先日、プリーチャーカールについてご質問を頂きました。
その内容は、
「プリーチャーカールが上手く効かせられない、力こぶに上手く負荷が乗らない」
というものでした。
この種目の特性上、当然の結果といえます。
本日は、プリーチャーカールと、その効果的な行い方について書きます。
伝えたい要点
- プリーチャーカールは上腕筋と腕撓骨筋を効果的にトレできる。
- プリーチャーカールは上腕二頭筋(力こぶ)の関与が比較的少ない。
- 上腕筋と腕撓骨筋の両方をバランスよく刺激するにはニュートラルグリップで行う。
- 上腕筋を強く刺激するには順手グリップで行う。
プリーチャーカールとは?
どういったものか動画をのせます。
出典:Richard Jiチャンネル How To Do: Preacher Curl, Good Form vs. Bad Form
インクラインにしたベンチでもできます。片腕ずつになりますが。
出典:Applied Fitness Solutionsチャンネル db incline bench one arm preacher curl
このように、プリーチャーカールとは、
前に出した腕全体をベンチに乗せてアームカールを行います。
なので、
カール中の肩の動きが抑制され、不用意な反動も行いづらく、
結果、肘を曲げる動作が強調されるカールになります。
言い換えますと、プリーチャーカールは、
肘を曲げる筋肉を集中的にトレできる
とも言えます。
ちょっとここで、肘を曲げる筋肉をみてみます。
肘を曲げる筋肉
肘を曲げる筋肉は3つ。
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
上腕筋(じょうわんきん)
腕撓骨筋(わんとうこつきん)
若い頃のシュワちゃんで示します。↓
上腕二頭筋は力こぶ、
上腕筋は、うで外面を立体的に魅せ、力こぶの底上げに貢献(力こぶのピークづくり)、
腕撓骨筋は、うでから前腕にかけて立体的に魅せる。
このように、
立体的な腕づくりに、これら3つの筋肉の発達は重要になります。
前項で言いましたとおり、
プリーチャーカールは肘を曲げる動作が強調されるので、
これら3つの筋肉(肘を曲げる筋肉)が集中的にトレできる
と言いたいところなんですが、
実はプリーチャーカール、
力こぶにあたる上腕二頭筋には不向きです。
上腕筋、腕撓骨筋がメイン、
上腕二頭筋がサブで働くトレーニング種目です。
これは、プリーチャーカールの特性によるものです。
プリーチャーカールの特性
このカールの特性を把握することで、
プリーチャーカールが上腕二頭筋に効きづらい理由、
その効果的な行い方がわかります。
特性は次の2つです。
①上腕二頭筋が縮んで緩む
プリーチャーカールは、
前に出した腕を台で支えた姿勢で行います。
実はこの時、上腕二頭筋が縮んで緩んでいます。
その理由は、
上腕二頭筋が肘関節だけでなく、
肩関節をもまたいで付着しているからです。
一方、上腕筋と腕撓骨筋は、
肘関節だけまたいで付着しているので、
プリーチャーカールの姿勢であっても緩みません。
こんな感じです。↓
描いてみました。
わかるでしょうか?人です。異様に腕が長くなってしまいました。笑
キモいと後ろで妻が笑っています。。。
話を戻します。
縮み緩んだ筋肉は力発揮しづらいという生理特性があります。
また、
ウェイトをもとに戻す動作(プリーチャーカールでは下ろす動作)で得られる
筋発達要因の『筋損傷』も
縮み緩んだ筋肉では起きづらいです。
従って、
プリーチャーカールでは、
縮み緩んでいる上腕二頭筋は参加しにくく、筋損傷も起こしづらく、
緩んでいない上腕筋と腕撓骨筋がメインで働くことになります。
②初動で負荷がかかる
プリーチャーカールの姿勢は力学的に、
動作の初動(肘の曲げ始め)で負荷がグッと乗ってきます。
初動で負荷がかかり、肘が曲がるにつれて楽になります。
皆様も経験していると思います。
プリーチャーカールの効果的なやり方
前項でプリーチャーカールの特性は
上腕二頭筋が参加しにくく、上腕筋と腕撓骨筋がメインで働く
初動で負荷がかかる
とわかりました。
この特性からプリーチャーカールは下記で行うと、
上腕筋と腕撓骨筋に、筋損傷を強調したより強い刺激を入れることができます。
ポイント①
ポイント②
※ニュートラルグリップ:手の平を内に向けたグリップ
※順手グリップ:手の平を下に向けたグリップ
プリーチャーカールは上腕筋と腕撓骨筋の種目と割り切って、
グリップを変えて上腕二頭筋の参加をさらに抑えて
カール動作のボトム域の刺激を逃さず行うことで
プリーチャーカール本領発揮!となります。
ニュートラルグリップでプリーチャーカール
出典:Jakked Hardcore Gymチャンネル JHG Online Training - DB Curls- Preacher Bench - Single Arm - Neutral Grip
ニュートラルグリップは上腕二頭筋の肘側の付着部がずれるので、
上腕二頭筋の肘を曲げる力が弱くなります。
これにプリーチャーカールの
上腕二頭筋の緩みによる肘曲げ力の低下も重なり
上腕筋と腕撓骨筋により強い刺激が入ります。
順手グリップでプリーチャーカール
出典:Mark Dugdaleチャンネル Reverse EZ Bar Preacher Curl (part 1)
順手グリップは、肘側付着部のずれによる上腕二頭筋の肘曲げ力低下が
さらに大きくなり、腕撓骨筋の肘曲げ力も落ちます。
これにプリーチャーカールの
上腕二頭筋の緩みによる肘曲げ力の低下も重なり
上腕筋により強い刺激が入ります。
プリーチャーカール注意点
乗せた腕の両肘が開き過ぎないようにします。
→筋線維に負荷をのせるため。
腰が浮かないように座り、脇をしっかりベンチにつける。
→不用意な反動防止。
肘を曲げる範囲は肘角度80~90℃(肘を伸ばした状態を180°とすると)まで。
→負荷を抜かないため。
ウェイトを下ろす動作では、肘を伸ばし切らない。
→ケガ防止。
重すぎるウェイトは扱わない。
→背中の筋肉による代償作用防止。
【高重量時の背中の代償】
出典:Muscle and Motionチャンネル How to Do One-Arm Preacher Curls and a Common mistake
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