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前回に引き続き、筋肥大トレーニングの馴化についての記事です。本記事は、馴化対策について纏めています。
<前回記事:馴化について>
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【筋トレ】トレーニングにおける馴化について(1/2)
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馴化対策に使用する手段について
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馴化対策について話す前に、これに使用する手段を先に紹介しておきます。
トレーニング刺激/内容のタイプ変更(不馴れな刺激を与える)
トレーニング刺激や内容のタイプは色々あると思います。パッと思いつく例を挙げると、筋肥大要因に即したものがあります。↓
- 高重量系トレ(機械的張力狙い)
- 強調伸張中重量系トレ(筋損傷狙い)
- 超高重量ネガティブレップ系トレ(機械的張力、筋損傷狙い)
- 低重量系トレ(代謝ストレス狙い)…など
(トレーニング刺激や内容のタイプは、これらに限りません)
現在示唆される筋肥大のメカニズムをみると(Brad Schoenfeld著 『骨格筋肥大のサイセンスとトレーニングへの応用』第1~2章)、上記の様なタイプが異なるトレーニング刺激/内容によって、筋肥大に関わる体の反応に違いが生じることが予想されます。ここでいう「筋肥大に関わる体の反応」とは以下の様なものです。
🔴肥大に関わる遺伝子発現
🔴同化シグナル系の活性化
🔴炎症反応プロセスの開始
🔴筋衛星細胞の活性化
🔴マイオカイン産生の増加
🔴ホルモン分泌の促進…など
作動機会が乏しい期間が続いた「筋肥大に関わる体の反応」が作動すると、その反応は敏感だと思われます。ですので、異なるタイプのトレーニング刺激/内容を与えて肥大関連の反応を変えることで、停滞した筋肥大を再活性させたり、停滞自体を抑制させたりすることが期待できます(これが確認できる研究数は、少ないのが現状です)。
違う観点でみると、異なるタイプの刺激が入ることで筋繊維動員パターンが変化したり、筋原線維へのエネルギー供給系に過負荷が掛かったりするので、単に刺激不十分な期間が続いた筋繊維や筋形質が刺激され肥大しているだけかもしれません(例えば遅筋繊維が持久的刺激で十分に疲労させられたり)。この場合の肥大反応も感度が高いと思われます。
いずれにせよ、トレーニング刺激/内容のタイプを変更すること、即ち『不馴れなトレーニング刺激/内容を与えること』は、馴化対策の手段になり得ると考えています。

種目の変更
不馴れな種目では、異なる神経駆動パターンにより動員される筋繊維や活性箇所に違いが生じたり、不効率な神経駆動により筋繊維動員が多くなったりすることが考えられます。
刺激が乏しい期間が続いた筋繊維群が刺激されると、その肥大反応は敏感だと思われます。
ですので、不馴れな種目への変更は、刺激が不十分だった筋繊維群の高感度な肥大が期待でき、これも馴化対策の手段になり得ると思われます。
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休息期間を設ける
休息期間はトレーニング刺激に対する体の感度リセットになるので、『トレーニングの休止→再開』によりトレーニング刺激に対する感受性の再上昇が起こります(Ogasawara氏他7名の研究)。ですので、休息期間を設定することも馴化対策の手段になり得ます。
また、休息期間は蓄積した中枢性疲労の回復期間になります。中枢性疲労が蓄積し常態化すると、トレーニングパフォーマンスの低下(神経駆動の低下などが理由)や、回復系/内分泌系に支障をきたします。
仮に、筋肥大した筋が一時的なトレーニングの休止で萎縮してしまったとしても、トレーニングを再開すれば『トレーニング刺激に対する感受性の再上昇(馴化後の再感作)』『筋繊維核の増加と保持』『エピジェネティック修飾』により早期に回復すると考えられます。休息期間を設けることを恐れないで下さい。

馴化対策について
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馴化対策をどう行なうか、その実施パターンは色々あると思います。参考としまして、私が活用する場合の2パターンを紹介します。
1.馴れを遅らせるパターン
(1)コンセプト
馴化を遅らせて、比較的敏感な筋肥大反応を得続けようとするコンセプトです。馴化を遅らせるために、週単位や日単位で刺激を変えて行きます。筋肉や神経系が特定の刺激に適応しきる前に次の異なる刺激が来るため、停滞期(プラトー)を迎えにくくなります。
週単位で刺激を変えるものは『週単位波状ピリオダイゼーション(Weekly Undulating Periodization:WUP)』モデルと言えます。
日単位で刺激を変えるものは『日単位波状ピリオダイゼーション(Daily Undulating Periodization:DUP)』モデルと言えます。
(2)馴化対策例
WUPモデル及びDUPモデルでの馴化対策例を示します。
これら対策例は、以下を想定した場合のものです。
🔴部位分割
『脚トレ)』『胸トレ』『背トレ』『肩/腕トレ』の4分割。
🔴トレ頻度
週4回。
🔴実施期間
13週間(1クール目6週間、積極的休息1週間、2クール目6週間)。
🔴刺激パターン
『高重量系トレ(機械的張力狙い)』『強調伸張中重量系トレ(筋損傷狙い)』『低重量系トレ(代謝ストレス狙い)』の3パターン。
🔴種目群
各部位6パターンを用意します(脚A~F群、胸A~F群、背A~F群、肩/腕A~F群)。
・A群:高重量系トレ用①
・B群:低重量系トレ用①
・C群:強調伸張中重量系トレ用①
・D群:高重量系トレ用②
・E群:低重量系トレ用②
・F群:強調伸張中重量系トレ用②
WUPモデルでの対策例
週単位で刺激を変える馴化対策。

⇩
1週間の積極的休息
(強度、ボリューム共に半分程度のトレ)
⇩

DUPモデルでの対策例
トレ日単位で刺激を変える馴化対策。

⇩
1週間の積極的休息
(強度、ボリューム共に半分程度のトレ)
⇩

(3)採用ケース
短期~中期で効率よく筋肥大を狙う場合に採用しています。停滞期を迎えにくいことがメリットですが、様々な刺激パターンを周期的に与えて行くので結局は馴れてきてしまいますし、かつ刺激パターンがネタ切れしがちなので、年単位の様な長期採用には不向きだと思っています(休息期間を上手く取り入れれば、長期採用も可能だと思います)。
2.馴れ→不馴れの切り換えで敏感な筋肥大を得て行くパターン
(1)コンセプト
性質が違うトレ手法を一定期間行って切り替えて行くことで、敏感な筋肥大反応を得て行くコンセプトです。
ある性質のトレ手法を2ヶ月程度実施してから(このトレ手法に馴化させながら、得られる筋肥大を全て回収)、異質なトレ手法を同程度の期間実施し(異なる性質のトレ手法でより顕著な筋肥大を得る)、順次切り替えて行きます。
あえて馴化させることで、次の異なる刺激(新鮮な刺激)で敏感な筋肥大反応が期待できます。また、馴化中は、その期間の刺激で得られる筋肥大を取りこぼすこと無く享受できることも期待できます。
(2)馴化対策例
このコンセプトで馴化対策したトレーニング手法『サチュレーション・リセット法(SR法)』を以下の記事で紹介しています。
続きを見る
【筋トレ】馴化対策を意識したトレーニング手法:サチュレーション・リセット法
(3)採用ケース
長期(年単位)で効率よく筋肥大を狙う場合や、中・上級者の停滞を打破する場合に採用しています。個人的に、このパターンの方が前項の「馴れを遅らせるパターン」より好みです。上級者の停滞を打破した採用実績が多くあることと、「馴れを遅らせるパターン」には無い以下2つの強みがあるからです。
①筋肥大の取りこぼしが無い
「馴れを遅らせるパターン」は刺激が頻繁に切り替わるため、筋肉がその刺激に適応する前に次の刺激に移ってしまいます。一方でこのパターンは同じ刺激を2ヶ月程続けることで、この期間で適応の完了(又はその付近)に至るので、その刺激による筋肥大が取りこぼし無く得られることが期待できます。
②刺激に対する再感作
「馴れを遅らせるパターン」では様々な刺激に馴れてしまい、筋肥大が弱まる可能性があります。一方でこのパターンでは特定の刺激を2ヶ月程完全に抜くことになり、これは筋肥大の鈍化を治す期間になります。次の刺激が来たとき、筋肉はそれを脅威と判断し、初期の様な敏感な筋肥大が期待できます。
<前回記事:馴化について>
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【筋トレ】トレーニングにおける馴化について(1/2)
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