私がレバレッジ・スクワットを最初に知ったのは『Battle for the Olympia 1998』を観た時です。どでかい脚したLee Preist 元IFBBプロ(現NABBAプロ)が、Body Masters製のマシンでレバレッジ・スクワットを行っていました。これですね。↓
出典:Mocvideo Productionsチャンネル 1998 Battle For The Olympia - Lee Priest
これを知った頃の私は大学生で、スクワットといえばバーベルしかない環境だったので、こんなマシンもあるんだなと興味深々でした。
ここ最近では、JBBFトップ選手の木澤選手やサイヤマンさん(田中光照選手)の動画で取り上げられ、その存在を知った方も多いと思います。↓
出典:ジュラシック木澤チャンネル 大腿四頭筋ガチトレPART③/レバレッジ・スクワットマシン
出典:サイヤマングレートチャンネル 合戸さん狂気の拷問レバレッジスクワットに俺は耐えることができるのか・・・
レバレッジ・スクワットの良い点をあげると以下になります。
バーベルスクワットと比較の場合
- 正しいポジション(その人にあった立ち位置)で行なえば、腰負担が少ない。
- バランスをとる必要がないので、スクワット動作に集中できるし、狙った部分に負荷が掛け続けやすい。
- つぶれても安全に、かつ大きな音を出さずに脱出できるので、安心だし最後まで力を出し切れる。
ハックマシンやレッグプレスと比較の場合
- 股関節の自由度が高いので、重点的に効かせる箇所(例えばハムや臀部)を変えてスクワットができる。
- ランジやペンデュラム(振り子)軌道を意識したスクワットなど、種目バリエーションが多い。
JBBF木澤選手は、大腿直筋(特に腿の上半分)を狙ってレバレッジ・スクワットを取り入れている様です。詳細は、上動画をご参照下さい。
そんなレバレッジ・スクワットマシンですが、実はわたくし、お目にかかったことがありません。
初めて知ってから長い年月が経ち、その間にトレーニーからトレーナーになって様々なジムやクラブを利用させて頂いていますが、一度たりとも出会ったことが無いんです。
ですが、ふとした瞬間に気付きました。
それは、ジムにあるスタンディング・カーフレイズマシンがレバレッジ・スクワットマシンに似ているということです。その形状と負荷掛け様式が、ほぼ同じなんです。
そこで、レバレッジ・スクワットマシンをスタンディング・カーフレイズマシンで代用してみました。
完全一致とはなりませんでしたが(最大負荷が掛かる可動域に違いあり)、その一致性はそこそこある様に思われ、代替え種目になりそうです。
個人的な備忘録としてまとめます。皆様にとっても何かの参考になるかもしれません。
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カーフマシンで行なうレバレッジ・スクワット
スタンディング・カーフレイズマシンとステップ台を組み合わせて行います(身長が低い場合はパッドも必要になります)。こんな感じです。↓
⇅
使用しているスタンディング・カーフレイズマシンはHAMMER STRENGTH製ウェイトスタック式のものです。↓
出典:lifefitness.com HAMMER STRENGTH SELECT スタンディング・カーフ
スタンディング・カーフレイズマシンで代用する場合に問題となるのが可動域です。このマシン単体では、スクワットのしゃがみ側の可動域が足りません。
しゃがみ側の可動域を確保するための手段は2つあります。それは『足場を高くする』と『アーム高さを低くする』です。
可動域を確保する手段①:足場を高くする
ステップ台を使用して足場を高くします。
使用ステップ台
Life Fitness製スタジオデッキです。↓
出典:lifefitness.com スタジオデッキ
設定
高くしたスタジオデッキ(脚を出して高くする)をカーフマシンの補強フレームに立て掛ける。
別角度。↓
ステップ台の固定
レバレッジ・スクワット中に、立て掛けたステップ台(スタジオデッキ)が手前側に倒れない様に、念のためヨガストラップ等で締め付けて固定するとよい。(実情、足配置を上部側にすれば、固定しなくても倒れてくる事は殆ど無い)
可動域を確保する手段②:アーム高さを低くする
『アーム高さ』とはこれです。↓
出典:lifefitness.com HAMMER STRENGTH SELECT スタンディング・カーフ
この高さを低くします。身長別で設定方法を以下の様に区別します。
身長170cm以上の場合
マシン付属の『アーム高さ調整ポッチ』のみで高さを設定する。
身長170cm未満の場合
マシン付属の『アーム高さ調整ポッチ』と『肩パッド』の増設で高さを設定する。
Case1
身長170cm以上の場合
カーフマシン付属の『アーム高さ調整ポッチ』で最適な高さに設定するだけです。
基本的には最下設定で良いと思いますが、高身長の方ですと、立ち上がり側の可動域が狭くなる場合がありますので、調整(最下以外に設定)が必要になります。
身長170cm以上の方は、『アーム高さ調整ポッチ』の設定のみで大丈夫だと思います。
可動域が足りないと判断された場合は、以下に示す『肩パッド』の増設も行ってみるとよいです。
Case2
身長170cm未満の場合
マシン付属『アーム高さ調整ポッチ』の設定だけでは不十分だと思いますので、『肩パッド』の増設も行います。
(1)アーム高さ調整ポッチで設定
最下設定にします。↓
(2)肩パッドの増設
マシン付属『肩パッド』にパッドを追加します。追加パッドの厚さの目安を示すと共に、実際に使えるパッドを参考に示します。
追加パッドの厚さ目安
5~8cm程度。
追加パッドの参考例
例1:ストレッチポールhalf
備品として置いているジムは少なくないです。これですね。↓
上写真では、チューブで追加パッドを固定していますが必須ではありません。マシン付属『肩パッド』と自身の肩で追加パッドを挟むだけでも問題ないです。
ストレッチポールhalfを追加パッドにした場合、肩との接触面積が小さくなるので、負荷重量によっては痛みを感じる場合があります。その対策としてタオルなどをかますと良いです。
例2:腹筋マシンの肘パッド
Life Fitness製アブドミナルマシンの肘パッドも使用できる。使用する場合は、人気マシンなので混雑する時間帯は避けて深夜帯に使うべき。
ストレッチポールhalfより肩との接触面積が大きいので、痛みが比較的少ないところが良い。これです。↓
上写真では、チューブで追加パッドを固定していますが必須ではありません。マシン付属『肩パッド』と自身の肩で追加パッドを挟むだけでも問題ないです。
身長170cm未満でも150cm台以下の方は、上記の様な厚みがある追加パッドでも可動域が足りないと感じるかもしれません。その場合に使えるパッドは現在探し中です。
背もたれパッドの代用(任意)
正規レバレッジ・スクワットマシンに有って、代用レバレッジ・スクワットに無いものの1つに『背もたれパッド』があります。
正規レバレッジ・スクワットマシン
出典:powertec.com Levergym® Squat/Calf
『背もたれパッド』の存在はより安定性が高くなるので、スクワットが行いやすくなります。
一方、代用レバレッジ・スクワットは『背もたれパッド』が無いので、安定性を確保するためにハンドルを強めに握り続ける必要があります。
代用レバレッジ・スクワット
ですが、体がアームとステップ台でしっかり挟まれているので、握りの強さは気になる程ではありません。
気になる場合は、『背もたれパッド』をヨガストラップで代用します(長さが調整できるところが良い)。↓
上写真のヨガストラップの長さは2mですが、余裕を持たせて2m40cm以上のものが良いです。
ちなみに、私が行う場合は、気にならないのでハンドルを握るだけにします。
私感ですが、正規レバレッジ・スクワットマシンの様な背もたれパッドが無いからなのか、代用レバレッジ・スクワットでは腰負担がいくらか生じるように感じます。
正規レバレッジ・スクワットマシンを使用したことが無いので、腰負担がどの程度なのかわかりません。
負荷重量が足りなくなったら
カーフレイズマシンは高重量が扱えるので、付属のウェイトスタックは200kg程度あります。ですが、スクワットなので重量が足りなくなる場合があります。
その場合は、プレート加重ツールでウェイトスタックにプレートを追加することもできますが、ステップ台(スタジオデッキ)の負担を考慮して、動作テンポをゆっくりにする対応をとります。
例えば、『しゃがむ動作に等速4秒かけて、ボトムで2秒保持してから立ち上がる』といった感じです。
以上です。
木澤選手が大腿直筋(特に腿の上半分)狙いでレバレッジ・スクワットを行っていると記しました(上動画参照)。代用レバレッジ・スクワットでも大腿部の股関節付近に良い刺激が入れやすいです。
私やクライアント様も、この部分を重点的に刺激する目的で代用レバレッジ・スクワットを行っています。
最後に、実施バリエーションをいくつか紹介します。
実施バリエーションについて
簡単ではありますが、代用レバレッジ・スクワットの実施バリエーションを示します。
1.ステップアップ
①標準的な実施Ver.
②腿上げ追加Ver.
2.バックランジ
①標準的な実施Ver.
②腿上げ追加Ver.
3.グッドモーニング
4.ペンデュラム風スクワット
ペンデュラム・スクワットマシン(振り子軌道スクワット)というものがあります。日本のジムでは見る機会がかなり少ないです。↓
上動画のマシンの様にはいきませんが、振り子軌道を意識して代用レバレッジ・スクワットを行なうのもアリです。
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