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私が所属しているNSCAの機関誌に、筋肥大に関する興味深い記事がありました。それは『セット間休息中に手の平または足裏を冷やす』というものです。
NSCA以外からも広く情報を収集しているので、筋肥大促進に関するトピックや戦略について大方把握している方だと自己評価していましたが、まだまだですね(笑)。知らない面白い知見が沢山あると思われ、好奇心がくすぐられています。
筋肥大に関する『セット間休息中に手の平または足裏を冷やす』戦略は、まだまだ研究数が足りないですし、我々一個人がジムで取り入れるにはツール面でも難ありで、非実用的な段階です。
ですが、こういった筋肥大アプローチもあるという事を備忘録として残したく(今後の動向調査対象)、記事にします。皆様にとっても参考になるかもしれません。
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筋肥大の促進が期待できるアイシング
”アイシング"といえば、トレーニング後に活動した部位(又は全身)を冷やすということが連想されます。このパターンのアイシングが筋肥大にどう影響するのか、これが示された研究は多くあります。
これらによると、トレーニング後に全身または体の一部をアイシングすることは、筋肥大に悪影響を与える可能性が高いと考えられ、我々の様な筋肥大を最優先としているトレーニーとって、このパターンのアイシングは避けるべきだと思います。
ですが、同じアイシングでも、手の平や足裏をセット間に冷やす場合は、トレーニングパフォーマンス(トレーニング容量や筋力など)の向上が期待できる様です。これが確かな事実であるならば、総負荷量が増えることになるので筋肥大の促進につながる可能性があります。
上記研究を対象にしたBurke氏他2名のレビュー論文によると、その冷却方法は以下であり、トレーニングパフォーマンス向上目的において試してみる価値があるものだと読み取れます。
トレパ向上(延いては筋肥大促進)が期待できるアイシング
- セット間休息時に、10℃または15℃で2~3分間、手の平や足裏を冷却する。
- 基本的には、上半身の種目では手の平、下半身の種目では足裏を冷却する。
- 既存研究の冷却様式は、特殊な保冷手袋、保冷剤、バケツの水などである。
一個人がジムで試すアイシングとしては難アリアリですよね。ホームトレーニーの方は比較的試しやすいかと思います。
この冷却方法でトレーニングパフォーマンス(トレーニング容量や筋力など)が向上するメカニズムは、明らかになっていません。ですが、理論的背景としては以下のものが示されています。
手の平や足裏のアイシングでトレパ向上が期待できる理論的背景
- 中枢神経系への刺激が高まって、筋活動における興奮度と運動単位の動員が増加。
- 末梢刺激によって、トレ中の苦痛感が一時的に軽減される。
- 活動中の筋肉に運ばれる血液温度が下がり、ATP(筋収縮のエネルギー源)の生成に関わる酵素(筋ピルビン酸キナーゼなど)に有益な影響を与える。
- トレーニング中の乳酸蓄積が抑制される。
トレーニングパフォーマンス(トレーニング容量や筋力など)が向上すると総負荷量が増えるので、筋肥大の促進も期待できるということになります。

乳酸は筋肥大要因の1つ『代謝ストレス』に関わりますので、乳酸蓄積の抑制が考えられる本アプローチは、パンプ主体の筋肥大トレーニングに不向きかもしれません。
本日は以上です。
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