背中の種目に『Tバーロウ』があります。実施別に以下の3パターンがあります。↓
立位マシン
出典:Gym Equipmentチャンネル T-Bar Row Machine Plate Loaded (L2)
チェストサポートマシン
出典:Woodside Health Clubチャンネル Technogym Pure Strength Plate Loaded | T-Row Bar
バーベルシャフト
<V型ハンドル使用>
出典:uvacswimチャンネル T Bar Row
<ハンドル未使用、直握り>
出典:Bodybuilding.comチャンネル Bent Over Two Arm Long Bar Row - Back Exercise - Bodybuilding.com
上の動画のようにストリクトstyleで行うのも良いですが、私個人的には、Tバーロウといえばチーティングstyleをおすすめしています。その方が背中の発達に効果的だと感じるからです。とても良い刺激が入ります(体力の消耗激しいし、キツイですが。。)。
チーティングstyleのTバーロウを行う場合、上で示した動画の内どのパターンが良いのか? それは『バーベルシャフト+V型ハンドルのTバーロウ』です。
立位マシンのTバーロウは踏ん張りやすくチーティングしやすいですが、軸フレームが短いので背に刺激が入る最適なロウイング軌道が得にくいです。
チェストサポートマシンのTバーロウは、踏ん張りにくい姿勢なのでチーティングに不向きです。
これらの欠点が解消されているものが『バーベルシャフト+V型ハンドルのTバーロウ』です。
本日は、チーティングstyleの『 バーベルシャフト+V型ハンドルのTバーロー 』の行い方や意識すべき点を、背中の厚みを得る場合と広がりを得る場合にわけて説明します。
チーティングで高重量を扱うので強い握力を必要とします。背部を鍛える事が目的ですから、迷わずリフティング用ストラップやパワーグリップを使用して握力の負担を低減させて下さい。
<リフティング用ストラップ>
※2025.4.3追記
シングルループのストラップを使うようになりました。最近はEliteFTS製を使用しています。
<パワーグリップ>
【広告】
背中の厚みを得る場合
対象筋と行い方は以下の通りです。
ターゲットの筋肉:上背部筋群
ここで言う『背中の厚み』とは発達した上背部筋群のことです。上背部筋群を示します(刺激すべき筋肉を把握する事は基礎中の基礎です)。

特に僧帽筋への刺激を重視しています。『僧帽筋』『菱形筋』『三角筋後部』『大円筋』『小円筋』は、今回のTバーロウの挙げ下ろしの両動作で働き、棘下筋は下ろし動作で強く働きます(肩関節の安定確保)。
行い方
参考動画です。↓
0:45以降
出典:Muscleologistチャンネル Ronnie Coleman Mid Back Workout
元ミスターオリンピアのロニー・コールマンさんです。この映像はDVD『The Unbelievable』のもので、どの種目も使用重量がヤバイです(笑)。
制作元のMOC videoが本作の全編をYouTubeにあげています。お時間ある時にご鑑賞下さい。↓
出典:Mocvideo Productionsチャンネル RONNIE COLEMAN - THE UNBELIEVABLE MOVIE (2000) COMPLETE UPLOAD
昔、これを購入して初めて観た時はその迫力に圧倒されましたが、次第に『雑な感』『反動の多用』に疑問を抱くようになりました。
当時は狭い了見で観ていたので、そう感じてしまったのは仕方ないですが、今ではわかります。これは筋肥大を促すとても良い行い方です。
私が思う、ロニー氏のTバーロウの要はバーベルを下ろす動作です。
全身の連動や反動で爆発的に引き挙げたバーベル重量(ストリクト反復では扱えない程の高重量)を落下させる様に下ろし(重力加速で勢いがついて、その重量より大きい負荷になる)、それをボトム位置でしっかり上背部が受け止める、これを繰り返し強烈な刺激を入れています。
このように、ブレーキとして上背部筋群を働かせて行うことで、筋損傷しうる強烈な伸張刺激が上背部に入り、筋肥大が促されます。
腰が丸まらない範囲で、肩甲骨を少し広げて受け止める事ができると尚良いです(高負荷の受け止めなので、意識せずともそうなりますが)。
但し、受け止めの際にボトム位で一気に受け止めることはしないで下さい(急ブレーキで受け止めない)。危険です。
また、東京大学石 井教授著『石井直方の筋肉の科学』によりますと、急ブレーキをかけるような過激なエキセントリック刺激を繰り返す事はmTORのリン酸化を下げ、タンパク質の分解を進めてしまい、筋肥大にマイナスになる可能性があるようです(マウス実験による結果)。
ですので、うまく表現できませんが、ロニー氏の動画の様な『滑らかなブレーキングでボトム位で止まる』といった感じで行うと良いです。
重要なのは下ろす動作と書きましたが、引き挙げ動作を疎かにするわけではありません。
引き挙げ時は爆発的動作を意識して行います。これによって多くの速筋線維が動員されます。
また、引き挙げ時の『レッグドライブ』『上体のあおり』『肘の引き』だけでなく、『肩甲骨の寄せ(内転)』も意識しましょう。これにより、重視している僧帽筋をより働かせる事ができます。
全動作とおして、腰が丸まらない様に気を付けて下さい。
背中の広がりを得る場合
対象筋と行い方は以下の通りです。
ターゲットの筋肉:広背筋・大円筋
広背筋・大円筋(小円筋)の発達で背中の広がりが得られます。広背筋、大円筋(小円筋)を示します(刺激すべき筋肉を把握する事は基礎中の基礎です)。

広背筋・大円筋は今回のTバーロウの挙げ下ろしの両動作で働きます。
行い方
Tバーロウはバーの片端を支点にした円軌道のロウイングになるので、通常のロウイング種目よりも斜め後方に負荷がかかります。
ですので、Tバーロウは、広背筋を刺激するのに良い軌道(=肩関節の伸展方向)を有していると思います。
ですが、広背筋をしっかり刺激するには短縮側も伸展側も可動域が狭いです。広背筋がギュッと強く縮み固まるほど短縮できないし、強く引き伸ばされるほど伸張もできません。
個人的に、Tバーロウは広背筋を鍛える種目として中途半端な感が否めないんです。
そこで、割り切って広背筋を狙ったTバーロウでも下ろす動作を重視し、ブレーキとして広背筋・大円筋を働かせて強い伸張刺激を入れていきます。
参考動画です。↓
出典:Diesel Joshチャンネル T bar Rows
全身の連動や反動で爆発的に引き挙げた高重量バーベルを落下させる様に下ろし(重力加速で勢いがついて、その重量より大きい負荷になる)、それをボトム位置でしっかり広背筋・大円筋が受け止める、これを繰り返し強い伸張刺激を入れています。
このように、ブレーキとして広背筋・大円筋を働かせて行うことで、筋損傷しうる強烈な伸張刺激が入り、筋肥大が促されます。
但し、こちらも急ブレーキで受け止めるような事はせず、動画の様に『滑らかなブレーキングでボトム位で止まる』といった感じで行うと良いです。
下ろし動作にはもう1つポイントがあります。腰が丸まらない範囲で腕とお尻を離しながら下ろす事です。

出典:Diesel Joshチャンネル T bar Rows
こうする事で、広背筋が比較的伸展した位置で強い伸張刺激を入れる事ができます。
そして、引き挙げる際は広背筋の短縮を促すために、『肘を後方へ引く(肩関節の伸展) 』と『腰の前方突き出し』を強調する事で腕とお尻を近づけながら引き挙げます。

出典:Diesel Joshチャンネル T bar Rows
全動作とおして腰が丸まらない様に気を付けて下さい。
今回紹介しましたTバーロウは難易度が高く、怪我のリスクもあります。ですので、初心者やトレ経験が浅い方にはおすすめ致しません。
中・上級者の方が行う場合でも最初は高重量で行わず、動作に慣れてから高重量を扱って下さい。
やり込む事で背中のレベルを1、2段引き上げてくれます!
パーソナルトレーニングのお問い合わせはこちらから
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
facebook https://www.facebook.com/ZealKenta/
【広告】