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上腕三頭筋の単関節ケーブル種目でよく行なわれるものに『ケーブルtricepsエクステンション』があります。↓
出典:Renaissance Periodizationチャンネル Cable Triceps Pushdown
これに肩関節の動作を組み合わせた、巧みなケーブルエクステンションを目にしました。上腕三頭筋長頭の刺激を高めることができます。
参考になると思いますので皆様にシェアします。
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刺激する筋肉
ターゲットにしている筋肉は上腕三頭筋です。全てのヘッド『長頭』『外側頭』『内側頭』が刺激されます。

特に『長頭』の刺激を高めることができます。それを説明するために、長頭の機能解剖学的な内容を簡単に示しておきます。↓
刺激が高まる上腕三頭筋長頭について
上腕三頭筋の長頭は、肩関節と肘関節を跨ぐ二関節筋です。
起始停止

出典:getbodysmart.com Triceps brachii muscle

担う主な動作
上腕三頭筋長頭が担っている主な動作は以下の三つです。
1:肘関節の伸展
2:肩関節の内転(腕を上げた状態から)
3:肩関節の伸展

出典:荒川裕志著 筋トレ 動き方・効かせ方 パーフェクト事典
長頭以外が担っている動作
長頭以外の『外側頭』『内側頭』は肘関節だけ跨いでいるので「1:肘関節の伸展」のみ担っています。
Michael Gundill 式ケーブルtricepsエクステンション
本題です。巧みなケーブルtricepsエクステンションを行っていたのは、ボディビル関連のライターMichael Gundillさんです。マニアックなホームジムがたまりません💪
出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
前項で示した動作『肘関節の伸展』『肩関節の伸展』で構成されています。
(1)エクステンション動作について
私の場合、戻す動作よりもエクステンション動作の方を重視しています。長頭により強い刺激を入れることができるからです。
エクステンションの動作順は『肩関節の伸展』→『肘関節の伸展』になります。
動作順1
肩関節の伸展です。この動作は、上動画でいいますと動作前半の『腕の振り下ろし』です。

⇩

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
担っている上腕三頭筋のヘッド
肩関節を跨ぐ長頭のみが担っており、長頭だけが刺激されることになります。
動作順2
肘関節の伸展です。この動作は、上動画でいいますと動作後半の『肘伸ばし』です。

⇩

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
担っている上腕三頭筋のヘッド
上腕三頭筋全体が担っており、長頭・外側頭・内側頭すべてが刺激されることになります。
動作の要(長頭の刺激が高まる理由)
エクステンション動作の要は、動作前半『腕の振り下ろし』を長頭で行なわせることです。これに成功すれば、続く動作後半『肘伸ばし』まで長頭が主体的に活動します。実際に行って頂くとわかりますが、動作全体に渡って長頭の緊張が抜けませんし、『腕の振り下ろし』→『肘伸ばし』と進むにつれて長頭の収縮が非常に強くなっていきます。
長頭で行なう腕の振り下ろしに茶々を入れてくるのが広背筋です。これも腕の振り下ろしを担っているからです。広背筋は長頭より大きいですし(体積比較。ちなみに、上腕三頭筋全体なら広背筋より大きい)、一般的に普段のトレで長頭を意識することに慣れていないでしょうから、漠然と腕の振り下ろしを行ってしまうと広背筋に頼りがちになってしまいます。
長頭に意識を集中し、勢いはつけず丁寧に腕の振り下ろしを行なうことで長頭の効き感がつかめてきます。具体的には、振り下ろしの初動でグッとテンションが長頭にかかることを感じとり、このテンションを維持しようとしながら振り下ろしていきます(必然的に勢いがつかない丁寧な動作になる)。
これを訓練し再現性が高まれば、長頭主体でエクステンション動作ができます。
(2)戻し動作について
戻しの動作順は『肘関節伸展の戻し』→『肩関節伸展の戻し』になります。
動作順1
肘関節伸展の戻しです。この動作は、上動画でいいますと伸ばした肘を戻すことです。前腕が水平より少し上に来るまで戻します。

⇩

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
担っている上腕三頭筋のヘッド
上腕三頭筋全体がブレーキとして働いており、長頭・外側頭・内側頭すべてが刺激されることになります。
動作順2
肩関節伸展の戻しです。この動作は、上動画でいいますと振り下ろした腕を戻すことです。『下方への体重掛け』と『後方へのシフト』を行ないながら戻します。

⇩

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
『下方への体重掛け』と『後方へのシフト』を行なうことで以下を満たす状態がつくれます。
🔴長頭がよりストレッチする
多少ですが長頭を伸ばすことができます。伸展位での負荷掛けは筋肥大を促進する可能性があります。
🔴上体が浮つかない
負荷で長頭を伸ばす際の土台が強固になります(片側の負荷掛けで何かを伸ばすには、もう片方は固定する必要がある)。長頭に伸張負荷が掛けやすくなるということです。
🔴負荷モーメントアームが長い
腕を振り上げようとする負荷(長頭を伸ばそうとする負荷)が大きくなります。長頭に伸張負荷が掛けやすくなるということです。
担っている上腕三頭筋のヘッド
肩関節を跨ぐ長頭のみがブレーキとして働いており、長頭だけが刺激されることになります。
刺激を高めるテクニックについて
Michael Gundillさんの動画を観ると、その巧さに気づきます。いくつか紹介します。
(1)上腕骨の挙上
エクステンション動作の肘を伸ばしきる際に上腕骨を挙上させていることがわかります。長頭が担うマイナーな動作に『上腕骨の挙上』があるので(村木氏のレビュー論文)、この動作を行なうことで長頭の収縮が高まります。

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
詳細は以下の過去記事をご参照下さい。
続きを見る
【筋トレ】肩の上方向への動きをトレーニングやポージングに活かす
(2)手首の屈曲
エクステンション動作の初動と、戻し動作の後半から手首を屈曲させていることがわかります。
<エクステンション動作初動>

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
<戻し動作後半>

⇩

⇩

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
手首が固まることで力の伝達及び負荷乗りが安定します(手首がぐらつくと力伝達や負荷乗りが逃げてしまう)。また、負荷のモーメントアームが長くなるので、エクステンション動作初動から負荷の掛かりが向上しますし、戻し動作では最後まで負荷が抜けにくくなります。
(3)手首の背屈
エクステンション動作で肘を伸ばし切る際に、手首を背屈させていることがわかります。

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
肘を伸ばし切る際に手首を背屈させることで上腕三頭筋全体の収縮が高まります。考えられる理由は以下になります。
🔴筋シナジーによる促通
筋シナジーとは、動作効率化のために中枢神経系が複数の関節の筋肉をセットで動かすことです。手首を背屈させることで脳が「これから何かを押し出す」と判断し、セットである上腕三頭筋の神経系が促通され活性化します。
🔴筋・筋膜ストレッチによるアシスト
手首の屈筋群(手首を丸める筋群)の中には肘関節を跨ぐものがありますし、筋膜は身体の組織を包み込み結合しています。これらが手首の背屈によりストレッチされると肘伸ばしをアシストするので、上腕三頭筋がより短縮位まで収縮することになります。
ちなみに、ビルダーの上腕三頭筋を強調するポーズでも利用されています。


🔴負荷モーメントアームの伸長
肘を曲げようとする負荷(上腕三頭筋を伸ばそうとする負荷)が掛かり続けることになります。肘を伸ばし切っても負荷が抜けにくいということです。
(4)太いハンドルの使用
太いハンドルを使用して手の平・指との接触面積を大きくしています。

出典:Michael Gundillチャンネル Triceps pushdown targeting the long head of the triceps
太いハンドルの使用で手の平・指を全体的に広く刺激する事で、上肢の神経系が活性化する可能性があります(Krings氏他8名の筋電図研究)。また、手の平・指とバーの接触面積が大きくなるのでバー保持や手関節の安定性が増すと思われ、これも上腕三頭筋の効きを向上させると考えます。
(5)スプリットスタンス
動画ではわかりにくいですが、スプリットスタンス(足を前後にするスタンス)で行なっています。体が安定するので本種目の動作に集中できます。
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