皆さんはファットグリップをご存知でしょうか?これですね。↓
フリーウェイトやマシンのハンドル径を太くするツールです。知っている方も多いですよね。
このファットグリップ、以下のようなプル系種目で用いる事が多いと思います。
アームカール
プルアップ
ベントローやデッドリフト
これらプル系種目でファットグリップを使うと、恐らくですが、前腕ばかりに効いてしまう方がほとんどだと思います。
これ、グリップの直径が大きくなる分、ウェイトを握って保持する事が困難になるので当たり前の事です。
もともと、握力強化目的で購入されたのでしたら何ら不満は無いでしょうが、上腕二頭筋の筋肥大を目的に購入された方にとっては少々不満を感じるかもしれません。
ファットグリップでカールをしても上腕二頭筋より前腕に効いてしまうという方は少なくないでしょう。
個人的な感想ですが、ファットグリップはプッシュ系種目で使う方がより効果的だと思ってます。
本日は、ファットグリップと相性が良いプッシュ系種目を紹介します。あと、参考として上腕二頭筋に効かせるファットグリップの使い方も紹介します。
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ファットグリップで上腕二頭筋を効かせる
先に、上腕二頭筋に効かせるファットグリップカールについて説明します。
下写真のように、ファットグリップでアームカールを行なう事で、上腕二頭筋の筋肥大が促進されると言われています。
その理由は、ファットグリップで手の平・指を全体的に広く刺激する事で、上肢の神経系が活性化する可能性があるからです(Krings氏他8名の筋電図研究)。
これにより、上腕二頭筋の筋繊維がより動員され、筋肥大が促進されるという理屈です。
ですが、実際に行なってみると、上腕二頭筋に効くどころか前腕にばかり効いてしまう場合が多いです。これは、径が太いのでウェイトをより強く握って保持する必要があるからです。
この強い握り込みのせいで、上述した上腕二頭筋に対するファットグリップの恩恵が得られる前に、前腕が悲鳴をあげてしまう様に思います。
ですので、ファットグリップを装着したウェイトと手をリストストラップでしっかり固定して、強い握り込みをできるだけ軽減させてカールを行います。
ファットグリップごと巻きますから、リストストラップは長いものが必要になります。私がファットグリップカールを行なう場合に使用するリストストラップはこれです。↓
径が太くて一人で両手分のリストストラップを巻く事が困難なので、採用するカールはワンアーム・ダンベルカールやワンアーム・ケーブルカールなどのユニラテラル種目(片方で行なう種目)になります。
トレーニングパートナー等いる場合は、巻き付けを手伝ってもらえるのでバイラテラル(両側)のカールができますね。
もう一つ効かせるコツは、通常のカールより可動域を狭めて行う事です。
通常のカールは肘が伸びきる手前まで下ろしますが、ファットグリップカールでは更に手前で良いと思います。この程度ですね。↓
出典:FATGRIPZチャンネル Phil Heath Mr Olympia Fat Gripz
これも強い握り込み軽減対策です。
以上のように、『リストストラップの使用』と『可動域の変更』でファットグリップカールを行なうと、私にとっては通常のカールよりも格段に上腕二頭筋の効きが良くなります。
リストストラップを使用し、可動域を変更した通常のカールと比較しても、上記のファットグリップカールの方が効きが良いです。
強い握り込みが軽減され(前腕負担や前腕への意識が軽減)、上腕二頭筋に対するファットグリップの恩恵(上肢神経系の活性化)が顕在化するんだと個人的に思っています。
実は、ファットグリップカールは上肢神経系を活性化する可能性はありますが、実際に上腕二頭筋の筋活動や肥大の増加が確認された学術的根拠は乏しいのが現状です。
ですが、私感として『リストストラップの使用』と『可動域の変更』でファットグリップカールを行なう事は、アームカールのバリエーションになり得るものだと思っています。
ちなみに、強い握り込みでハンドルを保持する必要がないtype(手平にハンドルを乗せて保持できるtype)のマシンカールとファットグリップの相性は良く、上腕二頭筋の効きがより良く得られます。
<マシンカールの例>
出典:Life Fitnessチャンネル Life Fitness Pro2 Biceps Curl Instructions
ファットグリップはプッシュ系種目の方が効く気がする
冒頭でもかきましたが、プッシュ系種目の方がファットグリップと相性が良いと思います。ファットグリップと相性の良いプッシュ系種目を先に列記します。
胸種目
スミスマシン・チェストプレス
サムレス又はサムアップでファットグリップを保持。
出典:Brandan Fokkenチャンネル Chest Training w/ Brandan Fokken and Adam Bisek Fat Gripz Style
シーテッド系チェストプレス
サムレス又はサムアップでファットグリップを保持。
出典:Brandan Fokkenチャンネル Chest Training w/ Brandan Fokken and Adam Bisek Fat Gripz Style
ペックフライマシン
ケーブル・クロスオーバー
ケーブル・フライ
以下はケーブル・フライの例。ペックフライマシン、ケーブル・クロスオーバーも同要領で実施。
サムレス又はサムアップでファットグリップに手当。
出典:Brutal Iron Gymチャンネル Cable Seated Chest Flyes with Fat Grips & an Isometric Squeeze
上腕三頭筋種目
ケーブル・トライセプスExt
サムレスでファットグリップに手当。
出典:Michael Gundillチャンネル Triceps extension with a larry scott bar
ディップス
サムアップ又はサムアラウンドでファットグリップに手当。
出典:The Fitness Maverick - Gareth Sapsteadチャンネル Dips with Fat Gripz
スミスマシン・JMプレス
サムレス又はサムアップでファットグリップを保持。
※下動画はスミスマシンではなくフリーウェイトで実施。
出典:Elitefts Archivesチャンネル Elitefts.com- Rest Pause JM Press with fat gripz and bench
※補足
サムアップ、サムレス、サムアラウンドについて。↓
出典:IRONMAN JAPANチャンネル ガチトレ!鈴木雅の大胸筋トレーニング
これらの種目でファットグリップを使用すると、ネガティブ時に負荷がしっかり対象筋に乗るし、ポジティブ時に力が出しやすいんです。
最初に気付いたのはケーブル・トライセプスExtでした。
通常バーで行なっていて、いつも上腕三頭筋の筋腹では無く、肘側の腱ばかり効いてしまう感覚があったんです。
そして厄介な事に、重量が重くなると決まって右肘にしみる感覚、神経痛のような感覚が出てしまうんです。これが不快でホント嫌だったんです。
それである時、通常バーを太くしてみようと思いました。肘の不快な感覚は、手の平が局所的に強く圧迫されるためだと思っていましたし、直感的にバーが太い方がケーブル・トライセプスExtの動作をしやすいと思いました。
そこで、通常バーにジム備品のスクワットパッドを巻きつけてみました。↓
これでサムレスグリップのエクステンションを行ってみると、右肘の不快感は低減し、力は入りやすいし、ポジティブ時とネガティブ時共に負荷が腱ではなく筋腹に乗ったんです。
特にネガティブ時は顕著で、負荷をしっかりとらえる事ができました。是非試してみて下さい。違いがわかって頂けると思います。
(ジム側にとって迷惑な使い方なので、常用は避けた方がよいですね。)
そんな経験をしたことで、自身のトレにファットグリップを導入する運びとなりました。
プッシュ系種目とファットグリップの相性が良い理由は色々あると思います。
ケーブル・トライセプスExtやディップスでいいますと、ファットグリップの使用により手の平・指とバーの接触面積が大きくなるので、バー保持や手関節の安定性が増すと思われます。
これにより肘関節の動作に集中できるので、より上腕三頭筋に効くようになると考えます。
また、接触面積の増加は、手の平の局所的な圧力増加を減らせるので、私のような肘などの神経痛的不快感の低減策にもなると思います。
スミスマシン・JMプレス時も右肘の強い不快がありましたが、ファットグリップの使用で低減できました。
また、前項で説明したとおり、ファットグリップによる上肢神経系の活性化も効きの良さに関連している可能性があります。
チェストプレスマシンやフライマシンにおいても、ハンドル保持や手首の安定性向上により負荷の入りが安定します。
プレスにおいては、ファットグリップの使用により、手首の真上又はその付近に安定的にハンドルを配置する事ができるので、大胸筋に負荷は乗りやすいし、プレス時のロスも減るので力発揮しやすい感覚があります。
以上、私の主観的な体感にもとづく内容がほとんどで参考になるか怪しいですが(笑)、ファットグリップは前腕や握力強化目的だけでなく、ボディメイクトレーニングにも役立つ可能性があるツールだと思っています。
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