今回ご紹介する行い方は、トレ歴が長いトレーニーから見放されるウェイトスタック式レッグプレスマシンに『もう一度、日の目を』と思ったことがきっかけで出来たものです。見放されるウェイトスタック式のレッグプレスマシンとはコレです。↓
【シートが動くタイプ】
出典:Life FitnessTrainingチャンネル Insignia Series Seated Leg Press
【プラットフォームが動くタイプ】
出典:fitocracyチャンネル Seated Leg Press
【ホリゾンタル・レッグプレスマシン】
出典:INTRAFITT Fitnessチャンネル Horizontal Leg Press & Calves
初心者の頃、散々お世話になったのに(笑)、今ではスルーの方も多いと思います。使用重量が足りなくなる事が主な理由かもしれません。
ですが、これらマシンの利点『重量を直ぐに変えれる』とヘビーデューティトレーニングの手法(以下HDTと略称)を組み合わせる事で、強烈に大腿四頭筋を刺激する事ができます。
また、このタイプのレッグプレスマシンはトレ歴が長い方はほとんど使いませんし、初心者の方によく使われますが、占有時間が短いですからプレートローディング式のレッグ系マシンが空いていない時に今回の行い方は重宝します。
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HDT式『事前疲労法』をレッグプレスマシン1台でやっちゃう
今回の行い方は、HDT式の事前疲労法を取り入れています。
大腿四頭筋のHDT式『事前疲労法』は以下の様に行われます。
レッグエクステンション限界実施
(単関節種目:事前疲労)
↓できるだけ休息入れず直ぐに
レッグプレス限界実施
(多関節種目)
HDT式『事前疲労法』では、出来るだけ間髪入れずに単関節種目→多関節種目を行なう事も重視してるので、こんなマシンを活用して行うのが理想のようです。↓
出典:HIT4120チャンネル Mike Mentzer's HIT: Legs - Part II
レッグエクステンション・マシンとレッグプレスマシンが一体になったマシンです。こんな大がかりなマシン、日本は勿論ですけど本場アメリカでもめったにない代物です。
ですので、もし行うとしたらレッグエクステンション・マシンとレッグプレスマシンの2台を独占しつつ、どんなに頑張っても休息時間が生じてしまいますが、マシン間を駆け巡り(笑)、行なう事になります。少なくとも日本のジムでは非現実的であり、気が引けますよね。。。
そこで、ウェイトスタック式レッグプレス1台でレッグエクステンションとレッグプレスをやっちゃおうというのが今回のやり方です。
これにより、『マシン1台で済む』『間髪居入れずに2種目できる(上動画マシン並み)』が実現できます。こんな感じです。↓
出典:Gym Professorチャンネル Sissy Leg Press(上)、fitocracyチャンネル Seated Leg Press(下)
詳細は以下です。
step
1代用レッグエクステンションの実施
【事前設定】
出典:Gym Professorチャンネル Sissy Leg Press
【開始位置】
出典:Gym Professorチャンネル Sissy Leg Press
【反復実施】
出典:Gym Professorチャンネル Sissy Leg Press
step
2ウェイトスタック重量を直ちに変更
代用レッグエクステンション終了したら、休まず直ぐにレッグプレス用の重量に変更する。(重量変更が直ちに行えるのがウェイトスタック式の利点です。)
step
3レッグプレスの実施
重量を変えたら、直ぐに以下要領でレッグプレスを行なう。
【開始位置】
出典:fitocracyチャンネル Seated Leg Press
【反復実施】
出典:fitocracyチャンネル Seated Leg Press
これで1セットになります。次に、使用重量や反復回数について説明します。
使用重量と反復回数
【代用レッグエクステンション】
以下の行い方で限界反復6回の重量を設定。
8回できるようになったら、次回トレで重量を増やす。
等速4秒で戻す
↓
ボトム位で2秒保持
↓
等速2~4秒でエクステンション
(膝が伸びきる手前まで)
【レッグプレス】
以下の行い方で限界反復6回の重量を設定。
8回できるようになったら、次回トレで重量を増やす。
等速4秒で戻す
↓
等速2~4秒で押す
(膝が伸びきる手前まで)
両種目とも漸進性の原則を重要視し、行い方やフォームを維持したまま前回の反復回数を上回るように取り組みます。
セット数ですが、HDTでは、その種目で行なうセット数は1セットのみです。『1セットしかやらない』のではなく、『1セットしかできない』出し切るトレーニングを目指す考え方です(複数セットの場合、全セットこなそうと無意識下で余力を残してしまう)。
そうでんですが、私の場合、十分なセット間休息をとって複数セット行う場合が多いです。1セットしかできないほど集中して出し切ること、そのレベルに達していないんですね。(笑)
総負荷量も重要視したいのもあり、柔軟に考え、それで良しとしています。
HDT式『事前疲労法』に対する私の解釈
恐縮なんですが、HDT式『事前疲労法』に対する現時点の私なりの解釈を書いておこうと思います(今後、考え方が変わることもあります)。
HDT式『事前疲労法』は、単関節種目を限界まで実施した後、できるだけ間をあけず多関節種目を限界まで行う方法です。
『事前疲労法』と聞くと、先に行なう単関節種目が下ごしらえで、後に行なう多関節種目が主役という印象を受けます。
実際、事前疲労法の説明をみると、『多関節種目で補助筋群の疲労により運動停止になる前に、主動筋をしっかり刺激する目的で事前に単関節種目を限界まで行う』となっています。
ですが筋電図研究をみると、この場合、多関節種目のみの場合と比較して多関節種目時の主動筋の筋活動は減ってしまう傾向にあります(例えばAugustssonさん達の研究)。
これは単関節種目で疲労してしまい、多関節種目では補助筋群に頼ってしまう(逃げてしまう)という事かもしれません。
(個人的に興味があるのは、被験者がレベルの高いボディビルダーであった場合、『追い込み』に長けているので違った結果になるのか、気になるところです。)
HDT式『事前疲労法』では多関節種目の主動筋の活動は期待するほど高くない可能性があります。多関節種目時の使用重量も減ってしまいますしね。
ですので、多関節種目で筋肥大要因のメカニカルテンション(筋肉に強い張力を発生させる=多くの筋繊維を動員させる)を得る事を狙ったトレ手法として、HDT式『事前疲労法』を選択する事は最良ではないかもしれません。
やっとこの項の本題ですが、HDT式『事前疲労法』の私の解釈は、単関節種目が主役で多関節種目がサブであり、筋肥大要因の代謝ストレス(代謝産物の蓄積、筋内低酸素状態)を得る事が主な目的で、他にも、そのセットにおける筋緊張時間の延長や総負荷量の増加を狙ったトレ手法だと考え採用しています。
単関節種目で対象筋を出し切り、後に続く多関節種目の補助筋群のサポートを受けて、筋活動が減ろうが少しでもいいから対象筋をさらに使ってやろうという感じです。
ちなみにですが、追い込まない程度の単関節種目実施直後に多関節種目を実施すると、多関節種目実施時の主動筋の筋活動が増えるようです(Valdinar Juniorさん達の研究)。
過去記事でも紹介しましたが、アクチベーション種目として単関節種目を行うという事です。多関節種目を主役とした『事前疲労法』の行い方と言えます。
HDTについて説明させて下さい
HDTを知らない方のために、また、個人的にHDTの影響を大きく受けた事もあり、敬意を持って説明させて下さい。
HDTは、アーノルド・シュワルツェネッガーさんの最大のライバル、マイク・メンツァーさんによって確立されたトレーニング手法です。
出典:Enduring Aestheticsチャンネル Mike "Mr. Heavy Duty" Mentzer - Motivational Tribute
Mr.オリンピアを6連覇したドリアン・イエーツさんやアーロン・ベイカーさんが、この手法を取り入れていたこともあり、90年代に流行しました。
出典:NicandroVisionMotivationチャンネル THE MASS GAME - IT'S NOT FOR EVERYBODY - DORIAN YATES MOTIVATION
出典:Great Physiquesチャンネル Great Physiques - Aaron Baker - Bodybuilding & Fitness Motivation
日本では、マイク・メンツァーさんから直接指導を受け急成長された安田強さんが、HDTを日本に広めて下さいました。
出典:VHS『カルフォルニアへの道』
最近では、K-1で有名な角田信明さんがHDTを取り入れ、ボディビルダーとして活躍しています。↓
出典:mt DNAチャンネル 2017 日本クラス別ボディビル選手権 No.83 角田信朗選手 フリーポーズ
私も学生時代にHDTの存在を知り、興味のままHDTをより知っていく過程で沢山の気付きや知識を得ていました。
トレーニング強度や回復の重要性、『フォースドレプス』『レストポーズ』『ネガティブ法』『スロートレーニング』『事前疲労法』『ピークコントラクション法』等々の各種トレーニングテクニック、筋肉の緊張が抜けないストリクトstyleで反復回数や使用重量を伸ばしていく事の重要性、数々の事をHDTのおかげで学ぶ事ができたんです。
実際のトレーニングでも影響が出て、1回1回の反復を大切に行い、そのセットで出し切ろうとする姿勢が身に付きました。この時期があったからこそトレーニングの質が格段に向上したと思っています。
HDTを指導してくれるジムが日本にはあります。大阪にあるジャングルジムSPORTSさんです。HDTに興味のある方は是非行ってみてください。ビジター制度もあり、パーソナルトレーニングで本格的なHDTが受けられます。
私も持っていますが、ジャングルジムSPORTS代表の小川淳さんがHDTの書籍をだされています。HDTの手法やマインドセットについて具体的に纏められています。↓
そして、ここ札幌でもB-ONEさんでHDTを指導してくれます。オーナー拘りのマシンがズラリと並ぶハードコアなジムです。
パーソナルトレーニングのお問い合わせはこちらから
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
札幌パーソナルトレーニングZeal-K
facebook https://www.facebook.com/ZealKenta/
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