トレーニング

【筋トレ】時短トレーニングに利用できるトレーニング手法について(1/2)

札幌パーソナルトレーニング

 

ボディメイク専門 札幌パーソナルトレーナーZeal-Kの長崎健太です。

 

時短トレーニングに利用できるトレーニング手法を2回に分けて紹介します。参考になれば嬉しいです!

 

このブログを始めた頃、私はトレーニングする事が好きな人間だと思っていました。ですが、今ではそうでもないんだなと認めています。(笑)

 

これまでに多くのトレーニーやクライアントの方々と関わらさせて頂き、私の『好き』は大したこと無いと認めざるを得ませんでした。(笑)

 

トレーニングに対する知識欲は旺盛なんですが、トレーニング行為をする事は時に嫌々感が支配的なんです。自身のトレーニング中に『早く終わりて~』なんて思いながら決めた内容をこなすって事が結構ありますもんね。(笑)

 

そんな私の興味の1つが時短トレーニングです。

トレーニングの効果を損なわずに時間を短縮できないかが1つのテーマでもあります。

 

時短に寄与する要素はいくつかあります。その内の1つ、トレーニング手法に着目しこれを活用した時短を今回と次回に分けて紹介します。

トレーニングの実施バリエーションや、忙しい日常でなんとか時間をつくりトレーニングに励まれている方の参考になれば幸いです。

 

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『時短トレーニング』の条件

ただトレ内容を減らして時短すればいいわけでは無く、トレーニング効果が同等以上でなければなりません。

 

そのために個人的に定めている時短トレーニングの条件があります。それは以下4条件です。

 

トレーニング1回の時間が2/3~半分に短縮

週あたりのトレーニング回数が同じ

総負荷量維持

反復限界数維持

 

これら全てが満たされて、トレーニング効果を損なわずに時間が短縮できると個人的には考えています。

 

1.トレーニング1回の時間

私の場合、これまでのトレーニング時間が2/3~半分になって『時短できたな』と実感できるので、勝手にこう定めています。

 

(例)

トレーニング時間90分→60~45分に

トレーニング時間2時間→80~60分に

 

2.週あたりのトレーニング回数

トレーニング1回に要する時間を減らし(トレーニング1回の量を減らす)、トレーニング回数を増やして(※)時短した分を補う事もできますが、『時短』を最優先とした場合、結局、時間拘束は変わらないので意味がありません。

 

なので、週あたりのトレーニング回数はそのままという事も条件に入れています。

 

※トレ回数を増やす

『筋肥大』を最優先とした場合は、促進できる可能性があります。これについては別記事にしたいと思います。

 

3.総負荷量の維持

総負荷量とは、各セットの『使用重量×反復回数』を全セット分足し合わせたもので、『その筋肉がした仕事量』だと考えて下さい。

 

例えば、ベンチプレスを3セット行い、その結果が以下だとした場合の総負荷量計算を示します。

 

【セット結果】

1セット目:100kgで10回

2セット目:100kgで8回

3セット目:100kgで6回

 

【大胸筋の総負荷量】

ベンチプレスで大胸筋がした仕事量

=100kg×(10回+8回+6回)

=2400

 

このように、その筋肉がトレーニングでした仕事量を数値で把握できます。

 

この仕事量が時短する事で減ってしまったら、トレーニング効果(=筋肥大)も減る可能性があります。

なぜなら、その仕事量をこなせるように体が適応した結果が筋肥大だと言えるからです。

 

過負荷を体に与える手段は使用重量だけではありません。『仕事の量』である総負荷量も過負荷を与える手段の1つです。

これは、多くのビルダーが昔から経験している事であり、総負荷量(仕事量)と筋肥大に相関がある科学的証拠も数多く出ています。

Schoenfeldさん達のメタ分析

Fisherさん達のメタ分析など

 

なので、総負荷量(仕事量)を維持しつつ時短する事が大切だと思っています。

 

4.反復限界数の維持

ここでいう反復限界とは、そのセットにおいて自力でできなくなるまで反復する事です。

 

この『反復限界』は必ずしも筋肥大に必要というわけではありません。

 

ですが、『反復限界』は多くの筋繊維動員の可能性があります(筋繊維動員数は負荷重量と緊張時間の関数と考える)。

 

それだけでなく、代謝ストレスの増加により同化ホルモン分泌や成長因子の活性化がおこります。これらは、筋肥大反応をより促進する可能性があります。

 

というように『反復限界』は筋肥大においてプラスの面があります。なので、『反復限界』の数を維持する事も条件に入れています。

 

 

時短のためのトレ手法:ドロップセット法

中・上級者にとっておなじみのドロップセット法を時短に活用します。

 

ドロップセット法(又はディセンディングセット法)とは、限界まで反復し、その直後すぐに使用重量を減らして再び限界まで反復する方法です。

使用重量を20~25%減らして2ドロップ程度するやり方が一般的だと思います。

 

一般例ウェイトスタック系マシン

100kgで反復限界まで実施

↓1ドロップ目:重量20%減

80kgで反復限界まで実施

↓2ドロップ目:重量20%減

64kgで反復限界まで実施

これで1セットになります。

 

ドロップセット法は同一セット内で多くの筋繊維動員が期待でき、かつ高い代謝ストレスを得る事ができます。

 

休みなく反復限界を繰り返すので、短時間で総負荷量と反復限界数をこなす事になりますから、時短にはもってこいのトレ手法なんです。

 

通常セット法の複数セット分をドロップセット法の1セットに置き換えて時短します。

この時重要なのが、置き換える複数セット分の総負荷量と反復限界数を把握し、これらを下回らない様にドロップセット法1セットの『使用重量』『減じる割合』『ドロップ数』を設定する事です。

 

実際に試して、自分にあった設定値を導き出します。

 

例えばこんな感じです。↓

 

この結果から、ドロップセットの設定は以下となります。

 

開始重量:100kg

減じる割合:20%

ドロップ数:3ドロップ

 

このドロップセット1setで以下の通常セット法3set分が置き換わる事になり、時間もかなり短縮されます。

【置き換わる通常セット法】

 ・使用重量100kg

 ・各セット限界まで反復

 ・セット数3set

 ・セット間休息2分

 

実際、上記のようなドロップセットで置き換える方法が時短トレとして成立するか研究例をみてみます。ドロップセットの設定においても参考になると思います。↓

 

例1:Finkさん達の研究

12RM負荷の通常セット法3set(セット間休息90秒)とドロップセット法1setの比較。

週あたりのトレニング回数は両方で同じ。

両方の総負荷量は同程度。

種目はケーブル・プレスダウン。

 

通常セット

使用重量

12RM負荷

(反復限界12回の負荷)

セット数

3セット

反復回数

各セット限界まで反復。反復限界数が3回という事。

セット間休息

90秒

 

ドロップセット

使用重量

12RM負荷

(反復限界12回の負荷)

セット数

1セットのみ

ドロップセット設定

上記の通常セット3セット分の総負荷量と同程度になる様に設定。↓

 

開始重量:12RM負荷

減じる割合:20%

ドロップ数:3ドロップ

反復回数:

全て限界まで反復。反復限界数が4回という事。

 

こんな感じ⇓

 

12RM負荷で限界まで反復

↓1ドロップ:20%減

12RM負荷×0.8で限界まで反復

↓2ドロップ:20%減

12RM負荷×0.64で限界まで反復

↓3ドロップ:20%減

12RM負荷×0.51で限界まで反復

 

トレーニング時間結果

  • 通常セット群  :5分20秒程度
  • ドロップセット群:2分30秒程度

 

筋肥大結果

6週間後の上腕三頭筋の筋肥大は、ドロップセット群の肥大量が大きい傾向になった。(統計的有意差なし)

 

トレーニング効果(=筋肥大)を維持しながら、約半分に時短できています(前項で示した時短の4条件を全て満足)。

 

例2Ozakiさん達の研究

80%1RM負荷の通常セット法3set(セット間休息3分)、30%1RM負荷の通常セット法3set(セット間休息90秒)、ドロップセット法1setの比較。

週あたりのトレニング回数は全てで同じ。

総負荷量は 30%1RM負荷の通常セット > 80%1RM負荷の通常セット ≒ ドロップセット。

種目はダンベル・カール。

 

80%1RM負荷通常セット

使用重量

80%1RM負荷

(1回Max重量の80%の負荷。反復限界8回程度の負荷)

セット数

3セット

反復回数

各セット限界まで反復。反復限界数が3回という事。

セット間休息

3分

 

30%1RM負荷通常セット

使用重量

30%1RM負荷

(1回Max重量の30%の負荷。)

セット数

3セット

反復回数

各セット限界まで反復。反復限界数が3回という事。

セット間休息

90秒

 

ドロップセット

使用重量

80%1RM負荷

(1回Max重量の80%の負荷。反復限界8回程度の負荷)

セット数

1セットのみ

ドロップセット設定

上記の80%1RM負荷通常セット3セット分の総負荷量と同程度になる設定。↓

 

開始重量:80%1RM負荷

減じる割合:1RMの65%,50%,40%,30%に固定

ドロップ数:4ドロップ

反復回数:

全て限界まで反復。反復限界数が5回という事。

 

こんな感じ⇓

 

80%1RM負荷で限界まで反復

↓1ドロップ

65%1RM負荷で限界まで反復

↓2ドロップ

50%1RM負荷で限界まで反復

↓3ドロップ

40%1RM負荷で限界まで反復

↓4ドロップ

30%1RM負荷で限界まで反復

 

トレーニング時間結果

  • 80%1RM負荷通常セット群:7分程度
  • 30%1RM負荷通常セット群:12分程度
  • ドロップセット群      :2分程度

 

筋肥大結果

8週間後の上腕二頭筋の筋肥大は、全群で肥大量が同程度であった。

 

トレーニング効果(=筋肥大)を維持しながら、半分以下に時短できています(前項で示した時短の4条件を全て満足)。

 

 

以上のように、ドロップセット法の活用によってかなりの時短を実現しつつ、筋肥大効果を維持(場合によってはそれ以上)できる可能性があります。

 

私が時短でよく利用するドロップセットの設定は、上記Ozakiさん達の研究の設定です。

 

理由は、ここ最近で私がよく使用する負荷重量が同じく80%1RMですし、この設定だと80%1RM負荷通常セット法3set分の総負荷量と反復限界数を下回る事がほぼないからです。

 

私が時短しないトレーニングで行なうパターンは、各種目で80%1RM負荷重量を限界まで反復する通常セット法を3セット実施し、最後の4セット目でドロップセットを行なうパターンです(80%1RM負荷重量で開始、20%減の2ドロップ)。

こんな感じです。↓

 

私の時短しないトレ

各種目で以下4セット実施。

 

1セット目:80%1RM負荷で限界まで反復

⇓休息3~4分程度

2セット目:同重量で限界まで反復

⇓休息3~4分程度

3セット目:同重量で限界まで反復

⇓休息3~4分程度

4セット目:

同重量で限界まで反復

↓1ドロップ:20%減

65%1RM負荷で限界まで反復

↓2ドロップ:20%減

50%1RM負荷で限界まで反復

 

これをドロップセットで時短。↓

(設定はOzakiさん達の研究)

 

私のドロップセットによる時短トレ

各種目で、Ozakiさん達の研究のドロップセットを2セット実施。

 

80%1RM負荷で限界まで反復

↓1ドロップ

65%1RM負荷で限界まで反復

↓2ドロップ

50%1RM負荷で限界まで反復

↓3ドロップ

40%1RM負荷で限界まで反復

↓4ドロップ

30%1RM負荷で限界まで反復

 

↓4~5分休息

 

80%1RM負荷で限界まで反復

↓1ドロップ

65%1RM負荷で限界まで反復

↓2ドロップ

50%1RM負荷で限界まで反復

↓3ドロップ

40%1RM負荷で限界まで反復

↓4ドロップ

30%1RM負荷で限界まで反復

 

毎回のトレーニングで全ての反復回数を記録し、次回トレで1回でも多く反復できる様に(各ドロップ段階)、取り組んでいます。

 

 

期間を区切る

お気づきだと思いますが、このドロップセット置換えはけっこうキツイんです。(笑)

長期間続けると疲労が蓄積してきます。少なくとも私の場合はそうです。

 

また、今回のやり方に限らず、長期間の同一トレ手法の継続は体の慣れによって反応(=筋肥大)が鈍化してきます。

 

これらを少しでも防ぐために、2か月実施に限定しています。

ドロップセット置換え2か月実施

1~2週間の積極的休息

(通常セット法,低負荷,反復限界なし,余力を残す)

2~3週間通常セット法や別トレ手法

(段階的に強度をあげる)

ドロップセット置換えに戻る

 

といった具合で、蓄積疲労の回復とドロップセット置換え刺激の感度リセットを行なっています。

 

 

時短トレで余った時間を別に活かす

今回の手法を取り入れる事で、余った時間を形をつくる種目や、セット追加で総負荷量の増加にあてる事ができます。

【形を作るトレについて】

 

なので、時短トレの行い方を知る事は、時短トレに興味がない方にとっても有意義だと思います。

 

 

次記事:スーパーセット法時短トレ

 

 

本日もお読み頂きありがとうございました。

 

 

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