上背部の筋肥大や筋力向上種目にSeal Row(シール・ロウ)があります。こんな種目です。↓
<バーベル使用>
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【動画】
出典:Richard Parkinsonチャンネル Seal-Row
<ダンベル使用>
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【動画】
出典:Team3DMJチャンネル Seal Rows - My Favorite Things
上写真のようにSeal Rowは足非接地で全身が床と水平な姿勢、かつ動作中に負荷が接地しない高さを確保しなくてはならず、このため専用ベンチ又は既存ベンチと台の組み合わせが必要になります。
日本のジムには、このような専用ベンチや高さある台が常備されていないのでSeal Rowの実施は簡単ではありません。
ですが、アジャスタブルベンチ(角度可変ベンチ)とスミスマシン又はパワーラックを組み合わせる事で、比較的容易にSeal Rowが行えます。
この行い方はInstagramで流れてきた動画で知りました。外国の動画でしたが保存しなかったので発案者を明記できませんが、この方のお陰で私やクライアント様の背中種目のバリエーションが増えたので感謝しています。
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Seal Rowの簡易なベンチセッティング
アジャスタブルベンチとスミスマシン又はパワーラックを用意し、以下のようにセットします。※以下はスミスマシン使用の場合。
スミスマシン又はパワーラックのバーを適切な高さに設定
参考:写真のprecorスミスマシンではラック位"6"にバーを設定
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アジャスタブルベンチの片方(シート側)をバーに掛ける
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【完成】
ベンチの背もたれを床水平に設定
以下の様なアジャスタブルベンチでは、このセッティングができません。↓
こんな感じでSeal Rowができます。↓
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※上写真は上体と首を軽く起こしながらロウイングしていますが、怪我防止のため、冒頭の写真や動画の様に脊柱も首もニュートラル位でロウイングする方が良いです。
バーに脛をのせて行いますが、接触部が痛んだり不快な場合はバーにスクワットパッドやタオルを巻けば良いです。
開始姿勢の作り方
開始姿勢はこんな感じでした。↓
ダンベルが床につかない高さで、この開始姿勢をどうとるかですが以下2パターンがあります。
パターン1:ダンベルをベンチに乗せる
こんな感じです。↓
負荷ダンベルをベンチに乗せる
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ベンチに跨り、ダンベルを保持する
(パワーグリップを使用しています)
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スプリットスタンスをとる
(片足:バー乗せ、もう片足:ベンチ脚乗せ)
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ベンチ脚に乗せた足側の負荷ダンベルをベンチから下ろす
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バーに乗せた足側の負荷ダンベルをベンチから下ろす
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ベンチ脚に乗せた足もバーに乗せ、ほふく前進の様にズリズリ前進
⇓
【完成】
終了したら開始姿勢のままグリップを解除してダンベルを床へはなします。
パターン2:台用ダンベルに負荷ダンベルを乗せる(負荷バーベルも可)
開始姿勢をとってから台用ダンベルに乗せた負荷ダンベルを保持する。↓
⇓
【完成】
バーベルを負荷にする場合も、この方法でできます。
私の場合、Seal-Rowの負荷としてバーベルよりもダンベルを好んでますし、台としてのダンベル使用は気が引けるのでパターン1で行なう場合が多いです。
Seal Rowを行なう目的や良い点について
目的について
Seal Rowは上背部や三角筋後部を刺激できる種目です。
私がSeal Rowで主にターゲットにしている部位は僧帽筋で、ここを集中的に刺激する目的でSeal Rowを採用しています。よく行なうパターンはダンベルを用いて脇を閉じて行うロウイングパターンで、僧帽筋の下半分狙いです。↓
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肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転)→肘で引き上げ(肩関節伸展)の順を意識してロウイングしています。上写真は上体や首を少し起こしながら行っていますが、首や脊柱はニュートラル位で行なう様に心掛けています。
もう一つの実施パターンはダンベルを用いて脇を開いて行うロウイングパターンで、僧帽筋の上半分狙いです。↓
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肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転)→開いた肘で引き上げ(肩関節水平伸展)の順を意識してロウイングしています。これも上写真は上体や首を少し起こしながら行っていますが、首や脊柱はニュートラル位で行なう様に心掛けています。
良い点について
1.上背部への負荷乗りが良い
- 負荷方向と体勢(床と水平)の相性が良いので、上背部にズシリと負荷が乗る。(個人的には、僧帽筋、菱形筋、広背筋上部に特に感じる。)
2.腰負担が少ない
- 同じフリーウェイトのロウイング種目『ベントロー』等と比較すると、腰の負担が格段に少ない。
3.チーティングの抑制
- 同じフリーウェイトのロウイング種目『ベントロー』やマシン種目『シーテッド・ロウイング』等と比較すると、チーティングが使えないので腰や下半身への負荷移行が無く、上背部の負荷抜けが防止できる。(上背部の継続的な筋緊張。)
4.上背部の伸張が得やすい
- 伸張側の可動域が大きい。
- 同じフリーウェイトのロウイング種目『ベントロー』等と比較すると、ベンチが体の支えになっているので(伸ばすための固定端になるので)、上背部(特に僧帽筋)に伸張刺激が与えやすい。
- マシン種目『シーテッド・ロウイング』等と比較すると、機械摩擦がないのでダイレクトな伸張負荷が上背部(特に僧帽筋)に入る。
5.過度な疲労がない
- 同じフリーウェイトのロウイング種目『ベントロー』は、その姿勢維持や脊椎負担から疲労度が高い様に思うが(対象筋の筋疲労以外に中枢神経系や心肺系の疲労割合が高い様に思う)、Seal Rowの場合は対象筋の筋疲労割合が高く、それ以外の疲労が少ないのでその分セットを多くこなせる。
色々列記しましたが、とにかくSeal Rowは上背部(私にとっては、特に僧帽筋)へ集中的に負荷を掛け続け、使い切ることができる種目だということです。
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