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かなりマニアックな内容です(笑)。
ボディビルやフィジーク競技では、ステージでより見栄えする体に仕上げるために『カーボローディング』『水抜き』を行なう選手がいます(行わない選手もいます)。
『カーボローディング』とは筋グリコーゲンの貯蔵量を増やす調整法で、筋肉の張りを高める目的で行なわれます。サンプル人数が4人なので根拠としては薄いですが、最近の研究でもそれが確認されています(Homer氏他3名の研究)。
『水抜き』は体水分の排泄を促す調整法で、筋肉のドライな質感を得るために行なわれます(皮下水分量が減って、筋肉の繊維や境目が際立って凄みが増す)。
本日は、私が採用している『カーボローディング』『水抜き』のガイドラインを紹介します。
初めてこれら調整法を取り入れてみようとお考えの選手や、取り入れているけど見直してみようと考えている選手の参考になれば幸いです。
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前提について
ガイドラインを紹介する前に、前提を先に示します。
1.体がきっちり仕上がっている
コンテスト日の一週間前までに減量を終えて、体脂肪が削ぎ落された体でなくてはいけません。減量が終わっていない甘いコンディションの体で、これら調整法を行なう意味は殆どありません。
2.各自微調整が必要
次項で示すガイドラインが、ズバリ万人に合うことはありません。ズバリ合う場合もあれば、微調整を要する場合もあります。
あくまでもガイドラインであって、「たたき台」だと思って下さい。これをもとに試して頂き、摂取する炭水化物量を微調整するなど行って、ご自身にあった内容にカスタマイズして頂ければと思います。
また、同一人物であっても、カスタマイズした内容で毎年上手くいくとは限りません。そこが厄介であり、面白いところでもあります。微調整を繰り返し経験しながら、上手くいく再現性を高めていきましょう。
3.ナチュラルな方が対象
私自身はライフタイムナチュラルですし、本調整法で指導した選手はナチュラルな方しかいません。エンハンスドビルダーの方に機能するのか未知ですので、ナチュラルな方が対象になります。
上の文をみると、私はエンハンスドビルダーの方に否定的だと思われるかもしれませんが、そんなことはありませんので。OlympiaやMOC videoを観て育ってきましたから(笑)。あの様な凄い体も大好きです。
例えば、リープリさんとか最高ですね。↓
出典:Bodybuildin SkCZチャンネル Lee Priest Olympia 1999 HQ
カーボローディング&水抜きのガイドライン
このガイドラインは、Escalante氏他4名のレビュー論文を参考にしています。期間は6日間です。コンテスト日が日曜日である場合、6日前の月曜日から開始して土曜日まで行います。
構成は以下となります。
月・火・水曜日
カーボディプリート期で、筋グリコーゲンを枯渇させる。次に続くカーボローディング期で、筋グリコーゲンをより貯蔵するために実施。
木・金曜日
カーボローディング期で、筋グリコーゲン貯蔵量を増やす。
土曜日
水抜き日。体水分の排泄を促す目的で水~金曜日にウォーターローディングも実施。また、水曜日からナトリウムとカリウムの調整も開始。
ガイドライン一覧
表に纏めました。↓

ガイドラインの補足
補足事項を記します。↓
ナトリウム摂取について
ガイドライン一覧で『普段通り』『〇割り増し』『〇割り減』と表記しましたが、私は具体的な摂取量を把握していないので『いつも通りの塩分』『塩分をいつもより多め』『塩分をいつもより少なめ』といった感覚で行なっています。具体的に摂取量を把握する方がより良いです。
カリウム摂取について
ガイドライン一覧で『普段通り』『〇割り増し』と表記しましたが、私は具体的な摂取量を把握していないので『カリウム摂取を意識し無い』『カリウムサプリを摂ってみる(タンポポ茶お薦め)、炭水化物源としてバナナを多用する』といった感覚で行なっています。具体的に摂取量を把握する方がより良いです。
炭水化物摂取について
カーボローディング期において、固形の炭水化物を食べることが困難な場合は(量が多かったり、仕事でマメに食事ができない等)、カーボパウダーサプリで飲料として摂取すると良いです。
食材について
減量食で皆さんお気づきだと思いますが、選ぶ食材は栄養成分がシンプルなものが良いです。ガイドラインに沿った食事メニューが組みやすくなります。
<食材例>
- 炭水化物食材:白米(ほぼ炭水化物のみ)
- タンパク質食材:皮なし鶏むね肉(ほぼタンパク質のみ)
- 脂質食材:えごま油(ほぼ脂質のみ)
筋トレについて
- 脚トレ、Push系トレ、Pull系トレの目的は筋グリコーゲンを使い枯渇させること。筋肉痛が出やすい内容は避けます(Negative系や不慣れな種目など)。
- Push系トレとは、胸・肩・上腕三頭筋系メニューということです。
- Pull系トレとは、背・上腕二頭筋系メニューということです。
- 『コンテスト前に体を休める』『カーボローディング中のグリコーゲン消費を抑える』ために、コンテスト当日前の3日間はトレしません。
有酸素性運動について
この期間、有酸素性運動は行いません。
クレアチン摂取について
- この期間にクレアチンサプリを活用すると筋内の水分が増えて、筋肉の張りがより得られる可能性があります。
- 1 回5g の4 回摂取(トータル20g)を木曜日と金曜日のみに実施。
- クレアチン摂取は炭水化物と一緒に摂ると良いです。
- 普段からクレアチンサプリを摂っている方は、コンテスト1ヶ月前に摂取を停止して、上記要領で摂取します。
以上がガイドラインになります。前項でも記しましたが、これはあくまでも「たたき台」です。場合によっては、以下の例の様に各自で調整が必要です。
- カーボディプリート期に著しいエネルギー不足感があるので、火曜日の炭水化物摂取量を1.2g/体重1kgにしてみたり、脂質摂取量を1.3g/体重1kgにしてみた。
- カーボローディング期に筋肉の張りが弱いと感じたので、金曜日の炭水化物摂取量を8.0g/体重1kgにしてみた等。
上のガイドライン一覧は具体的な数値で表記していますが、参考にさせて頂いたEscalante氏他4名のレビュー論文では数値に幅を持たせています。本レビュー論文を参照頂いて、自分なりのガイドライン(たたき台)を作成するのも良いと思います。
具体的な食事例:仕上がり体重70kgの選手の場合
具体的にどのくらいの食事量になるのか、仕上がり体重70kgの場合を想定して(コンテスト1週間前に減量終えて、体脂肪を削ぎ落した体重が70kg)、ガイドライン一覧から導いた食事内容を紹介します。
ちなみに、食品の栄養成分を調べるツールは、いつも『slism』を使用しています。
月曜日(カーボディプリート1日目)
<各栄養素の1日摂取量>
炭水化物:49g
タンパク質:189g
脂質:70g
ナトリウム:普段通り(好み量の塩)
カリウム:普段通り(把握しない)
飲み水:普段通り(好み量の水)
<具体的な食事内容>
栄養成分がシンプルな食材を選ぶようにしています。

P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物、Na:ナトリウム、K:カリウム
火曜日(カーボディプリート2日目)
食事に関しては、月曜日と同じ内容です。
水曜日(カーボディプリート3日目)
<各栄養素の1日摂取量>
炭水化物:49g
タンパク質:189g
脂質:70g
ナトリウム:普段の3割増(少し多めの塩)
カリウム:普段通り(把握しない)
飲み水:7L(ウォーターローディング)
<具体的な食事内容>
栄養成分がシンプルな食材を選ぶようにしています。

P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物、Na:ナトリウム、K:カリウム
木曜日(カーボローディング1日目)
<各栄養素の1日摂取量>
炭水化物:700g
タンパク質:140g
脂質:35g
ナトリウム:普段の4割増(多めの塩)
カリウム:普段通り(把握しない)
飲み水:7L(ウォーターローディング)
<具体的な食事内容>
栄養成分がシンプルな食材を選ぶようにしています。

P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物、Na:ナトリウム、K:カリウム
金曜日(カーボローディング2日目)
<各栄養素の1日摂取量>
炭水化物:455g
タンパク質:140g
脂質:35g
ナトリウム:普段の4割増(多めの塩)
カリウム:普段通り(把握しない)
飲み水:7L(ウォーターローディング)
<具体的な食事内容>
栄養成分がシンプルな食材を選ぶようにしています。

P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物、Na:ナトリウム、K:カリウム
土曜日(水抜き日)
<各栄養素の1日摂取量>
炭水化物:140g
タンパク質:189g
脂質:56g
ナトリウム:普段の2割減(少なめの塩)
カリウム:普段の2割増(多めのバナナ)
飲み水:1.05L(水抜き摂取量)
<具体的な食事内容>
栄養成分がシンプルな食材を選ぶようにしています。

P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物、Na:ナトリウム、K:カリウム
カーボローディングと水抜きの仕組み(参考)
カーボローディングは筋グリコーゲンの貯蔵量を高め、水抜き(ウォーターローディング含む)は水分の排泄が促進されて皮下水分量を減らせる可能性があります。こうなる仕組みを参考に記載します。
カーボローディングの仕組み
ガイドラインのカーボローディングは『カーボディプリート』段階→『カーボローディング』段階の順で行ないます。
『カーボディプリート』段階では、筋トレと低糖質食によって筋グリコーゲンを枯渇させます。グリコーゲンが枯渇した筋肉では、GLUT4(血糖を細胞内に取り込む輸送体)が活性化しており、筋内に血糖を取り込もうとする機能が高まります。
筋肉がこの状態になったタイミングで『カーボローディング』段階に移ると、筋肉は血糖を多く取り込んで、筋グリコーゲンの貯蔵量が通常時レベルより高まる可能性があります。これがカーボローディングの仕組みです。
本ガイドラインの『カーボディプリート』段階では、筋トレ&低糖質食を3日間行います。これは選手にかなりの負担をかけます。
ですが、Burke氏他2名のレビュー論文によると、そこまで低糖質にする必要は無いようです。3日間の低糖質食を中糖質食に変更しても、筋グリコーゲンの増え方には差ほど違いがありませんでした。
選手の負担を減らせる可能性がありますので、いろいろと試した後、ガイドラインを見直そうと考えています。
水抜きの仕組み
ガイドラインの水抜きは、ウォーターローディングやナトリウム&カリウムの調整を含めて行います。
ウォーターローディングでは、普段よりも多くの水を飲むことでバソプレシンの分泌が抑制されます。バソプレシンの分泌が抑制されると腎臓での水分の再吸収も抑制され、尿量が増えて水分が排出されやすくなります。
水抜き前にウォーターローディングによって、体の水分排出機能を高めておくということです。
ナトリウム(塩分)の摂取量も普段より多くします。これによりアルドステロンの分泌が抑制されます。アルドステロンの分泌が抑制されると腎臓でのナトリウムの再吸収も抑制され、尿でナトリウムが排出されやすくなります。
水抜き前にナトリウム摂取量を増やすことで、体のナトリウム排出機能を高めておくということです。
また、カリウムを普段より多く摂取することでNCC(ナトリウム-クロライド共輸送体)が非活性化になり、これもまた、腎臓でのナトリウムの再吸収が抑制されてナトリウムが尿で排出されやすくなります。
ナトリウムの排出が高まれば、その濃度を調整しようと水分の排出も高まります。
以上により水分排出機能を高めた体で水抜きをすると、それをしないで水抜きする場合より水分を多く排泄して皮下水分量を減らせる可能性があります。
以上です。
<ファットローディングも加えた場合>
カーボローディング&水抜きにファットローディングを加えた調整。
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【食事】コンテスト準備最終週の食事:ファットローディングについて
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