9月末、トレーナー勉強会に参加しました。
アスリート向のエクササイズ指導のノウハウを学んできました。
その中で、
メインのスクワットの前に軽いエクササイズを行いました。
チューブを使ってライイングレッグカールなど
股関節まわりの筋肉、特にハム(もも裏)やお尻を重点的に。
なぜ行うのでしょうか?
ウォーミングアップの意味合いではないです。
この事前エクササイズの目的は、筋肉の活性化で、
アクチベーションエクササイズといいます。
スクワット時に
股関節まわりの筋肉をしっかり参加させるために
実施しています。
これ、ボディメイクにも有効なんですが、
あまり重要視されていないのが現状です。
本日は、ボディメイクにおける
アクチベーションエクササイズの有効性や
取り入れ方について書いていきます。
伝えたい要点
- アクチベーションエクササイズとは、神経と筋肉のつながりを増加させて意図する筋肉を活性化させるもの。
- アクチベーションエクササイズの活用はボディメイクにも有効で筋肥大を促進する。活用法は下記。
- アクチベーションエクササイズ実施直後にメインのエクササイズを行う。
- アクチベーションエクササイズ実施中はマインド・マッスル・コネクションで筋活動を高める。
- アクチベーションエクササイズは単関節種目で、かつ筋肉がギュッと収縮している時に強い負荷がかかる種目がよい。
- アクチベーションエクササイズは軽重量(Max重量の30~60%)で追い込まない程度で反復(15回以上反復限界前)
- メインのエクササイズは多関節種目を採用するのがよい。
料理でいう『ひと手間』。アクチベーションエクササイズ
料理のひと手間が、できあがりを変える。
まさに、このひと手間に当たるのがアクチベーションエクササイズです。
長いので、以降アクチエクサと略させて頂きます。笑
アクチエクサは、
軽負荷を用いて、
神経と筋肉のつながりを増加させて
意図する筋肉を活性化させます。
このアクチエクサ、ボディメイクに有効です。
①アクチエクサで発達させたい筋肉を活性化
↓
②活性化した筋肉はメインのエクササイズで多く参加する(筋活動の増加)
↓
③メインのエクササイズで多く参加した筋肉は肥大する
というように、
アクチエクサ→メインのエクササイズの順で行いますと、
筋肥大が促進されます。
これら①と②について、
尊敬するS&Cコーチの河森直記さんが、ブログで論理的かつ科学的に説明しています。
①アクチエクサは意図する筋肉を実際に活性化するのか?をテーマに
このブログ記事で説明しています。
結論として、
適切なエクササイズを選択して、意図する筋肉を意識して
アクチエクサを行えば活性化できる
と説明しています。
次に
②アクチエクサで活性化した筋肉は、その後のメインエクサで多く活動するか?
をテーマにこのブログ記事で説明しています。
エビデンスとなる研究数が少ないようですが、
結論として、
アクチエクサで活性化した筋肉は、
その後のエクサで、早く又は強く活動させる事ができる
と示唆しています。
最後に③番目、メインのエクササイズで活動が多い筋肉が肥大するか?
については、Wakaharaさん達の研究1と2で肥大すると考えられます。
この研究1と2では、同じ筋肉(上腕三頭筋)でも、
エクササイズによって活動が活発になる箇所を変えることで、
その箇所が肥大しました。
(例えば、エクササイズで上腕三頭筋の中部の活動を活発にしたら、中部が発達する)
上記のとおり、
メインのエクササイズを行う前に
意図する筋肉を
アクチエクサで事前活性すると、
筋肥大が促進されます。
これをボディメイクに使わない手はないです!
で、アクチエクサってどんな種目?
例えば、
肩(側部)でしたらケーブルサイドレイズ。
ケーブルサイドレイズ
出典:Renaissance Periodizationチャンネル Cable Cross Body Lateral Raise
腕(裏側)でしたらプロネイテッドダンベルキックバック。
プロネイテッドダンベルキックバック
出典:mountaindog1チャンネル Triceps kickbacks with Pronated Grip
脚(もも前)でしたらレッグエクステンション。
レッグエクステンション
出典:Bodybuilding.comチャンネル Leg Extensions - Leg Exercise - Bodybuilding.com
このように、アクチエクサとして行う種目は、
単関節種目で(意図する筋肉を集中的に動かすため)、かつ
筋肉がギュッと収縮している時に
強い負荷がかかる種目(収縮が強いので意図する筋肉を意識しやすい)
が良いと考えます。
意図する筋肉を意識しながら(マインド・マッスル・コネクション)
行う事が大切です!
アクチエクサは重くしない、追い込まない
アクチエクサによって、
メインのエクササイズの筋活動が増大することで、
筋発達・筋肥大が促進されることがわかりました。
ですが、
アクチエクサで扱う重量、行い方を間違えると
メインエクサでの筋活動は高まらないようです。
アクチエクサとしてレッグエクテンションを
10回しかできない重量で、疲労に達するまで行い、
その直後にメインエクササイズのレッグプレスを行いました。
この時、レッグプレス中の筋活動を筋電図で計測したところ
もも前の筋肉(外側広筋と大腿直筋)の活動は
増大するどころか低下していました。。。
これ、ポピュラーなトレーニングテクニック『事前疲労法』です。
残念ながら、メインのエクササイズの筋活動量を増やす
という目的においては、事前疲労法は不向きなんです。
では、アクチエクサをどう行えば良いのでしょうか?
Júniorさん達の研究が参考になります。この研究では、
トレーニングを実践している9人の男性被験者が、
日にちを変えて下記内容を全員が行い、
筋電図で、もも前の筋肉(外側広筋)の活動を調査しました。
(1)アクチエクサ『レッグエクステンション』:Max重量の30%で15回
↓
その直後、メインエクサ『レッグプレス』:Max重量の60%で15回
(2)アクチエクサ『レッグエクステンション』:Max重量の60%で15回
↓
その直後、メインエクサ『レッグプレス』:Max重量の60%で15回
(3)メインエクサ『レッグプレス』のみをMax重量の60%で15回
その結果がこれです。↓
上図のとおり、
アクチエクサを
軽重量(Max重量の30~60%)で
追い込むことなく(反復限界まで行わない、15回程度)
実施することで、その直後に行うメインエクササイズの
筋活動を増加させることができます。
取り入れ方
上記で説明してきた内容から、
ボディメイクに効果的な
アクチエクサの取り入れ方は下記になります。
アクチエクサ実施直後にメインのエクササイズを行う
アクチエクサは単関節種目で(意図する筋肉を集中的に動かすため)、かつ筋肉がギュッと収縮している時に強い負荷がかかる種目がよい(収縮が強いので意図する筋肉を意識しやすい)
メインのエクササイズは多関節種目を採用するのがよい(中~高重量で刺激するため)
アクチエクサは軽重量(Max重量の30~60%)で追い込まない程度で反復(15回以上反復限界前)
アクチエクサ実施中はマインド・マッスル・コネクション(意図する筋肉を意識する)で筋活動を高める
次回は、取り組み方の具体例を参考に示したいと思います。
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【筋トレ】アクチベーションエクササイズ活用例です
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