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ご存知の方も多いと思いますが、事前疲労法(プレイグゾーション法)というトレーニング手法があります。いろいろな活用法があるようですが、事前疲労法と言えば以下の活用法が代表的だと思います。
事前疲労法
これをみると、多関節種目実施中の意図する筋肉(主働筋)は、さぞかし高い筋活動になっていると思われますが、その逆で" 筋活動低下 ” になってしまう事が示唆されています。その理由としては、単関節種目で疲労してしまい、多関節種目では協働筋群に頼ってしまう(逃げてしまう)という事が考えられます。
上文を具体例で説明しますと、大胸筋の刺激を高める目的で『DBフライ反復限界→ベンチプレス反復限界』を行なっても、ベンチプレス実施中の大胸筋の活動は低下しているということです(上腕三頭筋や三角筋前部に頼ったベンチプレスになりがち)。
ならば、これを逆手にとって事前疲労法を組み直すと、意図する筋肉の活動が高められることになります。
「机上の空論で終わるかな」と大して期待していなかったのですが、組み直し、かつ微修正して一定期間試してみたところ、筋肥大手法としての手ごたえを感じました。筋肥大し得る刺激が入りますし、その刺激が2部位同時に入れれるセット構成なので、時短活用も可能です。
筋肥大トレーニング手法として少なくとも及第点には達していますし、いちトレ手法として纏める価値があると判断しましたので、本ブログで紹介します。
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協働筋先行脱落時短法(R-SDM)
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本手法は上級者対象
トレーニング経験が乏しい方は、協働筋先行脱落時短法を行わないで下さい。
協働筋先行脱落時短法(Rapid Synergist Drop Method:以下R-SDM)は、代表的な事前疲労法の逆説的な結果をもとに、セット構成を見直したトレーニング手法です。2バージョンあります。
各バージョン共に、2部位の筋肉に肥大し得る刺激を与えることができます。
刺激できる筋肉
上述のとおり、2つの筋肉に筋肥大し得る刺激を与えることができます。2つの筋肉の選択はどれでも良いわけでは無く、多関節種目で主働筋と協働筋の関係にあるものに限ります。
例えば、大胸筋と上腕三頭筋です。これらは、多関節種目であるベンチプレスで主働筋と協働筋の関係にあります。
" 主働筋 " " 協働筋 " と聞くと、刺激の強さに差がある印象を受けますが、R-SDMで刺激する2つの筋肉において、刺激差は殆ど感じません。同程度と思って頂いて構いません。
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R-SDMのバージョン1
R-SDMは、セット構成の違いから2バージョンあります。この項ではバージョン1のセット構成を示します。以下をR-SDMバージョン1の1セットと定義します。

一例を示します。↓
刺激する筋肉①:上腕三頭筋
刺激する筋肉②:大胸筋
<DB スカルクラッシャー>
Fullレンジで反復限界まで行い、上腕三頭筋を刺激する(事前疲労)。

↓
20秒以内に次種目を実施
↓
<ベンチプレス>
Full⇨Partial両レンジで反復限界まで行い、上腕三頭筋と大胸筋を刺激する。

↓
1分休息
↓
<DBフライ>
Fullレンジで反復限界まで行い、大胸筋を刺激する。

バージョン1の使用重量やセット数など
『使用重量』『反復回数』『セット数』『セット間休息』『使用重量増加タイミング』を示します。
使用重量
単関節種目(筋①)
10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
多関節種目(筋①筋②)
多関節種目(筋①筋②)実施時点での10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
単関節種目(筋②)
単関節種目(筋②)実施時点での10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
反復回数
単関節種目(筋①)
10回(Fullレンジの反復限界)。
多関節種目(筋①筋②)
10回(Fullレンジの反復限界)に達したら、partialレップを限界まで実施。
単関節種目(筋②)
10回(Fullレンジの反復限界)。
セット数
4セット。
セット間休息
2分以上。
使用重量増加タイミング
単関節種目(筋①)
- 12回のFullレンジ反復ができ、かつ次に続く多関節種目のFullレンジ反復が12回できたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 上記が満足できなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま上記満足を目指す。
多関節種目(筋①筋②)
- 12回のFullレンジ反復ができたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 12回のFullレンジ反復ができなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま12回のFullレンジ反復を目指す。
単関節種目(筋②)
- 12回のFullレンジ反復ができたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 12回のFullレンジ反復ができなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま12回のFullレンジ反復を目指す。
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セット構成バージョン1の順序理由について
R-SDMバージョン1では、単関節種目(筋①) ⇨ 多関節種目(協:筋① 主:筋②) ⇨ 単関節種目(筋②)の順序でセットを構成しています。この構成順にしている理由は以下になります。
(1)単関節種目(筋①)
- 筋①に肥大し得る刺激を与えるため。
- 多関節種目実施中の主働筋(筋②)の筋繊維動員を高めるために、協働筋(筋①)を事前に疲労させる。
(2)多関節種目(協:筋① 主:筋②)
- 筋①と筋②に筋肥大し得る刺激を与えるため。
- 筋①は(1)により既にかなり疲労しているが、フレッシュな筋②の補助を受けて活動し続ける事になる。疲労により筋①の筋繊維動員は低いと予想されるが、『できるだけ筋①を使い切る』観点でいうと十分な動員になると考えられる。
- 筋②は筋繊維動員が高いと予想される。(1)で筋①が疲労して頼れない分、筋②の負担が増えるからである。
(3)単関節種目(筋②)
- 筋②に肥大し得る刺激を与えるため。
- (2)の多関節種目では、疲労した筋①により使用重量や反復回数が低下して、筋②の総負荷量が想定より低くなる可能性がある。この懸念を払拭するために、1分の休息を挟んだ筋②の単関節種目で追い打ちをかけ、総負荷量を確保している。
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R-SDMバージョン1の各部位の参考例はこちら。↓
続きを見る
【筋トレ】事前疲労法を逆手に取ったトレーニング手法『協働筋先行脱落時短法(R-SDM)』~中編~
R-SDMのバージョン2
この項ではバージョン2のセット構成を示します。これはバージョン1の最後に行なう単関節種目(筋②)を先に実施するものです。以下をR-SDMバージョン2の1セットと定義します。

体力に恵まれ、かつ時短を重視される場合は、単関節種目(筋②)実施後の休息を1分→30秒に短縮可能です。これは、バージョン1には無いメリットになります。
一例を示します。↓
刺激する筋肉①:上腕三頭筋
刺激する筋肉②:大胸筋
<DBフライ>
Fullレンジで反復限界まで行い、大胸筋を刺激する。

↓
30秒~1分休息
↓
<DB スカルクラッシャー>
Fullレンジで反復限界まで行い、上腕三頭筋を刺激する(事前疲労)。

↓
20秒以内に次種目を実施
↓
<ベンチプレス>
Full⇨Partial両レンジで反復限界まで行い、上腕三頭筋と大胸筋を刺激する。

バージョン2の使用重量やセット数など
『使用重量』『反復回数』『セット数』『セット間休息』『使用重量増加タイミング』を示します。設定の考え方は、バージョン1のそれと同じです。
使用重量
単関節種目(筋②)
10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
単関節種目(筋①)
単関節種目(筋①)実施時点での10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
多関節種目(筋①筋②)
多関節種目(筋①筋②)実施時点での10RM重量(限界反復10回の重量)。2セット目以降は、反復10回を下回らない様に重量調整。
反復回数
単関節種目(筋②)
10回(Fullレンジの反復限界)。
単関節種目(筋①)
10回(Fullレンジの反復限界)。
多関節種目(筋①筋②)
10回(Fullレンジの反復限界)に達したら、partialレップを限界まで実施。
セット数
4セット。
セット間休息
2分以上。
使用重量増加タイミング
単関節種目(筋②)
- 12回のFullレンジ反復ができたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 12回のFullレンジ反復ができなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま12回のFullレンジ反復を目指す。
単関節種目(筋①)
- 12回のFullレンジ反復ができ、かつ次に続く多関節種目のFullレンジ反復が12回できたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 上記が満足できなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま上記満足を目指す。
多関節種目(筋①筋②)
- 12回のFullレンジ反復ができたセットは、次回トレ時に2kg程度増量する。
- 12回のFullレンジ反復ができなかったセットは、次回トレ時も同重量のまま12回のFullレンジ反復を目指す。
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R-SDMバージョン2の各部位の参考例はこちら。↓
続きを見る
【筋トレ】事前疲労法を逆手に取ったトレーニング手法『協働筋先行脱落時短法(R-SDM)』~後編~
R-SDMのメリット
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メリットはいろいろ有りますが、特に以下の3つが個人的な " 推し " です。
重量が抑えられる
高重量に頼らず筋肥大し得る刺激が入れれる手法だと思っています。関節負担が減りますので、私の様に年齢的に無理できない方や、関節の耐久性に不安を感じている方の解決策になり得ます。
時短で強刺激注入
2つの筋肉に筋肥大し得る刺激が同時に入れられ、時短活用も可能となります。R-SDMを1セット行うことは、2つの筋肉に筋肥大刺激を2度ずつ与えることと、個人的には等価だと思っています。ですので、ボリューム計算では、R-SDM1セットで筋①2セット筋②2セットとカウントしています。
新鮮な刺激になる
R-SDMにおける単関節種目(筋①) ⇨ 多関節種目(協:筋① 主:筋②)の流れは、通常の筋肥大トレーニングと異なる神経駆動パターンなので、普段動員される筋繊維に変化が生じる可能性があります。あまり刺激されていなかった筋繊維群が刺激されると、高感度な筋肥大が期待できます。
以上です。
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