筋の発達が停滞している方や臀筋の肥大促進をしたい方の参考になれば幸いです。
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臀筋群の筋肥大を促進するトライセット法
トライセット法とは3種目を休まず連続実施するセット法です。今回紹介するトライセットは以下です。
サイドウォーク
歩幅60cm程度の横歩きで、決めた距離(例えばプラットフォームの横幅)を2往復する
⇓休まず直ぐに
デッドストップ・ヒップスラスト
一回一回ボトム位で脱力するヒップスラストを限界まで実施
⇓休まず直ぐに
ドロップランジ
そのセットにおいて、左右交互に行なうのでは無く、片方のみを連続で実施(例:1set目右、2set目左、3set目右、4set目左)
この3種目連続実施で1セットになります。
セット数
4セット
セット間休息
2~3分
1種目目:サイドウォーク
開始姿勢
- ミニバンド(チューブ)を足の小指球付近に巻き付ける。
- 軽いスクワット姿勢をとる。
- 足幅は30cm程度。
ミニバンドを膝周辺で無く足に巻き付けて、『負荷モーメントアームを長くする』『ミニバンドの弾性力を増やす(伸びが長い)』とする事で負荷を大きくしています。
また、足の小指球付近に装着する事で、股関節の外旋に対して負荷をかけて大臀筋の活動を引き出しています。
軽いスクワット姿勢をとる理由は、大腿筋膜張筋(脚の付け根側部)の筋活動をいくらか抑えるためです。
参考に、使用しているミニバンドは以下です。
※2022.9.28追記
正直に言いまして、最近、このミニバンドは切れやすくなったと感じます(個人的感想)。何か仕様変更あったのか不明ですが、以前はそんな事なかったんですが。。。現在、代わりの商品を探しています。
横歩き
軽いスクワット姿勢を維持したまま以下要領で横歩きする。
⇓
これを繰り返して横歩きしていきます。参考動画も載せます。
出典:Fit Together Personal Trainingチャンネル Band Sumo Walk
こんな感じで、ジムにあるハンマーストレングスのプラットフォームの横幅(240cm)を横歩きで2往復しています。
サイドウォークでは横に踏み出す側のお尻(中臀筋+大臀筋)に効かせるイメージがありますが、実際は追随側のお尻(中臀筋+大臀筋)も筋活動しています。
なので、サイドウォーク実施中は左右どちらに横歩きしていようが左右両方のお尻(中臀筋+大臀筋)に効くので、これを逃さず感じ取りながら実施します。
目的
サイドウォークの目的は以下2つ。
代謝ストレス(パンプ)を臀筋群に与える
パンプを介して臀筋群とのマインド・マッスル・コネクションを高める
これらにより、2種目目と3種目目の臀筋群の活動増加を狙っています。
注意ですが、サイドウォークは疲労困憊(踏み出せなくなる)まで行いません。疲労困憊が10だとすると6~7程度の疲労ぐらいに留めます。
疲労困憊まで行なうと、メインである2種目目と3種目目の反復回数や筋活動が極端に減る可能性があるためです。あくまでサイドウォークは2種目目と3種目目の『下ごしらえ』的位置づけで行ないます。
反復回数
240cm程度を2往復
使用重量
上記歩幅で横歩できて、240cm程度を2往復で強めのパンプ感が得られるバンド。
※紹介した『パフォームベター』のバンドでしたら、恐らく緑又は青で始めてみると良いです。
※2022.9.28追記
正直に言いまして、最近、このミニバンドは切れやすくなったと感じます(個人的感想)。何か仕様変更あったのか不明ですが、以前はそんな事なかったんですが。。。現在、代わりの商品を探しています。
2種目目:デッドストップ・ヒップスラスト
セッティング
ボトムで脱力できる様に、セイフティラックを設定。
通常のヒップスラストのボトム位と同程度の高さに設定する。
①開始姿勢
バーベルをセイフティバーにあずけ、完全に力を抜く。
⇓
②挙げる
爆発的に力強く一気に挙げる。
トップ位でお尻を最大限に固めた状態を2秒程度継続。(臀筋の短縮をしっかり感じとる)
⇓
③下ろす
1秒程度かけてバーベルがセイフティバーにつくまで下ろす。
※ヒップスラストではよい伸張刺激が入りづらいので、下ろし動作は、さほど重視していません。
⇓
①に戻り繰り返す。
目的
デッドストップ・デッドリフトの目的は以下4つ。
新鮮な刺激を与える
臀部の筋繊維を多く動員する
最大限のアイソメトリクスを介して臀筋群とのマインド・マッスル・コネクションを高める
更なるパンプ促進
1種目目とは違い、メイン種目なので限界まで反復します。
デットストップstyleは完全脱力から一気に挙上するstyleで、瞬発的挙上を反復する方法です。
通常、ボディメイクのトレーニングでこういった反復は行いませんので新鮮な刺激になり得ます。
また、デッドストップstyleはボトムで完全静止(脱力)するので、伸張反射や腱に蓄えた弾性エネルギーが挙上に活かせない事になります。この状況で、静止した重たいバーベルに加速度を与えて挙上するにはかなりの筋力が必要となります(=随意的な多くの筋繊維動員を必要とする)。
さらに、瞬発的・爆発的挙上は多くのモーターユニット(※)が動員されます。
※モーターユニット
1つの神経と、それが支配している筋繊維。
これらの事から、デッドストップstyleの挙上では多くの筋繊維が動員されます。
今回紹介しているデッドストップ・ヒップスラストでは、トップ位で最大限のアイソメトリクスを2秒程度実施します。最大努力のアイソメトリクスは多くの筋繊維動員に寄与しますし、臀筋群の短縮をしっかりと感じ取れるので臀筋群とのマインド・マッスル・コネクションを高めることができます(結局、多くの筋繊維動員につながる)。
そして、この種目を終えた頃には臀部のパンプが強く得られているはずです。
反復回数
10回。
使用重量
上記行い方で限界反復回数10回の重量。
3種目目:ドロップランジ
①開始姿勢
地面より少し高い位置に立ちます。(高いほど強度が増す)
⇓
②落下する
こわばらずに前方に身を出す。
⇓
③着地
軽い前傾位で着地し、その状態を少し維持。(臀筋の伸張刺激を感じとる)
『臀筋でブレーキをかける』を意識して、深い位置で着地すること。高い位置で着地すると大腿四頭筋メインの刺激になるので注意。
臀筋に伸張刺激を上手く入れるには着地の深さだけで無く、前傾具合と着地距離も重要。伸張刺激がちゃんと入る前傾具合と着地距離は人によって異なるので事前に確認しておく。
⇓
④もとに戻る
着地した脚で蹴り戻す。
戻しは重視していないので安全に気を付けて、2段階程度で戻る。
⇓
①に戻り繰り返す。
そのセットにおいて、左右交互に行なうのでは無く、片方のみを連続で実施(例:1set目右、2set目左、3set目右、4set目左)
目的
ドロップランジの目的は、臀筋群に伸張刺激を与えることです。
1種目目もメインである2種目目も、臀筋群に良い伸張刺激を入れる事ができません。なので、このドロップランジで伸張刺激を与えていきます。
各種目の役割は以下です。
〇1種目目
メイン種目の下準備(代謝ストレス)
〇2種目目
メイン種目:短縮刺激
(主:メカテン、副:代謝ストレス)
〇3種目目
メイン種目:伸張刺激(メカテン、筋損傷)
1種目目と2種目目によって臀筋群はかなり強くパンプしています。このタイミングで伸張刺激を与えてます。
『パンプした筋肉に伸張刺激を与える』は個人的に好んでよく行なう筋肥大の手法です。伸張刺激が感じ取りやすいですし、筋腹にしっかり伸張刺激が入る感覚があります。根拠は乏しいですが以下を期待して、この手法をよく取り入れています。
- 比較的軽負荷でも伸張性収縮時に多くの筋繊維動員が期待できる。
- 筋肥大要因『メカニカルテンション』の変化によって、筋肥大に関わるシグナル伝達系の活性化が期待できる(以下過去記事)。
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【筋トレ】伸張刺激の直前にパンプさせる!【その1:有効性について】
ドロップランジは、重力で加速して落下してくるもの(体)にブレーキをかけて急停止させるといった衝撃荷重を受け止める種目として行ってます。
受け止め(着地)の際に強い伸張刺激が入ります。そのブレーキを担うのが臀筋群や脚の筋群です。
ブレーキ筋として臀筋群をメインにするには、着地の深さ(浅いと腿前がメイン)、姿勢の前傾具合、着地距離がポイントになります。これらは個人差がありますので事前にいろいろ試し、自分にあった臀筋群に効くフォームを確認してください。
反復回数
10回。
危ないので限界まで行わず、10回にとどめる。それでも十分に良い刺激が得られます。
使用重量
高さ8cm程度で自体重で最初は行なう。
伸張刺激が弱いと感じるようになったら、加重(フリーウェイトで)や高さを増して負荷を上げる。
以上です。
お尻が大変な事になる行い方です(笑)。脚(もも前)負担が少なく、お尻を集中的に刺激できる構成になっています。チャレンジしてみて下さい!
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