お客様からサプリメントについてご質問を受けました。
その名は「HMB」。英字の略語です。
正式名は、「βヒドロキシβメチルブチレート」。すらすら読めませんね。笑
本日は、このHMBについて書こうと思います。
伝えたい要点
- HMBは筋力・筋肥大に効果的なサプリメント。
- トレーニング実践者が効果を得るには高強度トレーニングが必要。
- その強度は、MAX重量の90%やネガティブトレーニングなどの高重量。
- 摂取量はトレーニングする、しないに関わらず毎日3~6gを摂取。
- 摂取タイミングは、1日当たりの摂取量を、食間や食後に1日3~6回に分けて摂取。
- トレーニング日は、1日当たりの摂取量の半分をトレーニングの30~90分前に摂取。
- クレアチンと併用すると、筋力・筋肥大の効果が向上。
- 所詮はサプリメントであり、食事による基本栄養の摂取を疎かにしない。
HMBとは?
先程もいいましたが、正式名はβヒドロキシβメチルブチレート。
アミノ酸の1種であるロイシンの代謝産物です。
※代謝産物:体内で物質が化学変化を受けて生じる物質。
エルゴジェニックエイド・サプリメントとして、最近、日本でもトレーニング愛好家の方に人気があります。
※エルゴジェニックエイド:
サプリメントはダイエタリーとエルゴジェニックエイドの2つに分類できます。エルゴジェニックエイド・サプリメントはパフォーマンスに影響する可能性のある栄養素や成分の補助食品です。ダイエタリー・サプリメントはタンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの基本的栄養の補助食品です。
HMBの効果的な摂取量は1日あたり最低でも3gが必要と言われています。
HMB 2.4gを食品からとる場合、牛乳では17L !。卵では66個!!!が必要となるそうです。
食品からHMB 3gを摂ることは、非常に難しいです。。。
こういう時こそ、サプリメントの活用です!
何か。。。どうでもいい情報でしたね。ボディメイクの観点から、肝心の効果・摂取方法を下記致します。
HMBの効果
結論から言いますと、筋力・筋肥大の増大に効果が期待できます!
そのメカニズムは、HMBの下記の作用によるもののようです。
筋肉の合成(筋タンパク質合成)の促進。(Eleyさん達の研究)
筋肉の分解(筋タンパク質分解)の減少。(Smithさん達の研究)
損傷した筋組織(筋線維膜)の修復に必要なコレステロールの合成に関わる物質を提供する。(Wilsonさん達のレビュー)
このように、HMBの筋力・筋肥大の増大に貢献する作用が示されています。
さらに、実際にトレーニングに対するHMBの効果を検証した研究もあります。
Pantonさん達の研究で、様々なレベルの男女のトレーニング実践者を対象に、4週間の高強度トレーニング中のHMB効果が調査されました。
この研究によると、HMBを摂取したグループはプラセボ(有効成分を含まない偽薬)を摂取したグループと比べて、
体脂肪が減少(HMB群 -1.1%、プラセボ群 -0.5%)
ベンチプレスの筋力が向上(HMB群 7.5kg、プラセボ群 5.2kg)
除脂肪体重(筋量)が増加(HMB群 1.4kg、プラセボ群 0.9kg)
という結果が得られています。
また、Nissenさん達の研究で、トレーニング実践者を対象に、7週間の高強度トレーニング中のHMB効果が調査されました。
この研究も、HMBを摂取したグループは非摂取のグループと比べて、筋力向上や除脂肪体重(筋量)の増加という結果が得られています。
これらの研究で大切な共通点は、トレーニングが高強度である点です。
よってトレーニング実践者がHMBの効果を得るには、筋を損傷・消耗させる高強度トレーニングを行う必要があります。
その強度とは、反復回数が自力で3~5回しかできない高重量(MAX重量の90%ほど)のようです。また、筋損傷しやすいネガティブトレーニングにも効果が期待できます。
実は、webなどでHMBは、トレーニング実践者には効果がない・薄いという情報をちらほら目にします。
これは、上記のような高強度トレーニングを行っていないことが理由として考えられます。
さらに、トレーニング未経験者がトレーニングを始めた場合にも、筋力・筋肥大の増大効果があると、多くの研究で示されています。(前出のWilsonさん達のレビュー)
この場合のトレーニング強度は、MAX重量の80%程度でよいようです。
以上のことから、HMBはボディメイクに有効だと考えます!
HMBの摂取方法
Wilsonさん達の研究、Nissenさん達の研究、Gallagherさん達の研究などから、以下の摂取方法が良いと思います。
摂取量
トレーニングする・しないに関わらず1日あたり3~6gを毎日摂る。
摂取タイミング
<トレーニング日>
1日当たりの摂取量の半分をトレーニングの30~90分前に摂取。残りは食間や食後に、1~2回に分けて摂取。
トレーニング前に摂取することで、筋肉痛・筋損傷が低減します。
<トレーニングしない日>
HMBの血中濃度が半減するまでの時間は2~3時間と短いことから、小分けして摂取する方がよいので、1日当たりの摂取量を、食間や食後に1日3~6回に分けて摂取。
おすすめ品
<2018.11.24追記>
私のクライアントの変化を見ると、
こっちの遊離型HMBが良い(かも)。↓
さらに効果的な摂取方法
Jówkoさん達の研究から、HMBはクレアチンと組み合わせて摂取することで、その効果が向上するようです。
この研究では、「クレアチンのみ摂取」、「HMBのみ摂取」、「クレアチンとHMBを摂取」のグループにわけて、3週間後の除脂肪体重と筋力の変化を比較しています。
その結果は下記のとおりです。
除脂肪体重(筋量)
クレアチンのみ:0.92kg増
HMBのみ:0.39kg増
クレアチンとHMB:1.54kg増
筋力
クレアチンのみ:39.1kg増
HMBのみ:37.5kg増
クレアチンとHMB:51.9kg増
※上記の数値は、実験で実施した各エクササイズの使用重量の増加分を合計した値。
この結果から、クレアチンとあわせてHMBを摂取するとよいと思います!
<クレアチン>
クレアチンモノハイドレートでお腹が不調になる方は、この飲み方をお試しください。
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【サプリメント】クレアチンでお腹の調子が崩れる方へ
で、あなたは摂ってるの?
これだけ効果的なサプリだと書きながら、実は私、摂っていません。。。
なぜ。。。
妻から許可がおりないのです!
妻も本格的にボディメイクを始めて、サプリ代が増しているからでしょう。
しかたありません。。。
この記事、一番、妻に見てもらいたいのです。
私だって、許可がでたら即買います、HMB !!
とにかくHMBは効果的なサプリメントです。
最後に一言「所詮、サプリメントです。。。」
HMBの有効性について書いてきました。
一見すると、夢のような筋肉増強剤と感じる方がいらっしゃるかもしれません。
「これさえ飲めば筋肉がつく!!」と、過去の私のように基本的な食事を疎かにした状態で摂取しても最大の効果は得られません。
所詮、サプリメントです。栄養補助食品です。その名のとおり補助的なものであり、基本的な食事による基本栄養の摂取があって効果を発揮するものと思ってください。
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