本日紹介するケーブルカールは、ストレングスコーチChristian Thibaudeau氏が発案されたものです。『Rotated cable curl(ローテイテッド・ケーブルカール)』と名付けられています。
Christian Thibaudeau氏は、ストレングスだけでなく筋肥大についても精通していて、多くの情報を発信しています。
『ローテイテッド・ケーブルカール』を紹介すると共に、少し変更を加えた私なりの行い方も参考に紹介したいと思います。
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Christian Thibaudeau式ローテイテッド・ ケーブルカール
こんな感じです。↓
⇅
出典:T nation article Canadian Cannons
左右ケーブルに逆らって『脇閉め』と『前腕を内に寄せる』を常時行いながらケーブルカールをします。
(1)効かせる箇所
上腕二頭筋短頭(内側)がメイン。
出典:GETBIG.com Who Had the Best Biceps Ever??
(2)行い方
<開始準備>
大きいケーブルマシン(左右ケーブルの距離が長い)の両ハンドルを持って、マシンの中央かつ少し前方に立つ。
出典:T nation article Canadian Cannons
①カール動作
- 左右ケーブルによって、カール動作に対する負荷だけで無く、両腕を外に広げようとする負荷も働く。
- この両腕を広げようとする負荷に抗って『脇閉め(肩関節内転)』と『前腕を内に寄せる(肩関節内旋)』を維持しながらカールする。
- トップ位でも『脇閉め』と『前腕を内に寄せる』を維持する。
- トップ位で1~2秒間保持し、この間、上腕二頭筋に力を入れ続ける。
⇓
出典:T nation article Canadian Cannons
②戻す動作
- 『脇閉め(肩関節内転)』と『前腕を内に寄せる(肩関節内旋)』を維持しながら戻す。
- ボトム位でも『脇閉め』と『前腕を内に寄せる』を維持する。
- ボトム位は肘が伸びきる手前とする。
⇓
出典:T nation article Canadian Cannons
(3)利点
このケーブルカールの利点は上腕二頭筋短頭(内側)の緊張が高まり、かつその緊張が抜けること無くカールできる事です。
なので、上腕二頭筋短頭(内側)を重点的に刺激できるし、緊張が抜けないのでパンプさせる種目に適しています。
以上がChristian Thibaudeau式のローテイテッド・ケーブルカールになります。
上腕二頭筋短頭(内側)の緊張が高まり、かつそれが抜けない理由は左右ケーブルの負荷方向にあります。
この種目の左右ケーブル負荷方向は、斜め下方向なので下方だけでなく横方向にも負荷がかかります。この横方向の負荷は両腕を外に捻りながら左右に広げようとします(=肩関節の内旋と内転に負荷を掛ける)。
これに抵抗して上腕二頭筋が力を発揮しているおかげで(他複数の筋肉も関わっている)、両脇は閉じたまま、かつ両前腕は正面を向いたままの姿勢でケーブルカールができています。
上腕二頭筋は肘関節の屈曲作用(カール動作)がメインですが、肩関節の内旋・内転作用(腕を内に捻る、脇を閉じる動作)もサブとして持っているので、このケーブルカールは上腕二頭筋のサブ作用をアイソメトリクスで働かせながら主作用のカール動作を行なっていることになります。
実際に行なうとわかりますが、上腕二頭筋短頭(内側)の効きが顕著なので、恐らくですがサブ作用への関わりは上腕二頭筋の長頭(外側)よりも短頭(内側)の方が比較的強く関係しているのかもしれません。
そうであるとすれば、上腕二頭筋短頭(内側I)の筋緊張は高まり、かつそれが抜けない状態になります。
少し変更を加えて行う(私の行い方)
ローテイテッド・ケーブルカールを私やクライアント様が行う場合、Christian Thibaudeau式に少し変更を加えて行っています。
理由は、カール動作に対する負荷が極端に減ってしまうと感じるからです。
変更点は以下の2つです。↓
左右ケーブル間が狭いマシンを使う
マシン中央かつ少し後方に立つ
こんな感じです。↓
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①左右ケーブル間が狭いマシンを使う
左右にケーブルを持つマシンは、ケーブル間の距離が大きいものと狭いものがありますが、狭いものを採用します。
ケーブル間距離大きい⇒不採用
出典:LIFE FITNESS webサイト シグニチャー・シリーズ アジャスタブル・ケーブル・クロスオーバー・マシン
ケーブル間距離狭い⇒採用
出典:LIFE FITNESS webサイト シグニチャー・シリーズ デュアル・アジャスタブル・プーリー
この採用理由は、カール動作の負荷を極端に減らさないためです。
先に書きましたが、ローテイテッド・ケーブルカールは左右ケーブルの負荷を斜め下から掛けるので、『下方向の負荷=カール動作に対する負荷』と『横方向の負荷=腕閉じ・前腕寄せに対する負荷』に分かれます。
なので、通常のケーブルカールと比較するとどうしても『下方向の負荷=カール動作に対する負荷』が減ってしまいます。斜め下から負荷掛けしている以上、これは避けられません。
ですが、その減り具合はケーブルマシンの選択で調整できます。
ケーブル間距離が狭いマシンを選択すると、負荷方向が『斜め下方向』から『真下方向』に近づくので、『下方向の負荷減り=カール動作に対する負荷減り』を抑えることができます。
ケーブル間距離が大きいマシンを選択すると、逆に『横方向の負荷=脇閉め・前腕寄せに対する負荷』が増えてしまい、『下方向の負荷=カール動作に対する負荷』が極端に減ってしまいます。
これは私の中で本末転倒だと感じます。
ローテイテッド・ケーブルカールはカール動作が主役であり、上腕二頭筋短頭(内側)のアイソメトリクスを引き出すための脇閉め・前腕寄せは、あくまでも副次的存在だと認識しています。
筋肥大反応を引き出すには、ただ緊張しているアイソメトリクスより負荷の移動を繰り返すカール動作(筋肉に仕事をさせるということ)の方が適していると考えるからです。
ローテイテッド・ケーブルカールを行う際は、『下方向の負荷=カール動作に対する負荷』が極端に減らない様に注意する必要があると思っています。
②マシンの中央かつ少し後方に立つ
これはカールTop位の負荷抜けを防ぐためです。
Christian Thibaudeau式のように、マシンを背にして行うよりも上写真のような立ち位置で行う方が、カールTop位での負荷モーメントアーム長さが大きいので負荷抜けが防止できます。
私は、この種目はパンプ種目に適していると考えているので、『カールTop位で負荷が抜けないこと=筋肉が縮んだ時に負荷抜けしないこと』にも気を配ることが大切だと思っています。
そう思う理由は、筋肉が縮んだ時の負荷が大きいとパンプしやすいと思うからです。
筋肉が縮んだ時に負荷抜けしなければ、その筋肉が血液を絞り出す様に働いて虚血が促されますし、筋肉が縮んだ時は筋肉の結合組織の弾性力が働きにくいポイントなので、筋肉自体に負荷が掛かりやすくなると思います。
これらのことから、筋肉の短縮時に負荷が大きいと化学的刺激を与えやすくパンプが促進されると考えています。
以上の様な変更を加えて行っています。
最後に参考としてよく行なう反復スタイルを紹介します。↓
血流制限(BFR)カールとして行う
通常のように8~12RMの使用重量でセットを進めていくのもやりますが、個人的には、軽重量を用いて血流制限(BFR)カールとしてローテイテッド・ケーブルカールを行なうことが多いです。
このカールでは上腕二頭筋短頭(内側)がアイソメトリクスとして働くと説明しましたが、アイソメトリクスは血流を制限させることができます。
なので、道具を使わない血流制限(BFR)カールができることになります。
以下の反復スタイルで行なっています。↓
30回反復
(テンポは1反復1秒程度)
⇓
ボトム位で5秒休息
(脇閉め、前腕寄せを怠らないこと)
⇓
15回反復
(テンポは1反復1秒程度)
⇓
ボトム位で5秒休息
(脇閉め、前腕寄せを怠らないこと)
⇓
15回反復
(テンポは1反復1秒程度)
⇓
ボトム位で5秒休息
(脇閉め、前腕寄せを怠らないこと)
⇓
15回反復
(テンポは1反復1秒程度)
これを1セットと定義します。
セット間休息2分程度で3~4セット行います。
使用重量は、2セット目実施中にこれはヤバいと感じる重量で行ないます(基本的に全セット同重量で行なう)。
前腕負担も比較的大きいので、ハンドルの強い握り込みやカール時の手首の巻き込み(手関節屈曲)に注意下さい。
かなり強いパンプが上腕二頭筋(特に内側)に得られ、腕橈骨筋にも効きます。
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