前回の記事で、ドロップセット法を活用した時短トレーニングを紹介しました。
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【筋トレ】時短トレーニングに利用できるトレーニング手法について(1/2)
本日はスーパーセット法による時短トレーニングです。
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おさらい。『時短トレーニング』の条件
前回記事で示したとおり、個人的に時短トレーニングの4条件を定めてます。↓
トレーニング1回の時間が2/3~半分に短縮
週あたりのトレーニング回数が同じ
総負荷量維持
反復限界数維持
これら全てが満たされて、トレーニング効果を損なわずに時間が短縮できると個人的には考えています。
この時短4条件を満足するトレ手法にスーパーセット法があります。スーパーセット法とは、休みなく2種目を連続で行なう手法になります。2種目の組み合わせは以下パターンになります。
①動作に関わり合わない筋肉の種目
②主働筋-拮抗筋の種目
③同一筋の種目
これらの中で、時短の4条件を満足するのは①と②になります(③は条件の『総負荷量維持』ができませ)。
時短のためのトレ手法:スーパーセット法①
スーパーセット法時短活用のパターン①は、『動作に関わり合わない筋肉の種目』を連続で行なうパターンです。
『動作に関わり合わない筋肉』とは『主働筋-協働筋『主働筋-拮抗筋』の関係にない筋肉同士の事です。
例えば、上半身筋と下半身筋、胸と上腕二頭筋、背と上腕三頭筋、肩と上腕二頭筋などです。これらの種目を休みなく又は最小限の休息を挟んで連続実施します。
以下のように時短になります。↓
トレーニング時間が2/3程度になります。
動作に関わり合わない筋肉同士なので、2種目連続でも各種目の総負荷量は落ちません。
反復限界数もそのままになります。
具体例:3分割ルーティン
胸・上腕二頭筋
背・上腕三頭筋
肩・脚
の3分割です。
時短のためのトレ手法:スーパーセット法②
スーパーセット法時短活用のパターン②は、『主働筋と拮抗筋の種目』を連続で行なうパターンです。
Burkeさん達の研究で、時短効果が示されています。ストレートセット法と拮抗筋スーパーセット法が比較され、筋肥大と筋力に関して両セット法間で有意差はありませんが、時間に関しては拮抗筋スーパーセット法で大幅な時短が確認されています。
主働筋と拮抗筋とは以下になります。
主働筋
関節運動の際に主となる筋肉
拮抗筋
その関節運動の逆の運動を行なう筋肉
主働筋と拮抗筋を『表と裏』の位置関係で把握する方がいますが、正しくは上記のように関節運動の相反で把握します。
このスーパーセット法②は関節運動の相反関係にある種目(=主働筋と拮抗筋の関係にある種目)を組み合わせて行う方法です。
組み合わせ例:ラットプルダウンとショルダープレス
『広背筋を刺激するためラットプルダウンをやろ~。これに組み合わせる主働筋-拮抗筋関係にある種目(筋肉)は何にしよう?』
↓
ラットプルダウンで広背筋が担う関節運動を把握する。
➪肩関節の内転
↓
これと逆の運動を把握する。
➪肩関節の外転
↓
『肩関節外転の種目を選べばよいから、ショルダープレスを組み合わせて三角筋を刺激しよう。』
となるわけです。
どれを主働筋、拮抗筋と言うかは基準にする関節運動次第です。上の例でいえば、肩関節の内転を基準にしたなら『主働筋:広背筋』『拮抗筋:三角筋』になりますし、肩関節の外転を基準にする場合は『主働筋:三角筋』『拮抗筋:広背筋』になります。
ちょっと話が脱線しましたが以下のように時短になります。↓
トレーニング時間が2/3程度になりますし、各種目の反復限界数はそのままです。総負荷量は、以下で説明しますが、2種目目の総負荷量が増加する可能性があります。
スーパーセット法②の特徴
主働筋と拮抗筋は、互いの関節動作に関わり合わない様に見えますが、そうでは無い様です。
Maiaさん達の研究によると、拮抗筋の筋活動後に続けて行う主働筋の筋活動が増加しています。この時、MaynardさんとEbbenさんの研究によると、主働筋の短縮動作が速い動作で行なわれると、主働筋の力発揮は大きくなるようです。また、Pazさん達の研究では拮抗筋の筋活動後に続けて行う主働筋の総負荷量が増加しています。
要は、スーパーセット法②の2種目目を担う筋肉は、1種目目を担う筋肉より筋活動、筋力や総負荷量が増える傾向にあるので、筋肥大がより促進される可能性があるという事です。
これを意識してスーパーセット法②を実施します。具体例です。↓
具体例:Push-Pull・脚ルーティン
Push-Pull①、Push-Pull②、脚の3分割。(キツい例です。)
Push-Pull①
- 力発揮向上の可能性があるため、各スーパーセットの2種目目の短縮性筋活動は爆発的に行う。
- 各スーパーセットの2種目目の筋活動、力発揮、総負荷量が増す可能性があるので、Push-Pull①トレをする度にスーパーセットの種目実施順を逆にする事で偏りを防ぐ(今回トレ:スーパーセットA種目→B種目、次回トレ:スーパーセットB種目→A種目)。又は弱点部位の種目を2種目目に持ってくる。
- ※1:僧帽筋中・下部は大胸筋と主働筋-拮抗筋の関係に無いが、これらロウイング種目で肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転)も意識して、一緒に刺激する。
- ※2:スーパーセット5はPush-Pullや主働筋-拮抗筋の関係なに無い筋肉の組み合わせ。(動作に関わりあわない筋肉の組み合わせ)
脚
- 力発揮向上の可能性があるため、各スーパーセットの2種目目の短縮性筋活動は爆発的に行う。
- 各スーパーセットの2種目目の筋活動、力発揮、総負荷量が増す可能性があるので、脚トレをする度にスーパーセットの種目実施順を逆にする事で偏りを防ぐ(今回トレ:スーパーセットA種目→B種目、次回トレ:スーパーセットB種目→A種目)。又は弱点部位の種目を2種目目に持ってくる。
- ※スーパーセット4は同一筋(腓腹筋、ヒラメ筋)のスーパーセットなので、通常セット法より総負荷量減るが、時短優先でスーパーセットにて実施。(参考:シーテッド・カーフレイズでは腓腹筋の活動が下がる。)
Push-Pull②
- 力発揮向上の可能性があるため、各スーパーセットの2種目目の短縮性筋活動は爆発的に行う。
- 各スーパーセットの2種目目の筋活動、力発揮、総負荷量が増す可能性があるので、Push-Pull②トレをする度にスーパーセットの種目実施順を逆にする事で偏りを防ぐ(今回トレ:スーパーセットA種目→B種目、次回トレ:スーパーセットB種目→A種目)。又は弱点部位の種目を2種目目に持ってくる。
- ※1:僧帽筋中・下部は大胸筋と主働筋-拮抗筋の関係に無いが、このロウイング種目で肩甲骨の寄せ(肩甲骨内転)も意識して、一緒に刺激する。
- ※2:スーパーセット2はPush-Pullではない主働筋-拮抗筋関係の種目。
期間を区切る
前回の記事で紹介したドロップセット法活用の時短と同じく、スーパーセット法の時短もけっこうキツイです。(笑)
なので、長期間続けると疲労が蓄積してきます。
また、長期間の同一トレ手法の継続は、体の慣れによって反応(=筋肥大)が鈍化してきます。
これらを少しでも防ぐために、ドロップセット法活用の時短と同様に2か月程度の実施に限定しています。
スーパーセット法時短2か月実施
↓
1~2週間の積極的休息
(通常セット法,低負荷,反復限界なし,余力を残す)
↓
2~3週間通常セット法や別トレ手法
(段階的に強度をあげる)
↓
スーパーセット法時短に戻る
といった具合で、蓄積疲労の回復とスーパーセット法時短刺激の感度リセットを行なっています。
時短トレで余った時間を別に活かす
今回の手法を取り入れる事で、余った時間を『形をつくる種目』や『セット追加で総負荷量を増加』にあてる事ができるので、時短トレの行い方を知る事は時短トレに興味がない方にとっても有意義だと思います。
<形をつくる種目>
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【筋トレ】形を作る種目について。種目例もいくつか紹介します。
以上、前回と今回の記事でトレ手法活用による時短トレを紹介しました。
最後にデメリットについてですが、トレーニング量を減らして時短しているわけでは無いので、どちらも時短できる分、キツさが増します。(笑)
ドロップセット法活用の時短は分割法・プログラムを選びませんが、今回紹介のスーパーセット法は利用できる分割法が限定される事もデメリットになりますね。
日々のトレーニングの参考になれば幸いです。
前回記事:ドロップセット法活用時短
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【筋トレ】時短トレーニングに利用できるトレーニング手法について(1/2)
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