ボディメイクトレーニングには、様々な反復スタイルがあります。
その中の1つに『1.5レップ法』又は『1 1/2レップ法』と呼ばれる手法があり、目的によって、いくつかの実施バリエーションに分けられます。
本日は1.5レップ法の主な実施バリエーションを紹介すると共に、個人的によく行っている実施バリエーションも紹介します。
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1.5レップ法について
1.5レップ法とは、フルレンジ反復とパーシャル反復(フルレンジの半分)を組み合わせた反復スタイルで、以下になります。
1.5レップ法の1反復
=フルレンジ1反復+パーシャル1反復
具体例はこんな感じです。↓
例:ハックスクワット
出典:Mark Dugdaleチャンネル 1.5 Hack Squats 8.16.14
この動画の反復回数は、1.5レップ法でいうと8回になります。
1.5レップ法の私の解釈は、1反復中の筋緊張時間を延長することが主目的で、さらにサブ目的によっていくつかの実施バリエーションに分けられると考えています。↓
1.5レップ法の主な行い方は、【バリエーション1】短縮域側1.5レップ法と【バリエーション2】伸張域側1.5レップ法になります。【バリエーション3】伸張域側カウンター式1.5レップ法は個人的に行っているもので、次項で説明します。
この項では主な行い方である【バリエーション1】と【バリエーション2】を紹介します。
【バリエーション1】:短縮域側1.5レップ法
筋肉の短縮域側のパーシャル反復を組み込んだ行い方で、短縮域側1.5レップ法の1反復は、フルレンジ1反復+短縮域側パーシャル1反復になります。具体例はこちら。↓
例1:ヒップスラスト
短縮域側1.5レップ法で8回
出典:Ben Brunoチャンネル Hip Thrusts ("1.5" Reps)
例2:ダンベル・サイドレイズ
短縮域側1.5レップ法で8回
出典:Ben Brunoチャンネル Lateral Raise (1.5 Reps)
例3:チューブカール
短縮域側1.5レップ法で3回
出典:Kia Khademチャンネル 1.5 Rep Band Bicep Curl
実施目的について
私が短縮域側1.5レップ法を採用する目的は先に書いたとおり、1反復中の筋緊張時間延長が主目的ですが、副次的な目的もあって、それはパンプ促進です。
後で示す【バリエーション2】伸張域側1.5レップ法や【バリエーション3】伸張域側カウンター式1.5レップ法よりも筋肉の短縮機会が多く、血液を絞り出すのでパンプ促進(筋内低酸素、代謝産物蓄積)が期待できると考えています。
種目選択について
上記の副次的な目的に注視すると種目選びも大切で、私が短縮域側1.5レップ法を採用する場合、筋肉の短縮位で負荷が抜けない種目又は筋肉の短縮位で最大負荷がかかる種目を選択しています。
種目例としては、ヒップスラスト、DBサイドレイズ、チューブカールなどが挙げられます。
【バリエーション2】:伸張域側1.5レップ法
筋肉の伸張域側のパーシャル反復を組み込んだ行い方で、伸張域側1.5レップ法の1反復は、フルレンジ1反復+伸張域側パーシャル1反復になります。具体例はこちら。↓
例1:ベンチプレス
伸張域側1.5レップ法で3回
出典:Performance Uチャンネル Dumbbell Bench Press: 1.5 Reps
例2:ハックスクワット
伸張域側1.5レップ法で8回
出典:Mark Dugdaleチャンネル 1.5 Hack Squats 8.16.14
実施目的について
私が伸張域側1.5レップ法を採用する目的は先に書いたとおり、1反復中の筋緊張時間延長が主目的ですが、副次的な目的もあって、それは筋伸展位収縮の強調です(筋肉が伸びた位置で収縮する事を強調する)。
先に示した【バリエーション1】短縮域側1.5レップ法よりも筋肉伸展位の収縮機会が多いバリエーションです。
筋肉の伸展位側での負荷掛けと筋収縮は、筋肥大を促進する可能性があると考えています。
種目選択について
上記の副次的な目的に注視すると種目選びも大切で、私が伸張域側1.5レップ法を採用する場合、筋肉の伸展位で負荷が抜けない種目又は筋肉の伸展位で最大負荷がかかる種目を選択しています。加えて、その種目の体勢が対象筋をよく伸展させるものであれば尚良いです(危険度が高いものは採用しない)。
種目例としては、、ベンチプレス、スクワットなどが挙げられます。
以上が1.5レップ法の主な実施バリエーションになります。
伸張域側カウンター式1.5レップ法
最後に私が良く行う1.5レップ法である【バリエーション3】伸張域側カウンター式1.5レップ法を紹介します。初心者の方やトレーニングに不慣れな方は行わないでください。また、下半身種目には採用していません。
これは、【バリエーション2】伸張域側1.5レップ法に瞬発動作を入れ込んだもので、伸張域側パーシャル反復からフルレンジ反復への移行を瞬発的に行うものです。具体例はこちらになります。↓
例1:サムダウン・Lying DBサイドレイズ
(肩側部と後部狙いのLyingサイドレイズ)
これを1反復と定義します。
例2:Lyingトライセプスextension
これを1反復と定義します。
上記の例のように、伸張域側カウンター式1.5レップ法では落下する負荷(加速され落ちる負荷)を反対方向へ打ち返す動作を入れます。
これは筋の強い力発揮を必要とするので多くの筋繊維が動員されます。
打ち返し動作で私がイメージしているのは、ボクシングのカウンターパンチです。ボクサーが相手を十分に引きつけて強烈なカウンターパンチを放つイメージです。
この種目でいうと、伸張反射が発動しない(又は発動してもその程度が小さい)ギリギリのところまで落下する負荷を引きつけて(負荷を落として)、最大努力で一気に打ち返す。こういったイメージで1回1回行います。
打ち返すタイミングが早いと、負荷の加速が極少なので強い筋収縮が引き出せません。打ち返すタイミングが重要な行い方です。
※補足:伸張反射の採用について
上記の様に『随意的な最大努力の力発揮で打ち返す』のでは無く、『伸張反射で切り返す』という行い方もできます。伸張反射の利用も筋活性させる手段の1つなので悪くありませんが、これは採用していません。
以降は私感ですが、伸張反射による切り返しは、その瞬間は高い筋繊維動員が引き出せるでしょうが、切り返し後が楽すぎる感があります(開始位置まで負荷を楽に戻せる)。一方、採用している随意的な最大努力の打ち返しは、その瞬間も、その後も(開始位置まで負荷が戻る)筋肉に力が入り続ける感があり、高い筋繊維動員の状態が比較的長く続く様に思いまいます。
なので伸張反射に頼らない随意的な最大努力の打ち返しを採用しています。
実施目的について
伸張域側カウンター式1.5レップ法を採用する目的は先に書いたとおり、1反復中の筋緊張時間延長が主目的ですが、副次的な目的もあって、それは筋伸展位収縮の強調(筋肉が伸びた位置で収縮する事を強調する)と筋繊維動員の増加です。
【バリエーション1】短縮域側1.5レップ法よりも筋肉伸展位の収縮機会が多く、【バリエーション2】伸張域側1.5レップ法よりも筋繊維の動員が高いバリエーションだと考えています。
高い筋繊維動員は筋肥大要因『メカニカルテンション』に関わります。また、筋肉の伸展位側での負荷掛けと筋収縮は筋肥大を促進する可能性があると考えています。
種目選択について
伸張域側カウンター式1.5レップ法は、下半身種目に採用していません。危険だと感じるからです。上半身種目においては、上記の副次的な目的に注視し、筋肉の伸展位で負荷が抜けない種目又は筋肉の伸展位で最大負荷がかかる種目に採用しています。
その種目の体勢が対象筋をよく伸展させるものであれば尚良いです(危険度が高いものには採用しない)。
最後に、伸張域側カウンター式1.5レップ法に組み込んで行っている追い込み法を紹介します。↓
追い込み例:ネガティブレップの追加
以下の様に、伸張域側カウンター式1.5レップ法で限界に達したら、休まず一連の流れでネガティブレップを追加します。↓
例1:サムダウン・Lying DBサイドレイズ
伸張域側カウンター式1.5レップ法で限界反復
⇓休まず一連の流れで
ネガティブレップ限界反復
(等速4秒で下ろせなくなるまで)
例2:Lyingトライセプスextension
伸張域側カウンター式1.5レップ法で限界反復
⇓休まず一連の流れで
ネガティブレップ限界反復
(等速4秒で下ろせなくなるまで)
かなり効きます。
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