メジャー種目において、ハムストリングスを直接的に刺激できるものは、そう多くはないと思います。
本日紹介する種目は、ハムストリングスの筋腹に非常に強い短縮刺激を与える事ができます。実施バリエーションの参考になれば嬉しく思います。
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LoadedハムストリングスHipリフト
ハムストリングスの種目に『ヒップリフト』があります。
この種目は自体重で行なう種目として、ホームエクササイズとして、リハビリ的種目として、低体力の方や初心者を対象に行われている場合が多い様です。
ですが、加重できるようにして実施姿勢に変化を加えることで、日頃ボディメイクに励む中・上級者でもハムストリングスの筋肥大が狙える種目になります。非常に強い短縮刺激がハムストリングスの筋腹に入ります。こんな感じです。↓
下写真は左のハムストリングスを刺激
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【事前設定】
(1)スミスマシン
以下のようにセイフティ位置とバー回転防止の設定を行なう。
①セイフティ位置
ボトム位で負荷保持側脚の膝が軽く屈曲する位置にセイフティを設定する。
②バー回転防止設定
チューブ等でバーが回転しない様に固定する。(以下は一例)
こうする事で1人でも安全に今回の種目が行えます。
(2)ベンチの配置
ボトム位で対象筋側脚の足首を底屈(つま先を伸ばす)させてベンチに乗せた際に、股関節と膝関節の角度がそれぞれ90°になる位置にベンチを配置する。
【動作のポイント】
この種目は短縮刺激に優れているので、上げ動作を重視する。
上げ動作の際、ヒップスラストの様なお尻を上げる動作(股関節の伸展)だけで無く、ベンチに乗せた足底を下に押す動作(膝関節の屈曲)も意識して行う。
そして、トップ位で2秒程度保持して筋緊張時間を延長する。
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トップ位で2秒程度保持
この種目の特性上、良い伸張刺激は入らないので元に戻す動作(下ろす動作)は重視しませんが、適度にコントロールした等速動作で戻していきます。
この種目の特徴と利点
この種目の特徴は以下3つです。
スミスマシンの使用
ベンチに足を乗せる
足関節を底屈させる
スミスマシンの使用
【目的】
漸進的に加重できる様にするため、スミスマシンを使用する。
通常のヒップリフトの加重は限定的なので、筋肥大を積極的に狙う中・上級者の種目として、ヒップリフトが選択される事は殆どありません。
ですが、今回の様にスミスマシンを使用する事で、中・上級者でも十分な加重が可能になり、筋肥大するに重要な『漸進性過負荷の原則』に沿ったハムストリングスのトレーニングができます。
ベンチに足を乗せる
【目的】
ハムストリングスの筋活動と総負荷量を増やす。
通常のヒップリフトは、地面に足を着地させて足で地面を押し込みながらお尻を上げます(股関節の伸展)。
この場合、動作の可動域は狭いですし、膝関節を屈曲させようとするハムストリングスの筋収縮を上手く引き出す事が難しいです。
これを改善したものがベンチへの足乗せです。
可動域は大きくなりますし、通常ヒップリフトと同じ様に足を下に押し込みながらお尻上げ(股関節の伸展)を行なうと、脚の肢位が変化しているので膝関節を屈曲させようとするハムストリングスの筋収縮が引き出されます。
ベンチがあるので、その筋収縮はアイソメトリクスに近いと思われます。
この様に、ハムストリングスの主作用である『膝関節の屈曲』をアイソメトリクス的に働かせながら、もう一つの主作用である『股関節の伸展』を短縮性筋収縮にて大きな可動域で行なえるので、非常に強い短縮刺激がハムストリングスに得られるのだと思います。
また、可動域が増す事でハムストリングスにより多くの仕事をさせる事になり、筋肥大と相関がある総負荷量が増加する事になります。
足関節の底屈
【目的】
腓腹筋(ふくらはぎの二関節筋)の膝関節屈曲への参加を減らし、ハムストリングスの負担を増加させる。
ふくらはぎにある腓腹筋は、足関節だけでなく膝関節をも跨ぐ二関節筋なので、膝関節の屈曲時に補助として働きます。
ですが、足関節を底屈させて(つま先を伸ばす)膝関節を屈曲すると、腓腹筋の長さが十分ではないので緩んでしまい筋張力が低下してしまいます。
これにより、腓腹筋の補助が減りハムストリングスの負担が増える事になります。
以上の様に今回の行い方は、通常のヒップリフトと比較して漸進的過負荷でトレでき、ハムストリングスの筋活動と総負荷量が増加できるので筋肥大種目として活用できます。
以上です。
今回の種目は冒頭で書いたとおり、伸張刺激が弱い種目なのでワンレッグSLDやドロップランジなどの伸張種目も取り入れて、バランス良く伸張刺激もハムに与えるプログラムにすると良いです。
ただ、今回の種目とワンレッグSLDを連続実施したり(コンパウンドセット法)、同日に行なうと腰負担が増えて痛みが出る場合があるので、組み合わせには注意が必要です。
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