皆さんはトレーニングツール『スリングショット(SLING SHOT)』をご存知でしょうか?これです。↓
出典:Mark Bell Sling Shotチャンネル Original Slingshot
動画の様にスリングショットは、その弾性でベンチプレスやディップスのボトム域を補助してくれるツールです。
アメリカ製ですが、日本正規販売店があるので国内でも購入できます。↓
肩に問題を抱える方や、ベンチプレス、ディップスで過負荷を掛けたい方に役立つ優れたツールです。私も目的に応じて使いますし、肩に問題を抱えるクライアントの方にも購入頂いてパーソナルで使用しています。
本日は、安価な代替法を紹介します。ですが、やはり本家であるスリングショットの方が、当然ですがよく練られているツールで優れていますので、スリングショットの方がオススメです。
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スリングショットの代替法
今から紹介する代替法は、Untapped Strengthチャンネルさんの動画で知りました。これです。↓
出典:Untapped Strengthチャンネル No Slingshot, No Problem | Increase Your Bench INSTANTLY!
一般的なエクササイズチューブ(主用途は懸垂補助)を折って二重し、それで両上腕上部から下部を囲います。
①チューブを二重にする
出典:Untapped Strengthチャンネル No Slingshot, No Problem | Increase Your Bench INSTANTLY!
⇓
②二重にしたチューブで腕囲う
出典:Untapped Strengthチャンネル No Slingshot, No Problem | Increase Your Bench INSTANTLY!
⇓
セット完了
出典:Untapped Strengthチャンネル No Slingshot, No Problem | Increase Your Bench INSTANTLY!
上腕を囲ったチューブの弾性がベンチプレスのボトム域を補助してくれます。
出典:Untapped Strengthチャンネル No Slingshot, No Problem | Increase Your Bench INSTANTLY!
素晴らしいアイデアです。Untapped Strengthチャンネルに感謝します。
私はこの代替法も活用します。その場合に使用しているエクササイズチューブは以下になります。↓
赤色チューブより黒色チューブの方が弾性力が強いです(赤色より黒色の方が、ベンチプレスボトム域の補助力が大きい)。
この代替法を活用する場合は、まずは赤色チューブで試して、必要に応じて黒色チューブへ移行することをお勧めします。
先にも書きましたが、スリングショットがお勧めです。
代替法では、弾性力がより強いチューブになると、腕の不快感が気になり(超)高重量ベンチに対応できない場合がありますし、セッティングが意外と難しくなる場合もあります(毎度腕の定位置にチューブを配置することが難しい)。
こういった点がスリングショットで解消されます。
ちなみに、スリングショットは長く使用するとほつれてきます。ですが、使い勝手や使用感に変わりありませんので気にせず使用しています。
スリングショットや代替法の使用目的について
スリングショットや今回の代替法をベンチプレスに活用する事は、ボディメイクトレーニングにおいても有効だと考えています。その使用目的は『肩の怪我予防』『過負荷による筋繊維動員の増加』になります。
肩の怪我予防
ベンチプレスの可動域で、肩関節(肩甲上腕関節)の負担や不安定性が高まる位置はボトム位になります。
ボトム位は、肩関節(肩甲上腕関節)の安定性を保つ関節包・靭帯・骨格筋に負担がかかり(引き伸ばされる)、急性又は慢性の傷害を受けるリスクが高まります。
また、ボトム位は小さい関節である肩鎖関節にも負担がかかり(引き離される)、この安定性に関わる靭帯や骨格筋に炎症を起こすリスクもあります。
スリングショットや今回の代替法は、上記の様な引き伸ばしや引き離しの負担に抗ってくれるので、高重量ベンチプレス実施時や肩に不安を抱える方の肩傷害予防になります。
既に肩の問題を抱え、それが理由で全域のベンチプレスが出来なかった方が、スリングショットや代替法の活用によってボトム位までバーベルが下ろせる様になったり、ボトム位での肩の痛みが軽減したり、改善事例を多く経験しています。
私自身は次項の使用目的でスリングショットや代替法を活用する事が殆どです。
過負荷による筋繊維動員の増加
私にとって、ベンチプレスは大胸筋に伸張刺激を与える種目だと考えています。ですので、挙げる際の動作や効き感より、下ろす際の動作や大胸筋への負荷乗りを重視して実施する事が殆どです。
ですが、大胸筋に与える短縮刺激重視で行なう場合もあり(このブログでも幾つか紹介しています)、その実施バリエーションの1つとしてスリングショットや代替法をベンチプレスに活用します。
その場合の使用目的は、ベンチプレス挙上時に大胸筋の短縮性筋収縮レベルを増大させることです(ベンチプレス挙上時に大胸筋の筋繊維を多く動員させること)。
各エクササイズの筋力発揮特性(関節角度によって力発揮能力が異なる)は3タイプあります。それは『上昇型』『下降型』『釣鐘型』です。
ベンチプレスは『上昇型』で、挙上動作の前半は弱く、後半でより大きい負荷を挙げることが可能なエクササイズです。
皆さん、経験も見たこともあると思います。
あまり下げずに行うパーシャルレップ(トップ位域の反復)のベンチプレスは、いつものフルレンジの場合よりも高重量が扱えますが、ボトム位まで下ろして反復できないですよね。
通常のベンチプレスの使用重量は、挙上可動域内の最も弱い位置の筋力(ボトム位の筋力)で決まるんです(決めているんです)。
従って、通常のベンチプレスの短縮刺激(挙上時に得る刺激)は低いですし、大胸筋の筋繊維動員も大して大きいものではありません。
では、ベンチプレスの使用重量の決定を挙上可動域内の高い位置の筋力(トップ位域の筋力)で決め、スリングショットや代替法を使用してベンチプレスを行なうとどうでしょうか?
力発揮が弱い挙上開始エリアはスリングショットによる適度な補助が入り、その後はスリングショットの補助がなくなる(伸びが戻り弾性力が無くなる)ので、通常ベンチプレスより重い使用重量を自力で挙上することになります。
これは、通常のベンチプレス使用重量より重いにも関わらず全可動域をとりながら、力発揮が強い可動域では過負荷がかかる挙上になるということです。
というように、スリングショットや代替法を活用したベンチプレスは、通常のベンチプレスよりも高い短縮刺激(挙上時に得る刺激)になり、大胸筋の筋繊維動員も大きくなります。
この後、伸張刺激を重視した種目も行うとより良いですね。
念のため書きますが、通常のベンチプレス使用重量でスリングショットを使用しても、本目的においては意味がありません(ボトム位の肩痛予防や軽減でしたら意味があります)。
また、通常時の使用重量より重くしてトップ位域のパーシャルレップで良いのではないかと思われるかもしれません。これは勿体なく、より筋肥大できる可能性を低くしてしまうと考えます。筋肉が伸びた位置での負荷掛けや力発揮は筋肥大を促進する可能性があるからです。
スリングショットや代替法のベンチプレスは、全可動域をとりながら行えるところもミソになります。
ここで重要なのは、スリングショット又は代替法チューブの選択です。選択したそれらの弾性力が強すぎれば挙上開始エリアの補助が過大となり、大胸筋が伸びた位置での負荷掛けや力発揮がかなり減少してしまいます。
弾性力が小さいスリングショットや代替法チューブから試す事をお勧めします。
以上、スリングショットや代替法によるベンチプレスはボディメイクトレーニングでも有効で、実施バリエーションになり得る行い方だと考えています。
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
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