私が良く購入していたトレーニングのビデオシリーズがあります。それは『Battle For The Olympia』シリーズです。Topプロビルダーのオリンピアに向けたトレーニングが収録されています。
いろんな気付きが得られる内容なんです。その1998年版『Battle For The Olympia 1998』に収録されているIFBBプロビルダーChris Cormier氏の背トレで、コーチのCharles Glass氏が背中のトレーニングは角度が重要である旨を説明しています。
昔はこの説明にピンとこなかったんですが、今ではとても良くわかります。この図からも漠然とですが角度の重要性がわかると思います。
この図を見ますと、背中は色んな筋肉が多方向に走行している事がわかります。ですので、負荷を引く方向や角度によってアクティブに活動する筋肉に違いが生じることが想像できると思います。
本日はその一例としてインクライン・チェストサポーテッド・ラットプルダウンを紹介します。ベンチ角度を少し変えるだけで効く箇所が変わります。
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インクライン・ベンチサポーテッド・ラットプルダウン
インクラインベンチにうつ伏せになってラットプルダウンを行なう種目です。
通常のラットプルダウンと比較してバーを引きつける角度が微妙に変わるので、刺激が入る背中の箇所も変わります。具体的にはこうです。↓
インクライン角度45°くらい
インクライン角度45°程度でラットプルダウンを行います。(写真のHammer Strength製アジャスタブルベンチの場合、位置『5』にしています。)
この角度の場合、バーを引き切った際に広背筋上部が強く短縮する事がわかります。
刺激部位
広背筋上部。
この角度にすると広背筋種目になるので、バーを引く際はラットプルダウンでよくあるアドバイス『肩甲骨を寄せる』なんてものは意識せずに素直にそのままプルダウンします。
バーを引き切ったポジションで広背筋上部の短縮刺激を1回1回感じ取りながら行います。
インクライン角度55°くらい
インクライン角度55°程度でラットプルダウンを行います。(写真のHammer Strength製アジャスタブルベンチの場合、位置『6』にしています。)
この角度の場合、バーを引き切った際に『僧帽筋中部』『僧帽筋下部の上部繊維』が強く短縮する事がわかります。
刺激部位
僧帽筋中部
僧帽筋下部の上部繊維
この角度にすると僧帽筋種目になるので、バーを引く際は『肩甲骨を寄せる』を意識しながらプルダウンします。
バーを引き切ったポジションで『僧帽筋中部』と『僧帽筋下部の上部繊維』の短縮刺激を1回1回感じ取りながら行います。
『角度』を使いこなして背中を満遍なく刺激する
今回の種目はケーブルの高さやケーブルマシンとベンチの距離は同じで、インクラインの角度を変えただけです。しかもその角度差はアジャスタブルベンチ1段のみ。
ですが、効く筋肉の箇所は広背筋だったり僧帽筋であったりと大きな違いが生じるんです。
写真を比べてみます。
写真が示すようにベンチの角度を変えると、当然、負荷方向と体軸方向が成す角度も変わります。この角度の違いが広背筋上部と僧帽筋中部(及び下部の上部繊維)の鍛え分けに大きな影響を与えています。
(また、インクライン45°のラットプルで広背筋上部が効くのは、肩関節の内旋に対しても少しは負荷がかかるからだと個人的には考えています。)
背トレはこの角度が重要なんです。負荷方向と体軸方向が成す角度を使い分ける事で、背中の筋肉の鍛え分けや細かい部分を集中的に刺激する事が可能になります。
角度を使いこなすことで背中を満遍なく刺激できるという事です。これは背中の筋群のディテールやセパレーションを際立たせることにつながります。
負荷方向と体軸方向が成す角度を変える事で背中に効く部位が変わることは、今回の種目に限らず、他の種目でも同様です。
ですので、様々な種目でこの角度と背中の効く箇所の関係を実際に試し把握して上手く活用すれば、背中のエクササイズバリエーションは大きく広がりますし、今まで刺激が不十分だった背中の細かい部位まで意図的に刺激できるようになります。
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