個人的に好んで行ってる筋肥大促進手法があります。それはコンパウンドセット(同一筋肉に対し2種目連続で行なうセット法)で行ない、筋肉をパンプさせた直後に伸張させるというものです。『パンプ&ECC法』と名付けています。
パンプ&ECC法には、以下の2パターンがあります。↓
パターン1
パンプ種目withパンプ促進手法
↓休まず直ぐに
伸張種目withゆっくり等速な伸張動作
パターン2
パンプ種目withパンプ促進手法
↓休まず直ぐに
伸張種目with切り返し動作重視
これら具体例を過去記事で複数紹介していますが、本日は上腕三頭筋への適用例を紹介します。
上腕三頭筋の場合、私はパターン1で実施していますので、その行い方を具体的に示します。参考になれば嬉しいです。
初心者の方やトレーニングに不慣れな方は、今回の行い方は実施しないでください。怪我のリスクが高まります。
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上腕三頭筋へ適用したパンプ&ECC法の具体例
上述したとおり、パンプ&ECC法の実施パターンは2つあります。私の場合、上腕三頭筋にはパターン1で実施します。
パターン1
パンプ種目withパンプ促進手法
↓休まず直ぐに
伸張種目withゆっくり等速な伸張動作
こんな感じです。↓
【パンプ種目】
マルチホールド法Lying DBエクステンション
(以下を3度繰り返す)
⇓休まず直ぐに
【伸張種目】
Lying DBエクステンションNegativeレップ
(6~8回繰り返す)
詳細です。↓
パンプ種目:マルチホールド法Lying DBエクステンション
パンプ促進目的でマルチホールド法を組み合わせてLying DBエクステンションを実施します。
マルチホールド法は、アイソメトリクス(等尺性筋収縮)を活用した血流制限トレーニングの手法です。
動作及び反復モード
- 反復モードは、肘角度90°で20秒DB保持→10回反復→肘角度90°で15秒DB保持→10回反復→肘角度90°で10秒DB保持→10回反復。
- 10回反復のテンポは、1回反復で1~2秒程度。(肘伸ばし動作:0.5~1秒、下ろし動作0.5~1秒)
- 反復モード実施途中で限界に至った場合、その都度5秒程度休息し、中断したところから再開して反復モードを完遂させる。
- 反復モード完遂したら、Negativeレップ用重量のDBに持ち変えて直ぐに伸張種目にとりかかる。
<反復モード>
肘角度90°でDBを20秒保持
⇓休まず直ぐに
10回反復(1反復1~2秒程度)
⇓休まず直ぐに
肘角度90°でDBを15秒保持
⇓休まず直ぐに
10回反復(1反復1~2秒程度)
⇓休まず直ぐに
肘角度90°でDBを10秒保持
⇓休まず直ぐに
10回反復(1反復1~2秒程度)
⇓DB持ち変えて直ぐに
伸張種目へ移行
伸張種目:Lying DBエクステンションNegativeレップ
パンプ種目で上腕三頭筋がパンプしたところで、Negativeレップ用重量のDBに持ち変えてLying DBエクステンションのNegativeレップを直ぐに行い、伸張刺激を入れていきます。
動作
- 強く握らず小指側にDBを乗せて保持し、両手の平を向かい合わせた状態でNegativeレップ開始位置をとる。
- 上腕三頭筋でブレーキを掛ける意識で、等速3~4秒で肘を曲げてDBを下ろす。(Lying DBエクステンションのNegativeレップ)
- Negativeレップ終了したら、肘の曲げ角度そのままで肩を支点にしたプルオーバーを行い、DBを胸元へ持って行く。楽して持って行きたいので、プルオーバーは最小回転半径を意識して行う。
- そこからプレス動作でNegativeレップ開始位置までDBを持って行く。楽してもって行きたいので、少し肘を開いたプレス動作(上腕三頭筋の関与を下げ、大胸筋の関与を上げる)で行なっても良い。
- この要領で、Lying DBエクステンションのNegativeレップを等速3~4秒で下ろせなくなるまで繰り返す。
⇓
⇓
これを繰り返して伸張刺激を上腕三頭筋に入れていきます。
セット数や使用重量などについて
こんな感じで行なっています。↓
【セット数】
ウォームアップセット
マルチホールド法Lying DBエクステンションのみを1セット実施する。
以下をウォームアップセットの1セットと定義する。これを実施して60~90秒の休息後、メインセットへ移行する。
メインセット
3セット。
上記ウォームアップセットを1セット実施し、60~90秒の休息後、メインセット開始。
以下をメインセットの1セットと定義する。
【メインセット間休息】
90~150秒。
【反復のテンポ】
マルチホールド法Lying DB extension
肘伸ばし動作:0.5~1秒
下ろし動作:0.5~1秒
Lying DB extension Negativeレップ
下ろし動作:等速3~4秒
プルオーバー動作:力強く一気に
プレス動作:力強く一気に
【反復回数】
マルチホールド法Lying DB extension
肘角度90°で20秒保持
↓休まず直ぐに(一連の流れで)
エクステンション10回反復
↓休まず直ぐに(一連の流れで)
肘角度90°で15秒保持
↓休まず直ぐに(一連の流れで)
エクステンション10回反復
↓休まず直ぐに(一連の流れで)
肘角度90°で10秒保持
↓休まず直ぐに(一連の流れで)
エクステンション10回反復
Lying DB extension Negativeレップ
6~8回
(6~8回で等速3~4秒の下ろし動作できない状態)
【使用重量】
マルチホールド法Lying DB extension
- まずは、片方5~6kgずつでやってみる。又は、ウォームアップセット1セット実施後のメインセット1セット目で、上記反復回数完遂が困難と感じる重量。
- この重量でウォームアップセット1セットとメインセット3セット全て行う。
- 動作が雑になったり、可動域が狭くなったり、途中限界をむかえ小休息(5秒)とりながらでも構わないので、とにかく全セットで上記反復回数を完遂させる。
Lying DB extension Negativeレップ
- 反復回数6~8回で、等速3~4秒の下ろし動作ができなくなる重量。
- 各メインセット、6~8回に収まる様に使用重量を変えてOK。(反復回数6回未満になってしまったら使用重量を次のセットで減らす。)
【使用重量を増やすタイミング】
マルチホールド法Lying DB extension
- 全セット(ウォームアップ1セット、メイン3セット)で上記反復回数がキッチリできたら、次回トレ時に片方1kgずつ増やす。
- キッチリとは、途中中断すること無く、動作のテンポや可動域が一貫して同程度であるということ。
Lying DB extension Negativeレップ
- 8回できたメインセットは、次回トレ時の同メインセットで片方1kgずつ増やす。
- 8回できなかったメインセットは、次回トレ時も同重量で8回を目指す。
以上です。
この行い方のメリットについて
筋肥大において、この行い方の良い点は複数あると考えています。↓
- 物理的刺激(高い筋張力発揮、筋損傷)と化学的刺激(代謝産物蓄積、筋内低酸素)の両方を与えることができる。
- パンプした直後の伸張刺激は、腱などでは無く筋腹にしっかり負荷がのる感覚がある。
- パンプした直後の伸張刺激は、比較的軽い負荷でも筋繊維動員が多くなり強い伸張刺激が入ると考えている。(高重量に頼らない筋繊維動員増加や強い伸張刺激獲得に期待している。)
- パンプした直後の伸張刺激は、筋肥大要因『メカニカルテンション』の変化によって、筋肥大に関わるシグナル伝達系が活性化する可能性があると考えている。(以下過去記事)
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【筋トレ】伸張刺激の直前にパンプさせる!【その1:有効性について】
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