
久しぶりのブログ更新です。サーバー変更とサボりまくったソフト更新を行っていたのですが、それに伴う記事修正に時間を要し、日にちが空いてしまいました。
修正は未だに終わっていません(笑)。このブログが生きている証として、とりあえず1記事あげます。
本日紹介する反復法を知った切っ掛けは、不本意ながら参加したコンディショニング系のトレーナー研修会でした。
当時の私はトレーナー駆け出しの頃で、クライアントを獲得できない不安や焦りから、回りの価値観に合わせてコンディショニング系に目を向けた時期があったんです。自分の強みや核になるものを信じて研ぎ澄ませばよいものを、不安に負けてブレてしまいました。。。私にとっての黒歴史です(笑)。
(コンディショニング系を否定するものではありません、目先の安心を得たくてブレた私を否定しています。)
すみません、話を戻します。
その研修会で、クイックストレッチによって対角・螺旋運動(PNFパターン運動)を促す練習を何度も行いました。
講師の方がクイックストレッチを入れる理由を説明してくれまして、それは伸張反射を起こして筋収縮を引き出すためだとわかりました。
伸張反射とは脊髄反射の1つで、筋肉が受動的に伸ばされた際に過伸展を防ごうと収縮する現象です。『筋肉がこれ以上伸ばされたら危険』と判断した体は、その筋肉を反射的に素早く収縮させます。
この研修への参加は貴重な体験となり、伸張反射によって短縮性筋収縮が意図的に活性化できることを学びました。
この知識を得た事で、それまで不可解だったあるボディビルダーの反復styleが理解に至ります。その方はTom Platz氏です。↓
<Tom Platz式スクワット>
出典:Danilo Janicijevicチャンネル Tom Platz performing a brutal set of squats
<Tom Platz式 DBチェストプレス>
出典:neandertalensis66チャンネル Tom platz muscle camp pectorals
上の動画ではボトム位でバウンドしている様に見えます。教科書的にはNGと言われるリフティングです。当初、私もそう思っていました。伸張反射で高レベルの筋収縮が引き出せることを知らなかったからです。
その知識を得てTom Platz氏のリフティングを改めて見ると、見解が変わります。
ボトム位でクイックストレッチを自ら行って伸張反射を起こしています。そして、発動した伸張反射に乗じて素早いリフティング(素早い短縮性筋収縮)も行っています。
この反復styleによって、Tom Platz氏のリフティングでは強い短縮性筋収縮が生じており(多くの筋繊維が動員され、張力を発生している)、瞬間的な強い伸張刺激もボトム位で入っていると思われます。
上記の様に伸張反射を各反復で利用し、より強い筋収縮を得ようとする反復styleが『イントラレップ・ストレッチリフレックス法』です。本日は、その実施パターンを3つ紹介します。
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種目について
『イントラレップ・ストレッチリフレックス法』は、全ての種目に適用できるわけではありません。相性があります。私が採用している種目を参考に示します。
スクワット系
プレートロード・レッグプレス系
ウェイトスタック・レッグプレス系は、ウェイトスタックの衝突が騒音になるので採用していません。
ダンベル・チェストプレス系
バーベル・チェストプレス系は、バーが体に衝突する場合があるので採用していません。
プルアップ(懸垂)系
アイソレーション種目には殆ど採用していません。危険と感じたり、楽にリフティングできてしまう場合が多いからです。
実施パターン1:Tom Platz式
前段で既に説明しましたが、Tom Platz式『イントラレップ・ストレッチリフレックス法』は、ボトム位でクイックストレッチを自ら行って伸張反射を起こし、それに乗じて素早いリフティング(素早い短縮性筋収縮)を行います。
既に載せましたが、改めて参考動画を載せます。↓
出典:neandertalensis66チャンネル Tom platz muscle camp pectorals
私の場合で恐縮ですが、行い方を具体的に説明します。
クイックストレッチの開始位置
クイックストレッチの開始位置は『普段のボトム位』にしています。
普段行っている種目の反復を思い出して下さい。多くの方が、その種目の『伸展側の最大可動位』まで下ろしたり(戻したり)していないはずです(何も問題ありません)。
例えばスクワット、ヤンキー座り(わかるかな?)の様に完全なしゃがみはしないですよね。例えばプルアップ(懸垂)、肘が伸びきって完全にぶら下がるまで下ろさないですよね。
というように、‘’どこまで下ろすか(戻すか)‘’は『伸展側の最大可動位』の手前までの場合が殆どで、人それぞれに『普段のボトム位』があるはずです。
『普段のボトム位』がクイックストレッチの開始位置で、そこまで等速2~3秒で下ろしたら(戻したら)、クイックストレッチをかけて伸張反射を起こします。
クイックストレッチのかけ方
かけ方は単純で、力を抜いています。
『普段のボトム位』まで等速2~3秒で下ろしたら(戻したら)、力を抜いて『伸展側の最大可動位』まで負荷を落とします。落とした負荷で力が抜けた筋肉にクイックストレッチをかけて、伸張反射を起こします。
生じた伸張反射に乗じて(伸張反射で発生した勢いに合わせて)、力強く一気にリフティング(短縮性筋収縮)します。
行い方(図解)
DBインクラインプレスを例に、行い方を図解するとこんな感じです。これを反復します。↓
<普段の下ろし動作>

⇓
<伸張反射を発生させる>

⇓
<リフティング動作>

実施パターン2:Jacob Hutton式
ストレングスコーチJacob Hutton氏の実施パターンです。
Jacob Hutton式は、1.25レップ法(※)に『イントラレップ・ストレッチリフレックス法』を組み込んだものです。
※1.25レップ法
以下を1レップと定義する反復方法。
『トップ位からボトム位まで下ろす』
⇓
『1/4まで挙げる』
⇓
『再びボトム位まで下ろす』
⇓
『トップ位まで挙げる』
Jacob Hutton式の動画を載せます。↓
出典:Fitness Cultureチャンネル Using Myotatic (Stretch Reflex) Reps | Advanced Training Techniques
私の場合で恐縮ですが、行い方を具体的に説明します。
クイックストレッチの開始位置
クイックストレッチの開始位置は『伸展側の最大可動位から1/4リフティングした位置』になります。
『伸展側の最大可動位』まで等速3~4秒で下ろし、そこから1/4までリフティング(短縮性筋収縮)した位置が開始位置で、そこからクイックストレッチをかけて伸張反射を起こします。
クイックストレッチのかけ方
かけ方は単純で、力を抜いています。
『伸展側の最大可動位から1/4リフティングした位置』で力を抜いて、『伸展側の最大可動位』まで負荷を落とします。落とした負荷で力が抜けた筋肉にクイックストレッチをかけて、伸張反射を起こします。
生じた伸張反射に乗じて(伸張反射で発生した勢いに合わせて)、力強く一気にトップ位までリフティング(短縮性筋収縮)します。
行い方(図解)
プルアップ(懸垂)を例に、行い方を図解するとこんな感じです。これを反復します。↓
<普段の下ろし動作>

⇓
<1/4までリフティングする>

⇓
<伸張反射を発生させる>

⇓
<トップ位までリフティング>

実施パターン3:ISOテンションを入れる
Tom Platz式とJacob Hutton式にISOテンション(最大努力の等尺性筋収縮)を入れたものです。それぞれ図解します。
Tom Platz式 with ISOテンション
私の場合、こんな感じで行なっています。これを反復します。↓
<普段の下ろし動作>

⇓
<伸張反射を発生させる>

⇓
<リフティング動作>

⇓
<ISOテンションを入れる>

Jacob Hutton式 with ISOテンション
私の場合、こんな感じで行なっています。これを反復します。↓
<普段の下ろし動作>

⇓
<1/4までリフティングする>

⇓
<伸張反射を発生させる>

⇓
<トップ位までリフティング>

⇓
<ISOテンションを入れる>

イントラレップ・ストレッチリフレックス法の利点
前段で既に記しましたが、利点は『強い短縮性筋収縮が引き出せる』と『瞬間的な強い伸張刺激がボトム位で入る』です。私は、特に前者をメリットに感じます。
伸張反射と、それに合わせた瞬発的なリフティングにより、多くの筋繊維が動員された短縮性筋収縮になると考えられます。
実施パターン3においてはISOテンション(最大努力の等尺性筋収縮)も追加しており、より多くの筋繊維動員が期待できます(Babault氏他3名の研究)。
高レベルの動員や神経系の活性化が理由だと思われますが、実施パターン3のISOテンション時に強い短縮感が得られ、個人的に大変気に入っています。
また、ISOテンションでは筋肥大に関する代謝要求や内分泌の活性化も期待できます(Kanehisa氏他6名の研究)。
こういった理由から、個人的には実施パターン3の『Tom Platz式 with ISOテンション』を好んで行うことが多いです。
以上です。反復styleの参考になれば嬉しいです。
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