先日、大学時代の後輩と久しぶりに会いました。
柔道のフィジカルトレーニングについてアドバイスとフォームチェックをするためです。
彼は、現役の柔道家であり、若手柔道家の指導者であり、教師でもあります。
懐かしく、楽しい時間でしたが、申し訳ない気持ちも湧いてきました。。。
さかのぼる事、大学時代。
トレーニングで体が変わってきた私は、人に教えたくなりました。笑
"ワークアウトサークル"なるものを立ち上げ、学内にメンバー募集のポスターを
貼りまくり。
そして、第1号のメンバーが彼でした。
その後、思っていた以上にメンバーが集まり、トレーニングのなんちゃって指導を開始したのです。。。
酷いもんです。目も当てられません。薄っぺらい指導でした。笑
知識・経験も不十分で科学的根拠の裏付けを疎かにしていた私は、
”とにかくトレーニング刺激が強いほど、筋肉は発達する!”
といった考えでMadなトレーニングを与えていたのです。。。
その被害者が彼なのです! ごめんなさい。。。
今では、この考え方を改めた事で、トレーニングプログラムの組み立て方も変わりました。
今日は、以前の考え方を改めて得たコンセプトについて書きます。
あくまで考え方の1つであり、絶対ではないですが、
ボディメイクに取り組む方のヒント、参考になれば幸いです。
伝えたい要点
- 筋肉痛や筋ダメージが大きいほど、より筋肥大するわけではない。
- 筋発達のスイッチが入る必要最低限の刺激に留め、とっとと回復させる。これを数多く繰り返す事の方が良いと思われる。
無駄に強い刺激!?
昔の私は、筋肉痛が大きいほど筋肥大すると思っていました。
各部位のトレーニングで多数の種目・セット数をこなし、
強度を高めるテクニックを乱用し、
"いかに強い刺激を与えるか"
"トレーニングをよりハードにするにはどうするか"
という事がトレーニングのテーマだったのです。
”筋肉に強烈なダメージを与えれば、回復に時間がかかっても得られる筋量は大きい!”
と考えていましたが、必ずしもそうでは無いと知ったのです。
(ショックで悲しくなった事を覚えています。それまでやってきた取り組みが完全否定されたように思えて。)
トレーニング刺激により筋発達のスイッチが入ったら、
それ以上の刺激(それ以上のセット・種目・高強度テクニックの実施)は
浪費になるのです。
言い換えますと、ボディメイクのトレーニングでは、
その日のトレーニングで必要最低限の刺激(=筋発達のスイッチが入る刺激)だけ入れれば良いのです。
最近の研究でも、これに関するものが発表されています。
Damasさん達の研究で、トレーニング後の筋肉痛と筋ダメージのレベルが高いより、低い方が筋肥大する結果となりました。(筋生検による筋横断面積で評価)
この研究から、強すぎる刺激は、筋成長を最大化しないということが言えます。
Kriegerさんのメタ分析では、セット数の増加に伴う筋肥大の効果について分析しています。
1セットより2~3セットの方が有意に筋肥大効果がありました。
2~3セットと4~6セットでは、統計的に有意差はないものの4~6セットの方が、筋肥大効果が増す傾向にあるようです。しかし、その筋肥大効果の増え幅は小さくなっています。
この結果は、各部位のトレーニングにおいて、セット数が少ないのも問題ですが、
多いセット数や多種目の実施も効果が頭打ちにむかう事を意味しています。
これらの研究からも、
効率よく筋発達を得るための、最適な刺激の程度(=必要最低限の刺激)がある
という事がわかります。
しかし、これは人によって異なります。
自分の"必要最低限の刺激"を見つけることが非常に重要と考えます。
筋成長を早めるためのコンセプト
強すぎるトレーニング刺激は、それに見合った筋量の増加が得られないにも関わらず、筋肉のダメージが大きいため、回復に多くの時間を要します。
一方、必要最低限のトレーニング刺激は、比較的短時間で回復します。
回復が早い必要最低限の刺激を与えるトレーニングは、
トレーニング→回復→筋肥大のサイクルを数多くこなすことができるので、
効率よく短期間で筋発達がなされると考えられます。
少し具体化しますと、
強すぎるトレーニング刺激では、回復に時間を要するので、各部位で1週あたりのトレーニング回数が減ります。だいたい週1回くらいでしょうか。
必要最低限のトレーニング刺激では、回復時間が早いので、各部位で1週あたりのトレーニング回数を増やすことができます。週2~3回くらいでしょうか。
ちょっと下の数を見てください。
各部位を週1回トレ:各部位を年52回トレ
各部位を週2回トレ:各部位を年104回トレ
各部位を週3回トレ:各部位を年156回トレ
この回数は、筋肥大できる回数または筋肥大できるチャンスの数と言えます。
年間で、これだけの差が生じるのは、もったいないと感じます。
まとめますと、
ボディメイクのトレーニングでは、筋発達のスイッチが入る必要最低限の刺激に留め、とっとと回復させる。これを数多く繰り返す事が効率よく体を変える近道だと思っています。(またいつの日か考えが変わるかもしれませんが。笑)
この考えは良いかもしれないと思えるSchoenfeldさん達のメタ分析では、
週ベースのトレーニングボリュームが同じで、各部位を週1回トレーニングした場合と週2回トレーニングした場合とでは、週2回の方が筋肥大効果が高い
という結果が得られています。
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