強調伸張性負荷トレーニングは伸張性筋収縮時に過負荷を掛けるもので、筋力や筋パワー向上目的で利用されますが、総負荷量(筋肉の仕事量の目安)を維持・向上させれば筋肥大目的にも利用できると過去記事で説明しました。
<過去記事>
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【筋トレ】筋肥大用の強調伸張性負荷トレーニング~説明編~
本日は、パフォーマンスピンを活用した筋肥大用強調伸張性負荷トレーニングの具体例を紹介します。参考になれば嬉しいです!
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復習:筋肥大用強調伸張性負荷トレーニング
概要
下ろす際(伸張性筋収縮時)に過負荷をかける反復方法。下ろす重量は重く、挙げる動作(短縮性筋収縮)へ移行する直前で負荷を取り除いて挙げる重量を軽くする。
筋肥大用に総負荷量(筋肉の仕事量)を維持・向上させるため、クラスタセット法やレストポーズ法の様な小休息を挟むトレーニング手法を組み合わせる。
負荷取り除きツール
挙げる動作(短縮性筋収縮)へ移行する直前の負荷取り除きに『パフォーマンスピン(Performance Pin)』を使用する。
このツールは、人の手を使うこと無くウェイトスタック重量を素早く変えてくれるツール。
出典:Performance Pinチャンネル Performance pin video tutorial
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【筋トレ】ドロップセット法に役立つ『パフォーマンス・ピン』を紹介!
<日本正規代理店>
<他購入方法>
アマゾン等でも購入可能(割高)。
組み合わせるトレ手法
総負荷量(筋肉の仕事量)を維持・向上させるために、以下のトレ手法を組み合わせる。
レストポーズ法
シングルレップcluster
シングルレップcluster+Dropセット
マルチレップcluster
採用種目
パフォーマンスピンを使用するので採用種目はウェイトスタックマシン種目になる(スミスマシン種目も一部採用しています)。
普段私が取り入れている種目は以下になる。
- ケーブルカール(上腕二頭筋)
- ケーブルtricepsエクステンション(上腕三頭筋)
- ケーブルサイドレイズ(三角筋側部)
- マシンペックフライ(大胸筋)
- マシンLegエクステンション(大腿四頭筋)
- マシンLegカール(ハムストリングス)
- スミスマシン・ベンチプレス(大胸筋)
- スミスマシン・ショルダープレス(主に三角筋前部)
- スミスマシン・ナロープレス(上腕三頭筋)
採用種目は対象筋の『高い筋繊維動員レベル』を狙うために、アイソレーション種目を主に選択しています。
組み合わせるトレ手法は総負荷量(筋肉の仕事量)が多いので、コンパウンド種目(多関節種目)を選択すると、中枢性疲労や協働筋活動の増大により対象筋の筋繊維動員の高まりが抑えられてしまう可能性があります。
具体例
筋肥大用強調伸張性負荷トレーニングの具体例を紹介していきます。
独りで行なうことを想定し、過負荷を伸張性筋収縮開始位置まで独りで持って行く方法も併せて示します(これはネガティブレップ法を独りで行なう場合の参考になるかと思います)。
例1:マシンLegエクステンションwith『レストポーズ法』
レストポーズ法
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30~40秒休息。
(パフォーマンスピンで伸張性過負荷を再設定)
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30~40秒休息。
(パフォーマンスピンで伸張性過負荷を再設定)
⇓
マシンLegエクステンション例
事前準備(重量設定)
ウェイトスタックピンを片脚の75%1RMに、パフォーマンスピンを片脚の120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①下ろし動作開始準備
両脚で負荷(片脚の120%1RM)をエクステンションして、下ろし動作開始位置(膝を伸ばし切った状態)まで持って行く。
⇓
②過負荷で下ろし動作(1回)
等速3秒かけて負荷(片脚の120%1RM)がウェイトスタックに戻り切るまで片脚で下ろす。負荷(片脚の120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて片脚の75%1RMの重量になる。
⇓
⇓
ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れて負荷重量が片脚の75%1RMになる
③エクステンション動作反復(限界まで)
片脚の75%1RMになった負荷でエクステンション動作を片脚で限界まで反復する。エクステンション動作は力強く実施し、下ろし動作は等速2秒で実施する。
⇅
④小休息
小休息30~40秒とる。この間に負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤もう一度①~④を実施
負荷(片脚の120%1RM)の片脚下ろし1回、負荷(片脚の75%1RM)の片脚エクステンション動作を限界まで反復、小休息中(30~40秒)の負荷重量再設定を再度実施する。
⑥更にもう一度①~③を実施
負荷(片脚の120%1RM)の片脚下ろし1回、負荷(片脚の75%1RM)の片脚エクステンション動作を限界まで反復を再々度実施する。
これで片脚1セット終了となります。
セット間休息3分程度とって(この休息中に、もう片方の脚を実施しても良いです)、残り2セット実施します。
例2:マシンLegカールwith『レストポーズ法』
レストポーズ法
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30~40秒休息。
(パフォーマンスピンで伸張性過負荷を再設定)
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30~40秒休息。
(パフォーマンスピンで伸張性過負荷を再設定)
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マシンLegカール例
事前準備(重量設定)
ウェイトスタックピンを片脚の75%1RMに、パフォーマンスピンを片脚の120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①戻し動作開始準備
両脚で負荷(片脚の120%1RM)をレッグカールして、戻し動作開始位置(できるだけ膝を曲げた状態)まで持って行く。
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②過負荷で戻し動作(1回)
等速3秒かけて負荷(片脚の120%1RM)がウェイトスタックに戻り切るまで片脚で戻す。負荷(片脚の120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて片脚の75%1RMの重量になる。
⇓
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ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れて負荷重量が片脚の75%1RMになる
③レッグカール動作反復(限界まで)
片脚の75%1RMになった負荷でレッグカール動作を片脚で限界まで反復する。レッグカール動作は力強く実施し、戻し動作は等速2秒で実施する。
⇅
④小休息
小休息30~40秒とる。この間に負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤もう一度①~④を実施
負荷(片脚の120%1RM)の片脚戻し1回、負荷(片脚の75%1RM)の片脚レッグカール動作を限界まで反復、小休息中(30~40秒)の負荷重量再設定を再度実施する。
⑥更にもう一度①~③を実施
負荷(片脚の120%1RM)の片脚戻し1回、負荷(片脚の75%1RM)の片脚レッグカール動作を限界まで反復を再々度実施する。
これで片脚1セット終了となります。
セット間休息3分程度とって(この休息中に、もう片方の脚を実施しても良いです)、残り2セット実施します。
例3:ケーブルカールwith『シングルレップcluster』
シングルレップcluster
ケーブルカール例
事前準備
(1)ケーブル高さ設定
ケーブルの高さをカール下ろし動作最下位(肘が伸びきる手前)に設定する。
(2)重量設定
ウェイトスタックピンを85%1RMに、パフォーマンスピンを120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①下ろし動作開始準備
ケーブル負荷方向と前腕の向きをあわせながら(上腕二頭筋の負担が大きく減らせる)、スクワットでケーブル負荷(120%1RM)を下ろし動作開始位置まで持って行く。
⇓
②過負荷でカール下ろし動作(1回)
等速3秒かけてケーブル負荷(120%1RM)がウェイトスタックに戻り切るまで下ろす。ケーブル負荷(120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて85%1RMの重量になる。
⇓
⇓
ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れてケーブル負荷重量85%1RMになる
③カール動作反復(1回)
85%1RMになったケーブル負荷でカール動作を1回反復する。カール動作は力強く行い、下ろし動作は等速2秒で実施する。
⇓
④小休息
小休息12秒とる。この間にケーブル負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤7度①~④を繰り返す
ケーブル負荷(120%1RM)の下ろし1回とケーブル負荷(85%1RM)のカール動作反復1回を7度実施する。
これで1セット終了となります。
セット間休息3分以上とって、残り2~3セット実施します。
ワンハンド・ケーブルカール例
ワンハンド・ケーブルカールで行なうパターンもありです。
その場合のカール下ろし動作開始準備ですが、空いている腕の補助でケーブル負荷を下ろし動作開始位置まで持って行き、空いている側の手を放します。
⇓
⇓
これ以外の実施要領は、上記した『ケーブルカール例』と同じになります。
例4:ケーブルtricepsエクステンションwith『シングルレップcluster+Dropセット』
シングルレップcluster+Dropセット
⇓
直ちに重量減らし反復を継続
(反復限界8~10回の重量に減)
⇓
ケーブルtricepsエクステンション例
事前準備
(1)ケーブル高さ設定
地面膝付いてかかとに座った状態で、ケーブル高さをエクステンション戻し動作最下位(肘角度45°程度)に設定する。
(2)重量設定
ウェイトスタックピンを90%1RMに、パフォーマンスピンを120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①戻し動作開始準備
肘を伸ばして両手でバーを握り、体重を下方へかけながらケーブル負荷(120%1RM)を押し込んで戻し動作開始位置(かかと座りで両腕伸びた状態)まで持って行く。
⇓
②過負荷で戻し動作(1回)
等速3秒かけてケーブル負荷(120%1RM)がウェイトスタックに戻り切るまで戻す。ケーブル負荷(120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて90%1RMの重量になる。
⇓
⇓
ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れてケーブル負荷重量90%1RMになる
③エクステンション動作反復(1回)
90%1RMになったケーブル負荷でエクステンション動作を1回反復する。エクステンション動作は力強く行い、戻し動作は等速2秒で実施する。
⇓
④小休息
小休息12秒とる。この間にケーブル負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤7度①~④を繰り返す
ケーブル負荷(120%1RM)の戻し1回とケーブル負荷(90%1RM)のエクステンション動作反復1回を7度実施する。
⑥重量減らしエクステンション動作反復(限界まで)
ウェイトスタックピンのみをケーブル負荷(この時点でできる8~10RM重量)に設定し、限界までエクステンション動作を行う。
エクステンション動作は力強く実施し、戻し動作は等速2秒で実施する。
⇅
これで1セット終了となります。
セット間休息3分以上とって、残り2セット実施します。
ワンハンド・ケーブルtricepsエクステンション例
ワンハンドでケーブルtricepsエクステンションを行なうパターンもありです。
その場合の戻し動作開始準備ですが、空いている腕の補助でケーブル負荷を押し込んで戻し動作開始位置まで持って行き、空いている側の手を放します。
⇓
⇓
※立位で行なっても構いません
これ以外の実施要領は、上記した『ケーブルtricepsエクステンション例』と同じになります。
例5:マシンペックフライwith『シングルレップcluster+Dropセット』
シングルレップcluster+Dropセット
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直ちに重量減らし反復を継続
(反復限界8~10回の重量に減)
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マシンペックフライ例
事前準備
(1)背当ての用意
背当てとして直径55cmのバランスボールをシートに乗せておく(これによりペックフライ戻し動作開始準備がしやすくなります)。
(2)ハンドルの用意
ケーブル用ハンドルをマシンハンドルにかける(人の好みによっては不要な場合もある)。
(3)マシン可動域設定
バランスボール背当てとケーブル用ハンドル(好みにより不要な場合あり)を使用した状態で、マシン可動域をペックフライ戻し動作最下位(怪我しない範囲で大胸筋の伸張がしっかり感じられる位置)に設定する。
(4)重量設定
ウェイトスタックピンを90%1RMに、パフォーマンスピンを120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
※重量が足らない場合は、ウェイトスタックにプレートを加重します。
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【筋トレ】マシンの重量が足りなくなったら
①戻し動作開始準備
マシンのアームフレームを伸ばし切った状態で、体重をかけながら片方ずつアームフレームを回収して、戻し動作開始位置まで持って行く。
②過負荷で戻し動作(1回)
等速3秒かけて負荷(120%1RM)がウェイトスタックに戻り切るまで戻す。負荷(120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて90%1RMの重量になる。
⇓
⇓
ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れて負荷重量90%1RMになる
③ペックフライ動作反復(1回)
90%1RMになった負荷でペックフライ動作を1回反復する。ペックフライ動作は力強く行い、戻し動作は等速2秒で実施する。
⇓
④小休息
小休息12秒とる。この間にケーブル負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤7度①~④を繰り返す
負荷(120%1RM)の戻し1回と負荷(90%1RM)のペックフライ動作反復1回を7度実施する。
⑥重量減らしペックフライ動作反復(限界まで)
ウェイトスタックピンのみを負荷(この時点でできる8~10RM重量)に設定し、限界までペックフライ動作を行う。
ペックフライ動作は力強く実施し、戻し動作は等速2秒で実施する。
⇅
これで1セット終了となります。
セット間休息3分以上とって、残り2セット実施します。
例6:ケーブルサイドレイズwith『マルチレップcluster』
マルチレップcluster
ケーブルサイドレイズ例
事前準備
(1)下ろし動作最下位設定
ケーブル高さを最下位に設定。
腕下垂位がケーブルサイドレイズ下ろし動作最下位になる様に、長いハンドル又はそれに代わるスペーサーを使用する(私の場合は登山用スリングを使用)。
(2)重量設定
ウェイトスタックピンを65%1RMに、パフォーマンスピンを120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①下ろし動作開始準備
空いている腕の補助でケーブル負荷(120%1RM)を下ろし動作開始位置(腕水平位)まで持って行く。
⇓
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②過負荷で下ろし動作(1回)
等速3秒かけてケーブル負荷(120%1RM)が戻り切るまで下ろす。ケーブル負荷(120%1RM)は戻り切ったら自動でパフォーマンスピンが外れて65%1RMの重量になる。
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⇓
ウェイトスタックからパフォーマンスピンが自動で外れてケーブル負荷重量65%1RMになる
③サイドレイズ動作反復(5回)
65%1RMになったケーブル負荷でサイドレイズ動作を5回反復する。サイドレイズ動作は力強く行い、下ろし動作は等速2秒で実施する。
⇅
④小休息
小休息20秒とる。この間にケーブル負荷重量を再設定する。
※写真の重量は不正確です。
⑤もう一度①~③を実施
ケーブル負荷(120%1RM)の下ろし1回とケーブル負荷(65%1RM)のサイドレイズ動作反復5回を再度実施する。
これで片側1セット終了となります。
セット間休息2分程度とって(この休息中に、もう片側を実施しても良いです)、残り2~3セット実施します。
例7:スミスマシン・ベンチプレスwith『マルチレップcluster』
例1~6と異なり、パフォーマンスピンを使用しないパターンです。
『スミスマシン・ベンチプレス』を代表例としていますが、『スミスマシン・ショルダープレス』や『スミスマシン・ナロープレス』も同要領で行なえます。
マルチレップcluster
スミスマシン・ベンチプレス例
事前準備
(1)下ろし動作最下位設定
怪我しない範囲で大胸筋の伸張がしっかり感じられる位置にバーがくる様、スミスマシンのセイフティストッパーを設定する。
(2)重量設定
バー負荷重量を過負荷下ろし用の120%1RMに設定する。
※写真の重量は不正確です。
①過負荷で下ろし動作(1回)
等速3秒かけてバー負荷(120%1RM)がセイフティストッパーにのるまで下ろす。
⇓
②反復用重量に変更
セイフティストッパーにバーをのせた状態のまま、バー負荷重量を反復用65%1RMに変更する。
③ベンチプレス動作反復(5回)
65%1RMになったバー負荷でベンチプレス動作を5回反復する。具体的には、ボトムから挙げて下ろすを4回繰り返し、5回目挙上したらそのままラックに戻す。
ベンチプレス動作は力強く行い、下ろし動作は等速2秒で実施する。
ボトムから挙上して下ろすを4回反復
⇅
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5回目の挙上でバーをラックに戻す
④小休息&過負荷下ろし用重量に変更
小休息20秒とる。
この間に、ラックにバーを戻した状態のまま、バー負荷重量を過負荷下ろし用120%1RMに変更する。
※写真の重量は不正確です。
⑤もう一度①~③を実施
バー負荷(120%1RM)の下ろし1回とバー負荷(65%1RM)のベンチプレス動作反復5回を再度実施する。
これで1セット終了となります。
セット間休息2分程度とって、残り2~3セット実施します。
以上です。
<説明編>
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