以前の私は背中のトレーニングが苦手で、背中に効く感じを得るのに苦労しました。特に広背筋ですね。
そんな状況を打破してくれたツールがあります。それは『 登山用のスリング 』です。今でも背中のトレーニングで多用しています(他トレ用途にも使えるので便利です)。
本日は、背中のトレーニングで登山用スリングをどう使うかを説明し、その具体例のエクササイズを紹介します。
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スリングで作用点を肘に移す
筋トレは力学的にいうとテコの働きを繰り返している事になり、それぞれの要素を照らし合わせると以下の様になります。
関節
テコでいう『支点』
筋肉(停止部)
テコでいう『力点』
ウェイト保持部(荷重点)
テコでいう『作用点』
広背筋のメジャー種目であるラットプルダウンを例に言うと、『肩関節=支点』『背筋停止部=力点』『バー握り部(荷重点)=作用点』になります。

これは『第3種のテコ』と呼ばれるもので、力点が支点と作用点の間にあるテコです。この位置関係が保たれていれば、別にラットプルダウンでバーを手で握って引かなくてもいいわけです。
例えば本項目のタイトルどおり、肘とバーを縄などで連結して引くこともありになります(=作用点を肘に移したラットプルダウン)。
背中のトレ種目でよくアドバイスされるものに『肘で引く』があります(パーソナル中、私もよくいいます)。まさにこれを素直に実行したものが、作用点を肘に移して背中の種目を行うという事です。
例としてケーブルのラットプルダウンの画像を載ましたが、これに限らず、作用点を肘に移してプルダウン系マシンやローイング系マシンを行う事で、背中をより意識できるようになります。
その理由は単純で、作用点を肘に移す事で上腕二頭筋の関与が無くなるからです。
(作用点が手の場合、肘関節[支点]-上腕二頭筋停止部[力点]-手[作用点]のテコも含んでいますが、作用点を肘にする事でこのテコがなくなります。)
私が作用点を肘に移すツールとして使っているものが、登山用スリングです。↓
使用理由は安くて丈夫だからです。具体的な使用法は以下です。↓
step
1肘部にスリング1本を巻く

素肌に巻いてラットプルやローイングを行うと痛みやアザが生じるので、巻く際はタオルなどで巻く部分を保護するとよいです。
step
2余った輪状の部分をマシンのバーやハンドルにかける
この行い方には、上腕二頭筋の関与を無効にする以外にも以下の利点があります。↓
しっかり引ける
種目によって引き側の可動域が増すので、しっかり背中の筋肉を短縮する事ができる。
肩関節を内旋しながら引ける
手でバーやハンドルを握らないので、肩関節を内旋しながら引ける(腕をつけ根から内捻りする)。これにより広背筋の短縮を強める事ができる。
多用すると肩回りの怪我に繋がるので、内旋の程度と実施頻度には注意が必要です。
手や前腕の怪我・痛みがあってもできる
手でバーやハンドルを握らないので、手や前腕に痛みがある場合でも背中の種目ができる。
グルートマシン・スリングラットプル
作用点を肘に移して行う背中エクササイズの一例として、『グルートマシン・スリングラットプル』を紹介します。
ターゲットの筋肉は広背筋。特に下部に強い短縮と伸張の両方の刺激が得られます。

このタイプのグルートマシン(お尻のマシン)を使用します。↓

ワザワザこのマシンを使用する理由は、このマシンの円弧を描く軌道が広背筋にヒットするからです。行い方はこんな感じです。↓
step
1台座、可動部の調整
台座の高さと可動部の開始位置は、実際に試しながら広背筋下部に最も効く設定にする。

step
2スリングで肘と可動部を連結
横向きになり、肘部に巻いたスリングをマシンの可動部にかける。

step
3ワンハンドでラットプル実施
横向きに台座に座り、前方から後方に向かってワンハンドのラットプルを行う。
肩関節を内旋(腕つけ根から内に捻る)しながら引くと、より強い収縮が得られます。

戻す際は、上体を前傾して体重を肘(スリング側)に乗せながら、しゃくる様な軌道で戻す事と強い伸張刺激が入ります。
(上の写真は前傾が少し足りない。実際は、もう少し前傾して体重を乗せる)
写真ではわかりにくいですが、もう一方の腕(手)をマシンのフレームにあてて、動作時の体の安定を保っています。これ大事です。
以上です。
書き終わって思いますが、いい具合に支えとなるフレームを持つグルートマシンでなければ上手く行えないので、具体例で紹介するエクササイズとしては、あまり良くないですね(笑)。多くのジムにあるマシンではないので。。。
ですが、広背筋に非常によく効くエクササイズです。何かの参考になれば嬉しいです。
こちらの記事では背中の厚みを得るスリング種目を紹介しています。
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【筋トレ】登山用スリングで背中の厚みを得る:ハイプーリー・スリングロウイング
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