重量は、『軽重量』『中重量』『高重量』に区分けされます。私の中では、ザックリでいうと以下になります。
軽重量
=自力限界反復が14回以上の重量
=Max重量の67%以下
中重量
=自力限界反復が8~12回の重量
=Max重量の75~80%
高重量
=自力限界反復が6回以下の重量
=Max重量の85%以上
一般的なボディメイク(=筋肥大)で扱う重量は、上記でいうと中重量になります。
その理由ですが、中重量は筋肥大に重要な要素である『メカニカルテンション(多くの筋繊維を動員する・張力を発生させる)』『代謝ストレス(パンプを得るなど)』と、後で説明する『総負荷量』がバランスよく得られからです。
さらに、比較的トレーニングにかかる時間も程よい範囲で収める事ができる(時間対効果が比較的高い)重量帯であることも好まれる理由です。
そうなんですが過去の記事で、主軸の重量は中重量だけど高重量のトレーニングも定期的に取り入れるべきだと紹介しました。
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【筋トレ】筋量UPしたけりゃ高重量トレで筋力向上も大切です!
それは、新鮮な刺激を得たり、速筋繊維の動員を高めたり、中重量トレで扱う重量や反復回数を増やして筋肥大を促進するためです。
この高重量トレを取り入れる際に、筋力向上だけでなく筋肥大もしっかり狙うのでしたら気にかけるべき事があります。それは総負荷量です。
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総負荷量とは
総負荷量とは、『筋肉にどれだけ仕事をさせたか』の目安であり、『各セットの負荷量=負荷重量×反復回数』を全セット分足し合わせた総重量で表されます。
これには、セット間の休息時間や反復のテンポ、可動域等も加味されるべきですが、総負荷量は上記の掛け算の総和で表され、これで『筋肉がどれだけ仕事をしたか』を評価するのが一般的です。
この総負荷量、筋肥大と強い相関がある事はよく知られています。エビデンスも数多くあります。
筋肥大について、総負荷量至上主義の研究者やトレーナー、トレーニーも多くいらっしゃいます。私も、至上主義とまではいかないですが、筋肥大トレーニングにおいて総負荷量には気を配ります。
総負荷量を重視する場合は、種目数やセット数などを闇雲に追加して総負荷量を増やすのではなく、その方の回復能力が許す範囲で総負荷量の最大化を目指す事が大切です。
その見極め、判断が難しいのですが。
そんな総負荷量ですが、意図せずに減ってしまう場合があります。その一例が、中重量トレから高重量トレに切り替える場合です。
高重量トレに切り替えの際は総負荷量が減りがち
セット数はそのままで、使用重量を中重量から高重量に切り替えると、知らぬ間に総負荷量が減ってしまうケースがよくあります。
ベンチプレスを例にすると、こんな感じです。↓
例:ベンチプレス中重量で3セット→高重量で3セットに切り替えた場合
ベンチプレスの中重量トレ
使用重量:100kg(Max75%)
限界反復回数:10回
セット数:3セット
※使用重量と限界反復回数の関係は『強度-RM表』から設定
総負荷量
=100kg×10回×3セット
=3000
↓高重量に切り替え
ベンチプレスの高重量トレ
使用重量:115kg(Max87%)
限界反復回数:5回
セット数:3セット
※使用重量と限界反復回数の関係はk『強度-RM表』から設定
総負荷量
=115kg×5回×3セット
=1725
【結果】
中重量の総負荷量:3000
高重量の総負荷量:1725
以上のように、4割以上も総負荷量が減っています。こういう事は高重量切り替え時によく起きます。
セット数はそのままで、中重量→高重量にすると総負荷量はガクンッと減ってしまうんです。
これでは、筋肥大を狙って高重量トレを取り入れても良い結果が得られにくくなります。
解決策の例
以下に何パターンか解決策の例を示します。これにより、総負荷量が減らない様に増やしていきます。
どの程度増やすかですが、少なくとも、高重量トレ切り替え前の中重量トレの総負荷量を下回らない様に設定します。
策1:単純にセット数を増やす
一般的な改善策です。単純にセット数を増やします。重量だけでなくセット数も増加させます。
例)上記ベンチプレスの場合
中重量トレ時の総負荷量3000を下回らない様に高重量トレのセット数を設定。
高重量トレのセット数の目安
=中重量トレ総負荷量÷(高重量トレ使用重量×高重量トレ限界反復回数)
=3000÷(115kg×5回)
≒5.2セット
⇒6セットに決定
よって高重量トレ内容は、以下となります。
使用重量:115kg(Max87%)
反復回数:5回以上を目指す
セット数:6セット
注意ですが、高重量トレはセット間の休息時間が少ないと、セットを進めて行く中で反復回数が極端に落ち込んでしまいます。その結果、総負荷量が減ってしまいます。
極端な落ち込み防止のため、セット間の休息時間は十分にとります。最低3分、それ以上とるのが望ましいです。
策2:頻度を多くする
例えば、策1の内容(以下)を週1回行なっているが、セット数が多くてキツイ場合や、マシン・ベンチの占有時間が長くなり他トレーニーに迷惑をかけてしまう場合があります。
【策1】
使用重量:115kg(Max87%)
反復回数:5回以上を目指す
セット数:6セット
※セット間休息は長くとる。
その場合は、以下の様にセット数を半分にして、これを週2回行うのもアリです(策2)。
【策2】
使用重量:115kg(Max87%)
反復回数:5回以上を目指す
セット数:3セット
頻度:週2回
※セット間休息は長くとる。
トレーニング1回あたりの負担を減らす代わりに、頻度を増やすという事です。週単位でみた場合、総負荷量は変わりません。これでも上手く機能する例は多くあります。
私の場合は心配性でして(笑)、セット数を減らして頻度を増やす際は、最後のセットにレストポーズ法又はドロップセット法を採用しています。
策3:レストポーズ法を導入する
これは、上級者、体力レベルが高い方むけです。
レストポーズ法とは、反復限界に達したら小休息(数秒~数十秒)を挟み、重量は変えず反復を継続する方法です。
上図は中重量のレストポーズ例
これで1セットになります。この様に、1セットあたりの反復回数が伸ばせるので、ほぼセット数を増やす事無く総負荷量を増やす事ができます。ですが、高重量のレストポーズ法はメチャきついです。
ちなみに、私が総負荷量を意識して高重量レストポーズを行なう場合は、各セット以下の様に行っています。
高重量で反復限界
↓40秒程度休息
重量そのままで反復限界
↓40秒程度休息
重量そのままで反復限界
↓40秒程度休息
重量そのままで反復限界
↓40秒程度休息
重量そのままで反復限界
こんな感じに、1セットあたり小休息40秒程度で5段階で行います。これによりセット数は抑えれますがキツキツです(笑)。
セット間の休息は5~6分以上はとっています。
体も精神的にも消耗するので、私の場合、長期間はできません。
策4:ドロップセット法を導入する
これも、上級者、体力レベルが高い方むけです。
ドロップセット法とは、反復限界に達したら休みなく重量を落として反復を継続する方法です。
高重量で反復限界
↓休まず直ぐに
重量20%程度減にして限界まで反復
↓休まず直ぐに
重量20%程度減にして限界まで反復
といった感じです。これで1セットになります。
この様に、重量は減らしますが1セットあたりの反復回数が伸ばせるので、この方法もセット数を増やす事無く総負荷量を増やす事ができます。こちらもまた、メチャきつです。
以上が、高重量トレの総負荷量落ち込み防止策例になります。
いずれも、漸進性の原則に従い少しずつで構いませんので、重量や反復回数を伸ばすように取り組みます。
説明してきたとおり、高重量トレで筋力向上だけでなく筋肥大も狙う場合は、総負荷量を減らさない様にする事が大切です。
ただ、トレ時間が長くなるのは必至ですし、大体の方が中重量トレよりも体・精神ともに疲労が増してしまうと思います。
ですので、回復力を加味すると主軸は中重量トレとして、期間限定で高重量トレに取り組んでいきます。
ちなみに、筋力向上重視で高重量トレに取り組む場合は、総負荷量にとらわれなくても良いと考えます。
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