プレートローディング式のマシンであるHAMMER STRENGTH製アイソラテラル・ハイ・ロウをご存知の方は多いと思います。これですね。↓
出典:webサイト ライフ・フィットネス HAMMER STRENGTH プレートロード・アイソラテラル・ハイ・ロウ
このマシンにパラレルラットバーを組み合わせて、よく行うプルダウンバリーションがいくつか有ります。とても広背筋に効きます。
パラレルラットバー
本日はそれらバリエーションを紹介します。
パラレルラットバーがあるジムは少ないですから、あまり参考にならないかもしれません。何かのヒントになれば幸いです。
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1.HAMMER STRENGTHアイソラテラル・ハイ・ロウについて
バリエーションの紹介の前に、HAMMER STRENGTH製アイソラテラル・ハイ・ロウについて触れておきたいと思います。
通常、このマシンはこんな感じで行ないます。↓
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先に触れておこうと思ったのは、このマシンで背中のどこを鍛えるのか曖昧なまま行っている方が意外と多いと感じているからです。
動作の意識の仕方で効かせる箇所を変える事ができますが、個人的に感じるのはこのマシンは広背筋上部を刺激するのに優れていると思います。
効かせる箇所
広背筋上部。
出典:Jeremy Ethierチャンネル The Best Science-Based Back Workout (TARGET EVERY MUSCLE!)
このマシンの上から引くでもない前から引くでもない、これらの中間的な引き軌道(上から引く、前から引くの2要素がある)が広背筋上部にマッチしている様に思います。
広背筋上部の短縮・伸張の両方が感じ取れます。
引き動作について
- 引き始めの際、広背筋上部に負荷が乗っていること(引っ掛かる感じ)を確認する。
- 確認できたら、肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転動作)は意識せず、下記の肘開き具合を保ったまま肩関節を軸に肘を後方に、且つ少し内に絞る様に引く。
- 肘の開き具合(脇の開き具合)はハンドルを握った際に自然に成る開き具合が良く、意識して脇を閉めたり・開いたりしない。
- パッドからお腹が離れる程の後傾はしない。後傾しても胸が軽く離れる程度まで。
- 引き切った際、広背筋上部の短縮(ギュッとした感じ)を感じとる。
戻し動作について
- この種目で広背筋上部を負荷で伸ばすためには、体幹部を固定する必要がある(固定端を作る)。
- このために体をパッドに預けて、それを維持したまま(固定端を作ったまま)戻す。
- 戻している最中に広背筋の伸張(ピーンと張る感じ)を感じとる。
- 戻したボトム位で広背筋上部の負荷の引っ掛かかりを確認し、引き動作に移行する。
先に書いたとおり、このマシンは前から引く要素も持ち合わせているので、戻し動作の際に付属パッドが上体のストッパーになり、固定端として機能します(ものを伸ばすには引張り側の逆側は固定する必要あり)。
なので、広背筋上部の伸張が感じやすいマシンだと言えます。
以上の様に、HAMMER STRENGH製アイソラテラル・ハイ・ロウは、その軌道とパッドのお陰で広背筋上部に対し短縮・伸張の両刺激が入れやすいマシンだと思います。
2.ニーリング・ラットプルダウン(variation 1)
こんな感じで片方ずつ行います。↓
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効かせる箇所
広背筋上部。
出典:Jeremy Ethierチャンネル The Best Science-Based Back Workout (TARGET EVERY MUSCLE!)
準備
①パラレルラットバーの組み合わせ
マシンのハンドルにパラレルラットバーを掛ける。マシン保護のため、ハンドルとバーの接触部にタオルを噛ませる。
写真は右広背筋上部を刺激する場合
右広背筋上部の場合
マシンの右ハンドルに掛ける。
左広背筋上部の場合
マシンの左ハンドルに掛ける。
②開始姿勢
- パラレルラットバーを順手で握る。私の場合、サムレスグリップで握っている。
- 横向きになりニーリングポジションをとる(自分の踵に座る)。
- 体の支えとして、空き手はマシンフレームに当てる。
写真は右広背筋上部を刺激する場合
右広背筋上部の場合
- マシン右ハンドル側で横向きのニーリングポジションをとる。
- 右手でパラレルラットバーを握り、左手はマシンフレームに当てる。
左広背筋上部の場合
- マシン左ハンドル側で横向きのニーリングポジションをとる。
- 左手でパラレルラットバーを握り、右手はマシンフレームに当てる。
引く動作について
- 引き始めで広背筋上部の負荷乗り(引っ掛かる感)を確認する。
- 確認できたら、肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転動作)は意識せず、肩関節を軸に肘で引き込む(握った手はフックだと思って)。
- 引き込む方向は体の真横では無く、体の後方に向かってできるだけ引き込む。
- 引き切った際、これ以上引けないが最大努力で2秒程度さらに引き込もうとする。(アイソテンション法、Overcomingアイソメトリクス)
- この時、広背筋上部の強い短縮(ギュッとした感じ)を感じとる。
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最大努力アイソメトリクスを2秒程実施
戻す動作について
- 引き動作時の刺激と比較すると、その程度は弱いが等速3秒程度で肘が伸びきる手前まで戻す。
- 戻し動作中、広背筋上部の伸張を感じ取ろうとする。
- 戻したボトム位(肘伸びきる手前)で広背筋上部の負荷の引っ掛かかりを確認し、引き動作に移行する。
良いところ
このマシンが持つ軌道と可動域により、ローアングルで深く引き込めるので(広背筋上部にヒットしやすく、短縮側可動域が大きいので)、広背筋上部の起始部付近まで短縮刺激を入れることができます。
出典:Jeremy Ethierチャンネル The Best Science-Based Back Workout (TARGET EVERY MUSCLE!)
3.ニーリング・フロントプルダウン(variation 2)
こんな感じで片方ずつ行います。↓
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効かせる箇所
広背筋上部と中部。
出典:Jeremy Ethierチャンネル The Best Science-Based Back Workout (TARGET EVERY MUSCLE!)
準備
①パラレルラットバーの組み合わせ
バリエーション1と同じ。
マシンのハンドルにパラレルラットバーを掛ける。マシン保護のため、ハンドルとバーの接触部にタオルを噛ませる。
写真は右広背筋上部と中部を刺激する場合
右広背筋上部と中部の場合
マシンの右ハンドルに掛ける。
左広背筋上部と中部の場合
マシンの左ハンドルに掛ける。
②開始姿勢
- パラレルラットバーを順手で握る。私の場合、サムレスグリップで握っている。
- 握った側の手を外に捻る。
- 内向き45°程度になり半ニーリングポジションをとる(片方膝立て、もう片方膝つき踵に座る)。
- 体の支えとして、空き手はマシンのシートに当てる。
写真は右広背筋上部と中部を刺激する場合
右広背筋上部と中部の場合
- マシン右ハンドル側で左向き約45°の半ニーリングポジションをとる。
- 半ニーリングポジションは左膝立・右膝着地・右踵座り。
- 右手でパラレルラットバーを握り、右手外捻り、左手はマシンのシートに当てる。
左広背筋上部と中部の場合
- マシン左ハンドル側で右向き約45°の半ニーリングポジションをとる。
- 半ニーリングポジションは右膝立・左膝着地・左踵座り。
- 左手でパラレルラットバーを握り、左手外捻り、右手はマシンのシートに当てる。
引く動作について
- 引き始めで広背筋上部・中部の負荷乗り(引っ掛かる感)を確認する。
- 確認できたら、握った手を外捻りしたまま肩関節を軸に肘で後方へ引き込む(握った手はフックだと思って)。
- 引き切った位置で2秒保持し、広背筋上部と中部の短縮(ギュッとした感じ)を感じとる。
戻す動作について
- 等速3秒程度で肘が伸びきる手前まで戻す。
- 戻し動作中、広背筋上部と中部の伸張を感じ取ろうとする。
- 戻したボトム位(肘伸びきる手前)で広背筋上部と中部の負荷の引っ掛かかりを確認し、引き動作に移行する。
良いところ
このマシンが持つ軌道と可動域により、ニーリングポジションで行なうフロントプルにおいて、広背筋上部だけでなく中部まで刺激できます。
また、この種目は負荷方向と引く方向が対にならない構成になります(負荷方向と引く方向が向き合わない)。
なので、引き動作の後半で肩関節の内旋に対して(肩関節内旋=上腕を内に捻る)より負荷が掛かることになります。
広背筋の上部や中部の一部には肩関節内旋作用がありますから、この種目の引き動作後半でこれらの短縮が引きだせる事になります。
この種目に限らず、負荷方向と動作方向を敢えて対にしないことで対象筋の特定の作用を引き出したり、他にもより大きい筋出力を課したりすることができます。
負荷方向と動作方向の組み合わせは、種目バリエーションを増やす手段になり得るので、おもしろい要素だと思っています。
4.クロスボディ・プルダウン(variation 3)
こんな感じで片方ずつ行います。↓
<背面から撮影>
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<側面から撮影>
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効かせる箇所
広背筋上部と中部。
出典:Jeremy Ethierチャンネル The Best Science-Based Back Workout (TARGET EVERY MUSCLE!)
準備
①パラレルラットバーの組み合わせ
バリエーション1と同じ。
マシンのハンドルにパラレルラットバーを掛ける。マシン保護のため、ハンドルとバーの接触部にタオルを噛ませる。
写真は左広背筋上部と中部を刺激する場合
右広背筋上部と中部の場合
マシンの左ハンドルに掛ける。
左広背筋上部と中部の場合
マシンの右ハンドルに掛ける。
②開始姿勢
- パラレルラットバーをクロスボディの逆手で握る。
- 横向きになりニーリングポジションをとる(自分の踵に座る)。
- 体の支えとして、空き手はマシンのももパッドに当てる。
写真は右広背筋上部と中部を刺激する場合
右広背筋上部と中部の場合
- マシン左ハンドル側で横向きのニーリングポジションをとる。
- 右手でパラレルラットバーを逆手で握り、左手はマシンのももパッドに当てる。
左広背筋上部と中部の場合
- マシン右ハンドル側で横向きのニーリングポジションをとる。
- 左手でパラレルラットバーを逆手で握り、右手はマシンのももパッドに当てる。
引く動作について
- 引き始めで広背筋上部・中部の負荷乗り(引っ掛かる感)を確認する。
- 確認できたら、肩関節を軸に肘でクロスボディ軌道で引き込む(握った手はフックだと思って)。引き切る際は、肘を少し後方へ引き込む。
- 引き切った位置で広背筋上部と中部の短縮(ギュッとした感じ)を感じとる。
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引き切る際、肘を後方へ引き込む
戻す動作について
- 戻す方向の逆方向に軽く体重を乗せて(伸ばすための固定端づくり)、等速3秒程度で肘が伸びきる手前まで戻す。
- 戻し動作中、広背筋上部と中部の伸張(ピーンと張る感じ)を感じ取る。
- 戻したボトム位(肘伸びきる手前)で2秒保持。この時、広背筋上部と中部の負荷の引っ掛かかりを感じとる。その後、引き動作に移行する。
過去記事で、この行い方で短縮・伸張の両刺激を高めるバリエーションを紹介したことがあります。ソフトボールを活用した行い方です。↓
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この行い方で短縮、伸張の両刺激が高まる理由は以下です。↓
詳細は過去記事をご参照下さい。
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【筋トレ】背中の効きを向上させるクロスボディ軌道プルダウンの改良
良いところ
このマシンに限らず、クロスボディ軌道で行なうプルダウンの良いところは、広背筋上部と中部がより伸びた位置で筋収縮を繰り返すことができる点です。
これは筋肥大を促進する可能性があります。
このマシンに特有な良い点は以下になります。
- 体の支えとして使えるパーツ(ももパッド)が良い位置にあるので、しっかり力発揮できる。
- 可動軸のベアリングが良いので、フリーウェイトに近い伸張負荷が得られる。(摩擦が非常に小さく、伸張時にダイレクトに負荷が乗る。)
- 私にとって、このマシンで行なうクロスボディ軌道の角度は、広背筋上部・中部を全体的に刺激してくれる。
最後に、この種目で行なう追い込み例を紹介します。
追い込み例1:ボトム域のパーシャルレップ(Xレップス法)
上記したとおり、筋肉が伸びた位置での負荷掛けや筋収縮は筋肥大を促進する可能性があるので、以下要領で追い込みを実施します。
<通常可動域の反復限界>
⇓休まず一連の流れで
<ボトム域パーシャルレップを限界まで実施>
追い込み例2:ネガティブレップの追加
比較的、空き手(空き腕)で補助しやすい種目なので、以下要領でネガティブレップを追加します。
<限界まで反復>
⇓休まず一連の流れで
<空き腕補助のネガティブレップ追加>
等速4秒で戻せなくなったら終了。
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