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今更な内容かもしれませんが(笑)。本日は基礎的な内容になります。
先日、今後の記事内容を思案していたら題記についてハマってしまいました。意外と自分の中で曖昧にしていたことに気づいてしまったんです。今後の記事内容に集中しようとするのでが、どうしても引っ張られてしまい整理することにしました😂
コンパウンド種目をアイソレーション種目と比較してみると、その利用目的がわかってきます。既知な内容も多分に含んでいるでしょうし、個人的な見解なのでつまらないと思われますが、どなたかの参考になれば嬉しいです。
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コンパウンド種目とは
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コンパウンド種目とは多関節種目のことで、ベンチプレスの様な複数の関節を同時に動かす種目です。複数の関節を動かすということは、筋肉も複数参加しているということです。
スポーツ競技の筋トレではコンパウンド種目が多用されます。その目的は以下だと思います。
- 競技動作に近い状態(複数の関節が一度に動く連動性)で力発揮能力を高める。
- 時短筋トレ(複数の筋肉を一度に鍛えて、競技スキル獲得に時間を割く)。
そして我々『ボディメイク』『ボディビルディング』でもコンパウンド種目は利用されます。その目的は上記もありますが、本命は他にあります。
ボディメイクでコンパウンド種目を利用する目的
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筋肥大トレーニングで大事なのは、対象筋に強い刺激を与えて筋活動を高めることです。
これは、対象筋の多くの筋繊維が張力を発揮しているということで、筋肥大要因「機械的な張力」に当たります。筋肥大要因には「機械的な張力」「筋損傷」「代謝ストレス」があり、「機械的な張力」が最も有力な要因の様です。
当然、筋肥大を最優先にするボディメイクやボディビルディングでは、これが重視されます。コンパウンド種目の利用もこれに関わります。そして、一般的に言われるコンパウンド種目の利用目的が以下になります。
利用目的(一般的な云われ) アイソレーション種目よりも遥かに重い重量で高負荷を掛けて、対象筋の筋活動を高める。
個人的に何かスッキリしないんです。『コンパウンド種目は、アイソレーション種目より対象筋の筋活動を大幅に高める』といったニュアンスを感じるからです。ちょっとその辺について先に書いておきます。
対象筋の筋活動はコンパウンド種目で大幅に高まるか?

コンパウンド種目の重い使用重量によって対象筋の筋活動もかなり高まるイメージがありますが、そうなるとは限らないと思っています。
なぜなら、コンパウンド種目では対象筋(主働筋)以外の筋肉(協働筋)も動員され分担していますし、アイソレーション種目より負荷モーメントアームが短いエクササイズ構造になっているからです。
気になったので調べてみました。
物理的に確認
色々な種目を対象に、簡易な数値シミュレーションをしてみることにしました。
コンパウンド種目とアイソレーション種目を1種目目にした時の使用重量を想起し、上記の分担割合や負荷モーメントアーム長を具体値にして、関節の負荷トルクを計算し比較しました。負荷トルクで比較した理由は、これが大きければ、それに対抗しようと対象筋の筋活動が高まるからです。
その結果から言えることは、対象筋の筋活動比較『コンパウンド種目』VS 『アイソレーション種目』はいい勝負になるだろうということです。選択種目や可動域など、場合によってはアイソレーション種目に軍配が上がることもあり得るし、コンパウンド種目が勝ることもあります。
研究論文で確認
筋電図で比較した研究論文をみてみました。近年のものでいうと、バーベル・ベンチプレスとダンベルフライを比較した研究があります(Solstad氏他5名の研究)。
大胸筋の筋電図比較結果は以下です。↓

出典:Solstadら著 A Comparison of Muscle Activation between Barbell Bench Press and Dumbbell Flyes in Resistance-Trained Males Figure 4.
- 挙げ動作ボトム域→中間域では、両種目間に有意差は無い。
- 挙げ下ろし動作トップ域ではダンベルフライが有意に低い。この種目の特性が出ていて、トップ域で負荷モーメントアーム長が殆ど残らないことが主要因と思われる(ボトム域~中間域は長い)。
- 下ろし動作全域でダンベルフライが有意に低い。主な理由は、上記の様な大きな負荷トルク変動によって、高い神経駆動が維持されにくいからだと思われる。他には、動作の勢いの差が制動力や切り返し出力に影響を与えている可能性が残る(動作テンポ管理の詳細記述が無い)。
以上のように、一般的に言われるコンパウンド種目の利用目的『重い使用重量によって対象筋の筋活動を大幅に高める』は、そうでも無いということです。アイソレーション種目を大きく上回るわけでは無いと思っています。
ですので、私見ですがコンパウンド種目の利用目的を整理してみました。↓
コンパウンド種目の利用目的について(私見)
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コンパウンド種目をアイソレーション種目と比較すると、利用目的がわかってきます。細かく分けて説明します。
利用目的① 関節負担を減らしながら対象筋の筋活動を引き出す。
- 使用重量からコンパウンド種目の関節負担が大きい感があるが、複数の関節及び筋肉で分担される。
- 関節負担に効いてくるのが負荷モーメントアーム長で、アイソレーション種目では、それが長いためにテコの働きが顕著で、関節形成する骨頭が引き出される作用も顕著になる。これにより、関節が不安定となる。使用重量が増すと、なお不快感や危険度が増す。
- コンパウンド種目では、それが短いためにテコの作用は比較的小さく、骨頭を押込む作用が大きくなってくる。これにより、骨頭が関節窩に押し込まれて(関節窩の形状が関わる)、かえって関節が安定している可能性がある。
利用目的② 漸進性過負荷の原則に則しながら対象筋の筋活動を引き出す。
- アイソレーション種目は上記のとおり関節が不安定、かつ単関節で関わる筋肉が少ないので、比較的早期に使用重量の更新は断念せざるを得なくなる(対象筋は大丈夫でも関節が持たなくなる)。
- コンパウンド種目は関節が安定、かつ関節・筋肉が複数関わるので、使用重量を更新していける。
利用目的③ 対象筋の仕事量を増やす。
- 筋肥大と筋肉の仕事量には相関があり、仕事量が増えれば筋肥大も促進される(但し、回復能力の限度を超えない範囲)。
- アイソレーション種目は単関節で関わる筋肉が少ないので、反復限界付近になるとスティッキングポイントでつぶれやすい(対象筋の筋力トルクが負荷トルクに負けたら、そこで終了)。これにより、反復回数が稼ぎにくい。
- コンパウンド種目は多関節で複数の筋肉が関わるので、反復限界付近になってもスティッキングポイントでつぶれにくい(対象筋の筋力トルクが負荷トルクに負けそうになっても、協働筋の筋力トルクが加勢してくれる)。これにより、反復回数が比較的稼ぎやすい。
利用目的④ 『全身性ホルモン』『局所ホルモン』両方の分泌を促進。
- ここでいう全身性ホルモンは成長ホルモン、血中テストステロン(精巣由来)、肝臓由来IGF-1など。筋肥大に間接的に関わり、筋作りのサポート役(全身のアナボリック環境を整える)。コンパウンド種目で多くの筋肉が働くと、脳がストレスに感じて分泌が促進される。アイソレーション種目では、そうはいかない。
- ここでいう局所ホルモンは筋内で作られるテストステロンやIGF-1など。筋肥大に直接的に関わり、筋肉づくりの実行役(筋肥大スイッチに関わる)。これらは刺激された筋肉で分泌される。
※全身性ホルモン VS 局所ホルモン
私個人としては、筋肥大にとって全身性ホルモンより局所ホルモンの方が重要だと考えています。最近のレビュー論文でも筋肥大への全身性ホルモンの影響は否定的です。
コンパウンド種目の基本的な活用法
上記の利用目的をみると、コンパウンド種目は、エネルギーが満ちているトレーニングの早い段階で行なう方が、有効に活用できると言えます(利用目的で挙げた項目が最大化できる)。
そこからわかるコンパウンド種目の基本的な活用法は、やはり以下になります。
基本的な活用法 基本種目としてコンパウンド種目をトレーニングの前半で行ない、後半に進むにつれてアイソレーション種目を追加していく。
これをみて、わざわざアイソレーション種目は使わずに、全てコンパウンド種目で構成すればよいと思う方もいらっしゃると思います。ですが、そこにはアイソレーション種目を利用する目的があります。本記事の最後に、それについて記載しておきます。
コンパウンド種目の変則的な活用法
変則的な活用法も参考に載せます。
時短活用
皆様も同じかと思いますが、私は主働筋のみの種目としてコンパウンド種目を扱います。例えばベンチプレスでは大胸筋(主働筋)・上腕三頭筋(協働筋)・三角筋前部(協働筋)が働きますが、主働筋である大胸筋のみの種目として実施します。主働筋と協働筋では、筋活動の程度に差があると考えるからです。
ですので、ベンチプレス1セットは大胸筋の1セットとしてカウントしますが、上腕三頭筋や三角筋前部のセットとしてカウントはしません。
ですが、筋肥大研究の運動量計算で、主働筋だけでなく協働筋もセットとしカウントするものがあります(Schoenfeld氏他4名のレビューなど)。これが許容できる方にとっては、時短の手段としてコンパウンド種目が使えます。
具体的には、PPL分割(Push系、Pull系、Leg系で分割)の様な動作に関わる複数部位を一纏めにした分割で、時短活用できます。例えば、Pull系では背・上腕二頭筋を一緒にトレーニングする場合が多いですが、ラットプルダウンをすることで広背筋と上腕二頭筋に対し1セットとカウントできます。
追い込み活用
先にアイソレーション種目を限界まで実施した後、できるだけ間をあけずコンパウンド種目を限界まで行います。
アイソレーション種目で対象筋を出し切り、後に続くコンパウンド種目の協働筋群のサポートを受けて、対象筋をさらに使ってやろうというコンセプトです。そのセットにおける『対象筋の仕事量』『代謝ストレス』の増加を狙ったトレ手法だと言えます。
例えば上腕三頭筋で活用する場合は以下になります。
<Lying DB tricepsエクステンション>
限界まで反復

出典:Functional Bodybuildingチャンネル DB Skull Crushers
⇩
<ナローベンチプレス>
限界まで反復

出典:Renaissance Periodizationチャンネル Narrow grip bench press
ナローベンチプレスの協働筋である大胸筋・三角筋前部を補助として使い、上腕三頭筋を追い込んでいます。
疲労により、ナローベンチプレス中の上腕三頭筋の活動は落ちると思いますが、本活用法のコンセプトは、少しでもよいから活動を延長して対象筋の仕事量を増やすことなので、活動レベルの低下はあまり重視しません。マインド・マッスルコネクションで幾らか活動レベルを上げれる可能性はあります。
アナボリックブースターや神経系活性化の手段として活用
上述しましたが、コンパウンド種目は全身性ホルモン(成長ホルモンや精巣由来のテストステロンなど)の分泌を促進します。これは、筋肥大に間接的に関わり(影響度は低いと思われる)、体のアナボリック環境を整えてくれます。
体をアナボリックな状態にするための着火剤としてコンパウンド種目を行い、その後又は直後に肥大させたい部位のアイソレーション種目を行うことで、長期的にみれば(お恐らく数年単位)、筋肥大の程度に差がつく可能性があります。
また、コンパウンド種目により神経系が活性化し、後に続くアイソレーション種目の反復回数や使用重量が少し伸びる可能性もあります。
有名な例としては、スクワットとアームカールの組み合わせです。但し、スクワットで疲れすぎてアームカールの重量が落ちてしまうと、筋肥大要因『機械的な張力』が引き出せなくなるので本末転倒です。スクワットは、あくまでもアナボリックブースターや神経系活性化を目的として行います。
アイソレーション種目の利用目的
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個人的に思う目的は主に2つあります。
筋肉の仕事量の補足
- 対象筋が十分に肥大する仕事量をコンパウンド種目だけで確保すると、中枢性疲労が大きくなってしまう(多くの筋肉を稼働させるので中枢神経系に負担がかかる)。これにより、トレーニングの後半で脳の筋出力指令が低下する可能性がある。また、異化ホルモン分泌を助長してしまう恐れがある。
- 中枢性疲労が蓄積し常態化すると、トレーニングパフォーマンスや回復系、内分泌系に支障をきたす。
- アイソレーション種目を活用することで、比較的その程度を抑えながら対象筋の仕事量が増やせる。
筋発達の遅れの補填
- 研究分野や自身の経験から、どうやら筋肉は一様に発達しないようである。
- コンパウンド種目だけでは、同じ筋肉の『起始部付近』『筋腹』『停止部付近』が満遍なく発達せず、どこか偏った発達になりがち。
- 理由は定かではないが、コンパウンド種目は意外と対象筋の可動域が狭かったり、他筋肉との連動の影響などから、活性箇所が限定的になるからかもしれない。
- アイソレーション種目は狙った箇所への負荷掛けがしやすく、発達が遅れている箇所の改善に役立つ。それはシンプルなエクササイズ構造だからであり、体勢や動作角度を変えるだけで負荷掛け位置を比較的容易に変えることができる。
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